第75話
「おはよ」
「あ、おはよ。史人今日は早起きね〜」
「いつもが遅いんだよ」
「朝ごはん食べるわよね? 少し待ってて〜」
「ありがと、着替えてくるわ」
「はーい、洗濯機に入れちゃってー! 朝ごはんテーブルに出しとくわね〜」
「りょうかーい」
今日は母の日。父さんと相談して、母さんが欲しがってた食器乾燥機を買うことにした。俺の貯めてたおこづかいから少しと父さんのお金で買うことになり、今日父さんが買って帰ってきてくれるらしい。朝からソワソワしていつもより早起きだ、何をしようか…。
「ごちそうさまー」
「はーい、置いといてー」
あ。洗うか、まぁいつも洗えよって話ですが…。
\ジャー/
「あれ? 史人洗ってくれてるの?」
「あ。おぅ、今日…母の日だし」
「なーに、かっこつけて〜。ありがとね」
うん。照れるわ。でも、喜ばれるっていいな。今日は色々手伝うかー!
「昼…俺作るわ」
「え! 本当! 作れるの〜?」
「たまに1人で飯作ってる時の腕前見せちゃうかんな〜」
「おー、いつも見せてくれてもいいけどねー」
「いや、それは勘弁」
「あはは、じゃあ昼は甘えておまかせするわね」
「はーい」
「できたよー」
「おぉー、チャーハン!」
「俺の得意料理〜」
「ふふふ、ありがと」
おいしいとか、人のご飯はいいわねとか言いながら食べる母さん。嬉しいもんだな。おいつもよりたくさん手伝いをして、これを毎日やってくれてる母さんにもっと感謝した。仕事しながらって…すげぇな世のお母さん方わ。尊敬します。
「ただいまー」
お、父さん帰ってきた。
「あら、今日早いのね〜。おかえりなさい」
「おぅ、ただいま」
「ん? 何か買ったの、大きいわね〜」
父さんが楽しそうだ。プレゼントって何か楽しいよな〜。
「はい、これ。母さんにプレゼントだ」
「えぇ〜! わぁ、何かしら。ありがとう」
もう嬉しそうな母さん。
「史人と一緒に決めたんだ。開けてごらん」
「ふふ、ありがとう。ハサミ…ハサミ」
ハサミを探すのも楽しそうな母さんとそれを嬉しそうに見る父さん。
「あらぁ! 食器乾燥機でしょ! 欲しかったのよ〜、2人ともありがとー!」
「そうだよ、これ重いのな。持って来ただけで筋肉痛になりそうだったよ」
父さんはすごく喜ぶ母さんからの感謝に照れ隠しをしてるみたいだ。まぁ、ほんとに重かったんだろうけど。後で肩もみでもするか。
「母さん欲しそうだったから、父さんとそれがいいだろうって」
「嬉しいわぁ。今日から使いましょうね」
「ご飯の準備手伝うよ」
「あら、史人今日は働き者〜。毎日そうして下さい!」
「あはは、はーい!」
この家に生まれてきた俺は幸せ者です。
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