第25話

「お疲れ様〜、ふーくん帰ろ!」


「楽しかったな、クラス会」

「うん!ふーくん、誘ってくれてありがとう!」

「いや、さくらと皆がいたからあんな楽しいものできたんだよ。俺こそありがとうな」

「えへへー、そう言われると嬉しいー! 私も役に立てたのか〜! やったー!」

喜んでるさくらがかわいすぎる…。えへへーって何、えへへーって。かわいいな、おい。いやいや、さくらとの会話に集中しろ、俺!

「ってか優勝してたじゃん、おめでとう」

「そう、こうきくんがすごかったよね〜! 私あんまり何もしてないんだけどね」

ふふふって笑うさくら。…こうきくんですか、こうきくん! イケメンで人気者でなんてずるくないっすか!? 俺もイケメンだって!? ありがとうございます!? いや、取り乱すな、俺。さくらとの会話に集中だ!

「すごかったな。かっこよかったし?」

おいおい。アシストするな、俺!

「そうだね! でも、イス取りゲームのふーくんもかっこよかったよ?」

「イス取りゲーム? 俺さっそうと負けたんだけど、バカにしてんのかよ」

「違うよー! 同じチームの子に譲ってたじゃん! 負けっちゃってもかっこよかったよ〜」

そんなに俺を見てたのか…? さくら、ついに隣のイケメンに気づいちゃったのか? あ、イケメンとか自分で言うな、バカ。

「なぁ、さく…」

「ふーくんも食べるー? チョコレート! めっちゃおいしいよー!」

…かわいいけど、タイミング逃したな。いや、焦るな自分。こんなに延ばしてきた告白をこんな何でもない帰り道にするもんじゃないぞ。

「ふーくん…? 食べないのー?」

「優勝してないけど、くれるって言うなら食いたい」

差し出してますけど、まさかのあーん的な? チョコはハードル高くない!? 指までいっちゃったらどうすんのよ!?

「はい、手出して! 1つあげる〜」

ですよねー! 俺はバカです、はい!

「さんきゅー。 お、うま!」

「だよねー!! 高級なのってやっぱりおいしいんだな〜」


テンションの上がり下がりが大きい1日だったけど、無事終わってよかったし、なにより楽しかった!

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