第131話
そろそろ眠い…今、何時だろうと携帯で時間を見ると私の誕生日がいつのまにか終わっていた。
隅っこで体育座りをしながらウトウトしていたら16歳の誕生日が終わるなんて最悪だ。
本当は芽衣と結ばれる日だったのに…私がどれだけこの日を待ち望んだか、、泣くぞ!
私を除く3人はまだ話しに夢中だ。一体何時間話すつもりなのだろう…それも未だに私の話ばかりだし。ウトウトする前に聞こえてきた話の内容は私に非はないのに私が悪いみたいなことになっていた。
酷いよ!芽衣の為にピアノと歌を頑張ったのにあれで私に騙された人が増えたって!
私はいつのまにか加害者になっていて、被害者の会がいつか出来ると言い放つなんて血の繋がった姉が言うこと!?
私は無実だ!何で恋人の為に頑張ったのに、悪く言われないといけないの?最後のあの笑顔もムカつくとか言われた(芽衣にね!)
ほぼヤキモチ的な意味で言ってたけど…よくよく思い出したらあの時、芽衣に熱烈なキスをされたなと顔がニヤけてしまう。
基本、私からすること多いからまた芽衣からされたいな。めちゃくちゃ興奮した。
「あっ、もうこんな時間だ。芽衣ちゃん、ひかるちゃんもそろそろ寝なきゃね」
みんな、気づいてる?私の誕生日が終わったよ。うん、気づいてないね。お姉ちゃんは欠伸をし、ひかるは携帯を触りアラームを設定している。芽衣は私にパジャマ貸してと言ってきて…意地でも泣かない。
「あっ、2人の寝る場所どうしようか?」
お姉ちゃんが私と芽衣とひかるとベッドを見ながら悩んでいる風を装って、2秒後には「水希はリビングのソファで寝なさい」と言い放った。余りにも私の扱いが酷すぎる…やっぱり泣く!ソファで泣いてやる。
「芽衣ちゃんとひかるちゃんは水希のベッドで寝てね」
「はい」×2
2人ともあっさり「はい」と言い過ぎる。少しは悩んだフリをしてほしい。私はお姉ちゃんに部屋から連れ出されリビングに連れて行かれた。
本当にここで1人で寝るの…?悲しみと寂しさで私はアルマジロの様に丸まった。
でも、芽衣と誕生日を過ごせて良かった。それだけで報われる。バスの中でお泊りやめようと言われた時かなりショックで、、だから、芽衣がお泊まりしてくれただけ嬉しい。出来れば抱きしめて寝たかったけどね。
「水希…」
「えっ?芽衣…」
「今日はごめんね…」
「いいよ、気にしないで」
「明日、、水希に全てをあげるから…」
「芽衣と過ごせるだけで幸せだよ」
無理はして欲しくない。今日のことはヤキモチもあったけど、多分…怖くなってしまったのかなって思っている。
お互い初めてだし、、未知の世界は怖いよ。だから、無理しなくていいんだよ。
「約束を断った私を抱きたくないよね、、」
「えっ!?あっ、違う!そう言う意味じゃないよ」
「本当に…?」
「当たり前じゃん」
心の内を伝えるって難しい。私はただ芽衣に無理をして欲しくなかった。体が結ばれなくても心が結ばれたら良いって思ったから…触れたい気持ちは強いけど。
愛のある行為は2人の気持ちが重なり合った時じゃないと無理をさせてしまう。だったら、私はいつまでも待つよ。
「本当は水希に今すぐにでも抱かれたい…」
「えっ?」
私にとって予想外の言葉が芽衣から言われ…私がオロオロしてしまう。待つって決めたのに、今って、、芽衣は…怖くないのかな。
初めての行為に不安だと思っていたけど違うの?心臓が、、飛び出るかと思った。
「あの、、芽衣…ここはまずいから」
「分かってるよ…水希の温もりを感じたいだけ」
ソファに座っている私の膝の上に芽衣が正面から座り抱きしめられた。こんなことされたら、気持ちを抑えられなくなる。
ずるいよ…必死に我慢してるのに、芽衣は私を困らせる。だったら、これぐらいだったら許されるよね…バレないよねって動く。
芽衣が声を我慢すれば、一階で寝ている親にバレないはずだ。汗が出そうなぐらいの興奮を抑え…そっとパジャマの中に手を入れた。
芽衣がビクッとしたけど、声は出てないしもう我慢できない。この一度味わったら、触ることを止められない柔らかさを知っている。
「声出しちゃダメだよ」
「無理だよ、、」
「我慢して」
なぜか、この時だけ私は強気になれる。普段は芽衣に尻に敷かれているけど、この時だけ立場が逆転する。芽衣は私にされるがままだ。
可愛いよね、必死に声を我慢する芽衣が愛おしい。何度も触っていると芽衣が私の肩に頭を乗せ、、少しだけ震えている。
「芽衣、もう無理そう?」
「無理…」
仕方ないかと思い…私はパジャマから手を抜いて、芽衣を抱きしめた。この前、これ以上のことをしたとき芽衣がいやらしい吐息をずっと吐くからヤバかった。
明日、何があっても私は止まらない。絶対に止めない。芽衣も同じ気持ちだと分かったし、ウブな私から卒業だ。
芽衣、明日沢山の愛をあげるから自信を持って。そして、私に自信を持たせて。
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