第37話

「わぁ、さくらだー!!」

さくらが…さくら。

「ねぇ! 咲いてるよ! 綺麗だね!!」

「おぅ、そうだな。写真でも撮るか」

\パシャッ/

「あ! ふーくん一緒に写真撮ろうよ〜」

「え? 一緒に?」

「さくら綺麗だし! たまにはいいじゃん! JKみたいじゃん!」

「いや、さくらはJKじゃん」

「はーい、撮るよ!」

「お、おぉ」

…近いんですけどぉ!? あ、写真写真。落ち着け、俺。

「はい、チーズ!」

\パシャッ/

「どうだろ、あはは!」

「ん?」

「ふーくん、目つぶってる〜」

「うわ、まじかよ。ちゃんと撮れって」

「ちゃんと映って下さい〜」

2ショット…このままでは終われない!!

「もっかい! もう1回撮るぞ」

「いいじゃん、これ面白ーい!」

「は? だめだろ! 撮れって!!」

「あはは! じゃあふーくん撮ってみたら?」

おいおい、俺自撮りしたことないわ!

「いや、いい。うん帰るか」

「おっと〜、ふーくん自撮りできないのか〜」

バ、バレた。

「いや、撮れるから」

「はい、やってみてー!」

うわ、自撮りとか難しくない!? 皆よくパシャパシャ撮ってるもんですね。あぁもう、やったるかー!

「と、撮るぞ」

「はーい」

「はい、チーズ…」

\パシャ/

「どれ〜、おぉ! いい感じ!」

「だろ? 俺だって自撮りぐらい…」

「あれ? あはは! ふーくん、さくら映ってない!!」

「え、映ってるじゃん」

「違う! 桜! ただの2人の写真じゃん!」

「あ…、もう1回…」

「いや、これがいいよ〜、よし帰ろ〜」

「さくらがいいなら、帰るか」


桜が映らなくても、2人で撮ったこの写真は素敵な思い出。

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