第79話

本日もさくらと楽しく帰宅中、先日は皆に誕生日を祝ってもらえて嬉しかった史人です。

「そういえば、この間の帰りびっくりしたんだよね〜」

「ん? 何かあった?」

「覚えてるかな? 帰りに私がスマホ見てたらふーくんが来た時!」

お、あれか? 勝手にスマホ見たからよくなかったと思ったやつ。何かあったのか?

「んー。最近? 欲しいものの通販見てた時?」

あ、買えたのか? なんだったんだろう。

「そう! その時〜」

「あれ結局買えたの? ってかびっくりしたってなんだ?」

「うふふ、あれね〜。この間のふーくんへの誕生日プレゼント買おうとしてたの〜」

「え? あー、だから隠してたのか!」

「そ〜、近くに売ってないからスマホで探してて〜。探すのに夢中になってて危なかったー」

「あはは、何かやばいもんでも買ってんのかと思ったわ」

「違うよー! サプライズ相手と帰るのに呑気に見てた私が悪いんだけどね〜」

「いい度胸だよな」

「めっちゃ焦ったの! 見られたかな…ってなって、でもふーくん何も言わないからバレてない!って思った〜」

うん。全然見えなかった。いや、何か突き放されてるみたいでちょっと拗ねたくらい。

「全然気づかなかったわ、さんきゅうな」

「えへへ〜、もう履いてるねぇ」

「もったいないからたまに履くわ」

「えー、履いてよー!! んー、でも好きなものだもんね。うん、たまにでも履いて〜」

「おぅ、結局めっちゃ履くわ」

「どっちだよー!」


なんだかこのスニーカーへの愛着がもっと沸いた気がします。

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