第15話

*史人とさくらは智の計らいで2人きり遊園地デート中


楽しい! かわいい!最高!いやー、皆でいても楽しかったが、デートのつもりだった俺にはこの2人きりの時間は最高でしかない。智に感謝でな。


「ふーくん、そろそろ閉園が迫ってきております。観覧車行っちゃいますか」

さくらは昔から観覧車が大好きだ。よく乗ったなぁ。しかし、今の俺にあんな2人きりの狭い空間耐えられるだろうか…。

「お、おぉ。行くか」

「あれ、ふーくん乗り気じゃない? 高所恐怖症とかになっちゃったのかー?」

「ちげぇよ! もう帰るのかーとか思ってたんだよ」

あ、やば。動揺してきもいこと言った。

「あはは! ふーくんそんなに遊園地好きだったっけ? また来ようねー!」

いや、俺が好きなのはあなたです。

「じゃあ、観覧車行こ?」

うん。かわいい。


「わぁー! 高ーい!」

大はしゃぎのさくらは子どもっぽくて、いつもと違ったかわいさが溢れています。

「あんま動くとあぶないじゃらなー」

「はーい! ふふふ、ふーくんお父さんみたい!」

…お父さんだと!? 彼氏と観覧車でドキドキみたいなシチュエーションじゃないのかよ! あー、切ない。全然恋愛対象に入れてねぇ…。

「ねぇ! あそこにあるのさくらタワーかなー? よく見えるねー!」

…楽しそうだから、良しとしましょう。


「楽しかったー! ゆみりんもー?」

「うん! 後半、気を使って頂いてありがとです〜」

「皆楽しかったならよかったよ」

「えっと、智くんはどこに?」

「あー、あいつはお腹壊して帰りました」

「えー、大丈夫ですか!?」

「あ、えっと。さっき大丈夫だったって連絡きてた!」


ふー。わりぃ、智。お前のこと忘れてたわ。

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