第57話

さくらがスマホとにらめっこしています。

「さくらー、どうした?」

「あ、見て見てふーくん!」

「ん?」

さくらの見せてくれたスマホには、うさぎがいました。

「うさぎ…?」

「そう! かわいいでしょ〜! うさぎ育てるアプリ入れたの! うさぎリアルだし、めっちゃかわいいの〜」

リアルだな…。かわいいけど、こういうのってリアルじゃないイラスト! って感じのうさぎを育てるんじゃないのか?

「かわいいな。それをやってたのか」

「ふーくんもやる? フレンドになるとふーくんのうさちゃんとも遊ばせられる〜」

うさぎを育てる男子高校生…。かわいいだろうけど、俺のきゃらじゃなくね? でも、さくら楽しそうだし…。うーん。いれてやるかな〜。

「なんてアプリ?」

「え! いれてくれるの! “育てて!ハピハピうさちゃんズ!”ってやつ!」

「お、おぉ」

だせぇ。なんてダサい名前のアプリだよ。いつできたアプリなんだよ。

「これか?」

「うん! ダウンロード!」


「名前何にするの〜」

「んー」

俺はかわいい立ち耳の黒いうさぎを飼うことに。名前かぁ、さくらとか言ったら引くよなぁ。

「さくらはなんて名前にしたんだ?」

「白くてふわふわだから、雪!」

「雪ねぇ」

黒いうさぎ。うーん。デビル…はかわいそう。カラス…もやだな。

「ポチにするわ」

「え? ポチ!?」

「おぅ、ポチ」

「あはは、犬じゃん!」

「な、なんだよ。そういうのは先入観だ!」

「ごめん〜! かわいいね、ポチ〜よろしく!」

ポチ…かわいいな。世話頑張ろう。

「ふーくん、フレンドなろう!」

「お、どうやるんだ」

「こうして、こうして…。はい! できた〜」

「おぉ! よろしくな」


うさぎってかわいいのな。

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