第72話 【智の恋】

お久しぶりです。智です! 引き続き初デート中です。おそろいのイヤーカフつけながら映画館に向かっています!


「映画楽しみだな〜」

「そうですね! ネットでチケット取っておきました〜」

「おぉ! できるね〜」

「あざす!」

「…そういえば、智くん敬語やめない?」

敬語!? 敬語やめるかぁ…。頑張らないとだよな。

「え! あ、えっと。善処します!」

「ふふ、よろしくお願いします〜」

タメ口できるかなぁ。


「つき…着いたね」

「ふふ、うん! 飲み物とか買お〜」

「あ、はい」

あ、敬語使っちゃった…。

「敬語使ったから奢れ〜」

「え、あ。はい、奢りま…奢る!」

うわぁ、タメ口難しい!慣れるまで時間かかりそうだなぁ。

「ふふ、冗談だよ〜。買いに行こう!」

「う、うん」

あ、彼氏として奢るべきとこか! めっちゃ難しい!!


「先輩、もうすぐ始まるね」

「うん! 楽しみ〜、ってかめっちゃいい席選んだねー! さすが〜」

「えへへ、あざす!」

「あ、始まる〜」

先輩楽しそうでよかった。先輩の好きなかわいい動物たちのアニメ(?)映画を見ている。パート3らしく、前2つの作品は見てきた。笑いあり、涙ありで俺もハマってしまっている。先輩の隣で緊張するが、俺も作品を楽しもう! 手を繋げるような話じゃないし…。


「いやー、感動したー!」

「俺もです! まさか、あいつ戻ってくるとはー!」

「あれはめっちゃよかった…って2も見たことあるの?」

あ…やば、先輩に言ってなかった。バレた、はずい…。

「あ、えっと…。先輩が好きって言ってたので…」

「え! 私が言ったからなの〜! 嬉しい、ありがとう!」

「いや、あんないい作品教えてくれて、俺が感謝ですよ!」

あ、また敬語に…。タメ口、タメ口!

「嬉しい〜! じゃあグッズ見に行こうよ!」

「俺も見たい!行こー」

「ふふ、タメ口慣れな〜い」

「先輩が言ったんじゃないですかー!」

「あー、敬語だめだよー。ふふ、行こう!」

「あ、ちょっとー」

いつかかっこよく決めてやるー!

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