第51話

数学の授業中。眠い。すごく眠い。真面目に授業を受ける気はある…。だが、眠い。たくは…寝てる。

「史人ー、ここわかるかー?」

「え、あ。はい! えーっと。x=3です」

「はい、正解」

あっぶな。目が覚めた。智全力で寝てるな〜。お、さくらも眠そう。カクカクしてる…。かわいい。

「智ー、ここ解けるか〜?」

「…」

先生、そいつ全力で寝てます。答えないっす。

「智ー?」

「え、あ。はい」

「この問題だ」

先生、そいつ起きても答えわかんないですよ。

「んー。わかんないっす!」

「寝てただろ〜、ちゃんと聞けよ。もう一回説明しまーす」

「はい! すみません!」

先生、そいつ説明してもわかんないっす…。


そろそろ授業終わるな〜、今日皆めっちゃ寝てるわ。さくらも下向いてる…。寝た…かな?

「今日はここで終わりまーす」

「きりーつ」

「れい」

「おーい、さくらさーん?」

まずい…。さくら寝入ってる。起きろ〜!

「あ、すみません」

起きた。恥ずかしそう。

「れーい ちゃくせーき」


「やっちゃったー」

「さくら寝すぎだよ〜」

「もう、起こしてよ! ゆみりん!」

「ごめんごめん! 今度は起こすから〜」

「指されたのに答えられず、寝続けた俺の方がやばいだろ」

「あはは〜、そうかも」

「おいおい、否定してくれよ〜」

「あはは〜! その辺までは起きてたのに〜」

…羨ましい。楽しそう。あー、俺もあそこの席行きたーい!

「智、ずるい」

「お、たく」

「史人もあっち行く?」

「え、あ。うん。行く」


うん。たくがいればなんとかなりそう。

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