第2話

「さくら〜、一緒に帰ろうぜー」

「ちょっとまっててー! 先生に呼ばれてて!」

高校生になってまで、毎日一緒に帰ってるってのになぜ気づかん、さくら! 俺はこう見えてモテるんだぞ!? イケメンだと思うなら彼氏にしたいと思わんのか!


「お待たせ〜、遅くなってごめん!」

くぅ、一緒に帰るのが当たり前になっているのは嬉しい。かわいいし、優越感を感じてたりする。かわいいし。

「大丈夫。お疲れ、ほい」

ここで、すかさずあったかい飲み物を買ってきてやる俺の優しさ、どうよ。惚れるだろ。

「わぁー! 私の好きなホットココアだ! 彼氏みたいじゃん、ふーくん! ありがと〜!」

か、彼氏みたい…!?

「帰ろ〜、めっちゃ疲れたー!」

何で彼氏みたいとかサラッと言えんの!?

「おぅ、お疲れ。帰るかー、ゆっくり休んで風邪とか引くんじゃねぇぞ」

「バカは風邪引かないから大丈夫!」

なんだその笑顔は! 破壊力すごすぎだろ!


あー、惚れさせるはずが…。今日も俺がさくらをもっと好きになっただけ。

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