第261話

「あと、、もう一つだけ相談いいですか?」


「うん、いいよ」


「あの…彼女さんとどこまでしましたか?」


「それってデリケートな部分のこと…?」


「はい…」



答えづらい質問だけど、これは先輩として私は正直に「全部だよ」と素直に言った。

恥ずかしい///。うわー、澄まして顔で言ったけどかなり恥ずかしい。



「凄い…」


「真里ちゃんの相談事って…」


「あの、朱音と付き合ってもうすぐ3ヶ月なんですけど…まだ手しか繋いだことなくて」


「純粋だね…さわちんとは大違いだ」


「えっ?」


「気にしないで。真里ちゃんはキスとかその先をどうしたらいいのか悩んでいる感じ?」


「はい、タイミングが分からなくて…」




付き合って、すぐにキスをしたさわちんはやっぱりスケベだ。うん、私は、、付き合う前だけど毎日はしてないからスケベじゃない!



「1つ聞いていい?真里ちゃんが彼氏役なの?」


「多分…よく朱音がロマンティックな場所でキスがしたいって言うので///」


「そっか。うーん、2人の誕生日はいつ?」


「朱音が12月8日で私が2月10日です」


「誕生日、遠いね…」



どちらかの誕生に初キスとかしたらロマンティックに出来るかなって思ったけどあまりに誕生日が遠すぎる。

きっと、誕生日までしなかったら朱音ちゃんは発狂するだろう。考えただけで恐ろしい。



「もういっそのこと、いきなりしたら?」


「えー、、無理ですよ」


「私は…付き合う前にキスしたよ」


「本当ですか!凄い…さすが先輩だ」


「キスなんてタイミングで朱音ちゃんはロマンティックな場所って言っているけど、初キスをした場所が思い出の場所になってロマンティックな場所になるよ」


「なるほど…」



ふふ、楽しい。先輩として相談に乗っているな〜って自分に感心する。



「告白は真里ちゃんからしたの?」


「いえ、朱音からです」


「だよね。うん、だと思った」


「あっ、でも///私も告白しようと思っていたので」



可愛いよー。何、この純粋な子。さわちんと大違いだ。さわちんはキスを毎日しすぎて拒否されて落ち込んで、、自業自得だったし。

こんな相談だったらいつでもOKだ。先輩として助言できるのが嬉しい。



「キスって難しいですよね…初めてキスされた時、驚いて思考が停止しました」


「真里ちゃん、キスしたことあるの…?」


「一度、されたことがあって…」


「それは朱音ちゃん…?」


「いえ、幼馴染の志穂です」


「あー、そうなんだ。そうなんだね。うん、そのこと朱音ちゃんはもちろん知らないよね?」


「はい、知らないです」



うん、私は聞かなかったことにしてもいいかな。一瞬で鳥肌が立ち、恐怖に包まれた。

真里ちゃん、なんで朱音ちゃん以外の子とキスなんてするかな…いくらされたからと言って(ひかる、、)確かに、キスを止める方法なんてないよね。



「朱音ちゃんに志穂ちゃんにキスされたこと言っちゃダメだよ…」


「はい、、きっと朱音は怒ると思うので」


「キスって朱音ちゃんと付き合う前?」


「はい、もちろんです!」



真里ちゃんはこれから大変だ。もしバレたら…恐ろしいことになるよ。私は、、ひかるにキスされたことがバレ、めちゃくちゃ叩かれ土下座する勢いで謝ったな(懐かしい)。

あのキスは不可抗力だったし、私にはどうすることもできなかったけど芽衣からしたら嫌な気持ちになるのは仕方ないと思う。


やっぱり真里ちゃんはモテるね。幼馴染の志穂ちゃんが何でキスをしたのか分からないけど冗談のキスではないだろう。

だって、真里ちゃんは真面目だしノリでキスしてもいい相手ではないと分かっているはず。本気だったのかな…うーん、これはいつか修羅場が来る?



「とりあえず、きっと真里ちゃんがこのタイミングだ!って時が来るから焦らなくても良いと思うよ」


「分かりました。高瀬先輩、ありがとうございます」


「またいつでも相談に乗るから」


「はい、助かります」


「よし、帰ろうか」



初めての恋はタイミングややり方などに戸惑うばかりで大変だけど、好きな人とキスできた時の感動が凄いし天国に登る気分になる。

懐かしいよ、私達も最初はずっとドキドキしなら手を繋いだりキスしたな。

あー、芽衣に会いたくなってきた。早く明日にならないかな。抱きしめたい。



「水希」



えっ、幻覚?芽衣の声が聞こえ靴箱でキョロキョロしていると芽衣が申し訳なさそうに近づいてきた。

もしかして待っていたの?馬鹿だな…寒かったと思うし、足も痛いはずなのに、、めちゃくちゃ愛しさが込み上げてくる。



「芽衣…風邪引くよ」


「ごめん…」


「ごめんね、待っててくれたなんて気づけなくて」


「私が勝手に待ったから…」



真里ちゃんがいるとか気にしない。芽衣を抱きしめると芽衣の体が冷たかった。1時間ぐらい話していたから申し訳ないよ。



「あの…お先に失礼します」


「あっ、うん。気をつけて帰ってね」


「はい、あの…お二人は私の理想のカップルです///。それじゃ!」



真里ちゃんが照れながら理想のカップルって言ってくれた。後輩に理想のカップルって言われると嬉しいね。

芽衣も笑顔で、私達は手を繋ぎながら学校を出た。真里ちゃんのお陰で、芽衣をもっと大切にしようと思えたよ。


だけど、芽衣はふとした瞬間に不安そうな顔をする。家まで送り帰ろうとした時、手を掴まれ抱きつかれた。

どうしたのだろうと思っていると、芽衣が不安の心情を口にする。私はここまで芽衣を追い詰めていたの…。ごめん、ごめんね。

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