第71話

「おはよ、ふーくん!」

「え…!?」

さくらの髪が…。さくらの髪がショートに…!?

「髪切ったの! どう? 似合うかな?」

さくらのショートとかいつ以来だ? 小学校…か? うわぁ、久しぶりに見たー!

「ふーくん? 似合わないかなー」

「え、あ! めっちゃかわいい! あっ」

やばいやばい! 焦ってめっちゃかわいいとか言っちゃったよ!?

「ほんと? ありがとう!! 嬉しい〜」

あれ、普通に喜んでくれてる…。よかった!

「お、おぅ。まじで似合ってると思うわ」

「えへへ〜、照れる」

て、照れる!? さくらが照れてる、俺のかわいいで…。よし、これは夢だな。うん。早く目覚めろ、俺! 遅刻するぞ〜。

「あ、そろそろ行かないと遅刻する〜」

「お、おぉ。行こう行こう!」

いやー、いい夢だわ。


「おはよー、史人」

「おぅ、おはよ!」

夢じゃ…なかったみたいです。

「あれ、さくらちゃんショート! かわいいな」

「おい」

「あー、ごめんごめん! 別に狙ってないって!」

「わかってるわ、かわいいよな。うん」

「おぉ、デレた」

「あー! さくらー! ショートめっちゃかわいいね!!」

「ゆみりーん! ありがとー!!」

おぉ、ゆみさんもかわいいと思うか。うんうん、そうだよな。

「女子って普通にあぁいうの言うんだな」

「男子でも言うやつは言うよな」

「え、まじか」

「他の男子にさくらちゃん狙われないように気を付けろよ☆」

…そっか。さくらかわいいから他の男子が好きになることも…まずいまずい!

「史人ー、史人ー! からかってごめんって思い詰めるな思い詰めるなー!」

「お、おぅ。わかってるわ」

「ならいいけど」

頑張らないとなぁ、まじで。

「ふーくん、借りてた本忘れてた〜」

「お、おぉ読むの早いな」

「ありがとー! 面白かった!」

「おぅ、よかった」

「はーい、ホームルーム始めるぞー」


今年中には…今年中には告白しないとな。


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