第187話
深呼吸をする。大きく息を吸い、深呼吸をして精神統一をする。今日は正念場だ。
日曜日は唯一芽衣とデートできる日なのに2人で勉強をした。キスはしたよ、でもそれ以上のことは我慢した(褒めて)
試験が終わったら、、デートしてお泊まりする予定だ。頑張るぞ、良い結果を出して芽衣と晴菜さんに褒められたい。
私は頑張った、受験以上に頑張った。勉強の仕方がよく分かっていなかった私が晴菜さんのお陰で学べたんだ。結果を出さないと。
「水希、頑張ろうね」
「うん」
まずは苦手だった数学から。きっと大丈夫。もう数式は暗号には見えていない。
ここは戦場だ。一対多数では勝ち目はない。だから、落ち着いて一体ずつ倒していく。
うん、順調な滑り出し。まずは最初の敵を倒した。次は強敵だけどゆっくり考える。
晴菜さんに教わった問題と似ている。解き方は分かる。間違えないようにじっくり落ち着いて解いて答えを書くんだ。
頑張ったら、芽衣の家にお泊まり・晴菜さんからご褒美(きっとチョコレート!)
「水希、数学どうだった?」
「解けた…答えが合ってるかは分からないけど解けたよ!芽衣、褒めて」
「よし、よし、頑張ったね」
いける、いけるよ。この後の英語を乗り切ればいける。一番苦手だった教科が初日でよかった。全身全霊で戦える。
さっき、芽衣に頭を撫でられパワーもチャージできた。今日、含めてあと4日頑張る!
◇
私は4日間やりきった。ははは、もうテストなんて怖くない!
HRも終わり、空に向かって手を挙げた。まだ、結果は分からないけどVサインをしたい。絶対に赤点はないはず!
「水希、やっとテスト終わったね」
「うん!やったー」
「今日どうする?家に来る?」
「今日は帰るよ。明日はお泊まりだし。それに、寝不足で寝ちゃいそう」
「分かった。でも…少しだけ寄って欲しい」
「いいよ」
芽衣が袖を握りながら言うってことは、甘えたいのかな?ずっとお泊まりを我慢し、キスだけだから嬉しいけど我慢できるかな?
明日、、って思っているけど悩ましい。衝動的に狼になってしまいそうだ。
「キスしかしないよ…」
「あー、先に芽衣に言われた、、」
「明日…ね///」
我慢するしかないか…残念。あっ、晴菜さんから試験終わった?ってLINEが来てる。
赤点はないと思います!と送ると、もっと上を目指せとお叱りと可愛いスタンプがきた。
お姉ちゃんが送ってくるスタンプとは真逆で、怒ってるスタンプでも可愛い。
お姉ちゃんが送ってくるスタンプ…マジ怖いからね。最近は不気味というかホラーチックのスタンプを購入し、私に連打してくる。
テスト頑張れってエール送りたいなら可愛いスタンプを送ってほしい。呪われそうだよ。
「誰から…?」
「晴菜さん」
「LINE交換してたんだ…」
「お姉ちゃんに携帯が壊れた時に私から連絡とれるようにって言われて」
「そっか」
これは拗ねてる?芽衣が頭を腕にぐりぐりしてくる。ここが学校じゃなければ抱きしめるのに…手を握ることしかできない。
よし、帰ろう。キスしか出来ないけど芽衣の不安は取り除いてあげられる。
「芽衣、帰ろうか」
「うん」
芽衣の甘え方が可愛いな〜。少しだけって、キスだけって言っていたのに私をギュッと抱きしめ離してくれない。
試験が終わり、気が抜けて少しだけ眠気に襲われていたけど完璧に目が覚めた。
「芽衣、帰れないよ」
「ごめん…」
「晴菜さんにヤキモチ焼いてるの?」
「水希の周りは綺麗な人ばかりでムカつく」
「それは言えてる」
「バカ…」
痛い!腕を叩かれた。芽衣が冗談で言った言葉に怒り、拗ねちゃった。
相手が不安な時は冗談でも気をつけないといけないね…余計に不安にさせている。
私ってバカだな、、女心が分かってなさすぎるよ。どうやったら分かるのかな。
「やっと試験が終わって嬉しい」
「そうだね」
「土曜日…不安だったから」
「芽衣…」
「私って何でこんなにもヤキモチ焼きなんだろ。すぐに不安になるし…」
「私のせいだね…私が何度も芽衣を泣かせちゃったから」
後悔しても意味がないけど、反省は出来る。鈍感な私は常に芽衣の態度や行動にアンテナを張るようにした。
それぐらいしないと、私は手遅れになって泣かせてしまうから。好きな人が泣く姿をもう見たくない。
あとは…遠藤さんとの接触をできるだけ避けたり(避けられてるけど…)私に出来ることをしてるけど、まだ芽衣を不安にさせている。
難しいよ。私にとって同性は芽衣以外恋愛対象にはならない。可愛いなっとかは思うけど、芽衣だから好きになったんだ。
きっと芽衣も一緒だと思う。私達は絶対に同性しか好きにならないと言うわけではない。
私と芽衣は出会わなかったら、、異性と付き合っていたと思う。特に芽衣はモテるから。
想像したくないな…男の子と手を繋ぐ芽衣。でも、そんな未来もあったのかもしれない。
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