第237話
昨日は最後の現生徒会の集まりだった。先輩達との最後の日。つい泣きそうになりながら生徒会の仕事をし会話を楽しんだ。
みんな良い人達で、先輩達に出会えて良かったと心から思う。みんな、私を可愛がってくれてありがとうございます。
そして、今日は入学式!昨日、実はこっそり泣いたのに今日までみんなが集まるって気付いて恥ずかしい。
よくよく考えたら、生徒会室での集まりが最後なだけで今日までみんな一緒だったよ。
今、生徒会長であるお姉ちゃんが新1年生の前でスピーチをしている。
背筋はピシッとしてるし話し方は堂々としてるしカッコいいな。生徒会長になったらみんなの前であんな風に話せないといけない。
お姉ちゃん見ていると弱気になる。私にあんな大役務まるのかって。
まずは生徒会長に選ばれないといけないから生意気な考えかもしれないけど。
「はぁー、みんなお疲れ」
「みんなで集まるの最後だね」
入学式が終わり、私達はジュースを買って乾杯した。先輩達が楽しかったねって楽しそうに話し涙が出そうだ。
先輩達は3年生になり受験で忙しくなるから、こうやって集まることはもう無いだろう。寂しい…寂しいよー。
「あっ、水希が泣いている」
「本当だー」
「(グスン)寂しいです…」
みんなが私を囲んで頭を撫でてくれる。別に卒業はあと1年あるから離れ離れになるわけじゃないけど、大好きな先輩達とこうやって集まれなくなるのが寂しい。
「もう、水希は可愛すぎる」
「早川先輩大好きですー」
「水希、泣くなよ。私まで寂しいじゃん」
「佐藤先輩、今度バスケの試合絶対に観にいきますからー」
「ほら、水希。涙拭こう」
「松村先輩、優しくされちゃうと涙が止まりません」
「帰りにアイス奢ってあげる」
「私、バニラのアイスがいい!」
あっ、痛い。お姉ちゃんにアイスを奢ってあげると言われた瞬間、涙が止まり「寂しさよりアイスか!」と頭を叩かれた。
でも、みんな笑顔で楽しい。素敵な先輩達に出会えて本当に良かった。
「あっ、望(早川)。選挙よろしくね」
「任せて」
「優希(佐藤)。田村さんの推薦文書けたから、今度渡すね」
「了解」
うん?お姉ちゃんから出た言葉が気になる。早川先輩に選挙のことをお願いして、佐藤先輩にはさわちんの推薦文を渡すと言った。
怖い…さっきまでハッピーで終わるはずだった現生徒会がお姉ちゃんの言葉で何かをしようとしている。
先輩達がニコニコしながら「水希、生徒会長頑張るだよ」ってまだ選挙をやってもないのに言ってくるし、何かが動き出している。
お姉ちゃんは勉強と一緒でコツコツと用意周到にやっていくタイプで、だからこそ勉強家なんだけど敵に回すと恐ろしい。
お姉ちゃんは生徒会長で頭もよく人気者だ。
早川先輩は学校一美人で、テニス部の部長。
佐藤先輩はバスケ部で学校一モテる。
松村先輩はバレー部のエースで可愛い。
私は平々凡々の1年生。
こんな先輩達がお姉ちゃんの策略により何かをする為、動き出そうとしている。急に5月が怖くなってきた。
最強の4人がいる生徒会。この4人が動けばこの学校を思いのままに操れそうだ。
「ねぇ、芽衣…お姉ちゃんは何をするつもりかな」
今日は先輩と沢山話せ、お姉ちゃんにアイスを奢ってもらい幸せだけど不安が拭えない。
私は急いで芽衣の家に行き、今日のことを相談した。でも、芽衣は苦笑いをしながら「凄いよね」しか言わない。
「芽衣、癒してー」
「よしよし」
「はぁ、、どこか行きたいなー」
「早く海に行きたいね」
「うん、沢山思い出の写真を撮りたい」
あっ、そうだった。芽衣にインスタをやっているか聞くの忘れていた。
やっと私は芽衣にインスタをやっているか聞くと頭をかしげられ「やってないよ」と言われた。やっぱり、mさんは芽衣ではなかった。
「何でインスタなの?」
「最近、、やり始めたんだ。だから、芽衣がやっているなら相互フォローしたいなって」
「えっ、水希がインスタをやってるの?」
芽衣が驚き、私のインスタにアップした写真を見たいから見せてと言われ見せるとココアが美味しそうだったり、空が綺麗だねって喜んでくれた。
「いいな、私もインスタ始めようっと」
「お互い会えない時間とかを共有出来るからいいよね」
「水希のアカウント名は水希のMか。じゃ、私はUにしようかな」
「mじゃないの?」
「こっちの方が分かりやすいかなって。名字(植村芽衣)のUにするよ」
まだどこか疑っていたけど、芽衣がインスタでアカウントを作り始め、完璧にmさんではないことが確定した。
やっぱりmさんは遠藤さんなのかな、、それか全く知らない人?
mさんが前にアップした空の写真が学校の近くだったから私の知っている人の確率が高い。
Minami Endo
Mirai Nakata
Miwa Kawatani
一体誰なのだろう。
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