第112話
「水希、遅いよー」
「芽衣、ごめん」
「水希ね、竹本さんと話してて帰ってこなかったの」
「そうなんだ…」
ごんちゃん、、言わなくてもいいのに。ひかるとは普通に話していただけなのに、芽衣は噂のことがあるから気にする。
芽衣にジュースを渡し席に座ると、まだ話し足りなかったごんちゃんが私とひかるのことを煽ってくる。
「そう言えば、何で水希は竹本さんをお姫様抱っこしたの〜?」
「他の人とぶつかって倒れたから…」
「おぉ、王子様みたい」
「何それ…」
「お姫様を守る王子様」
ごんちゃん、勘弁して…あの時、私はひかるの気持ちに答えられないからナイトになりたいと思ったんだ。
でも、その考えはひかるや芽衣を傷つけるって分かり後悔したんだよ。自己満足だって。
「ごんちゃん、勉強の続きしよ」
「休憩して、恋バナしようよ〜」
「私とひかるはそんな関係じゃないから」
「お似合いなのに〜」
芽衣が下を向き始めたから勘弁してほしい。今日はもう勉強する雰囲気ではないし、帰ろうかな。芽衣も帰りたそうにしている。
なのに、恋をしたいお年頃のごんちゃんは芽衣にも賛同を求めてくる。
「芽衣もお似合いだと思わない〜?」
「・・・」
「ごんちゃん!」
「私…そろそろ帰るね。もう4時だし」
「あっ、本当だー。じゃ、みんな帰る〜?」
やっと帰れることになり、ごんちゃんと別れ芽衣と2人でバスに乗っていると芽衣に「今日、家に寄って、、」と言われ頷いた。
私も芽衣を1人にしたくなかった。ごんちゃんの言葉を気にしてるし、不安を取り除いてあげたかった。
「水希…私じゃダメなのかな?」
「そんなことない!私が好きなのは芽衣だよ」
芽衣の部屋に入ると、泣きそうな顔をしながら不安を口にする。みんなの勝手な好奇心に芽衣が傷つき私も苦しい。
悩ましいよ、芽衣と噂になって距離を置くのも嫌だ!でも、他の人と噂になり芽衣が傷つくのも嫌だ。
どうすればいいの…考えても堂々巡りし、どうすればいいのか分からない。何で私みたいなタイプが噂の種になるの、、
芽衣と付き合えたことが奇跡なのに、私は取り柄もない普通の女の子なんだよ。
「水希の誕生日が遠いよ…もうすぐなのに遠くに感じる」
「芽衣…不安にさせてごめんね」
「私が弱いだけだから…」
私達は平穏に過ごしたいのに、周りが邪魔をする。勝手に盛り上がって楽しんで、私はただの平凡な女子高生なのに。
そんなに刺激が欲しいなら、テレビや芸能人で楽しめばいい。私や生徒会メンバーで楽しもうとしないで!みんな、平穏に過ごしたいと思っているよ。
私は芽衣をずっと抱きしめていた。愛が伝わるように、不安が少しでも解消されることを願いながら強く抱きしめる。
この小ちゃな体をあまり強く抱きしめると潰れてしまいそうだけど、芽衣も強い力で抱きついてくれたからお互い様で丁度いい。
「水希、ベッド…に行こう」
「えっ…あの、、」
「少しだけ抱き合って横になりたい」
「うん、、分かった」
小さな体の芽衣が更に小さく感じる。ベッドの上で抱きしめ合いながら横になると、芽衣がひっそりと泣いている。
私はずっと悩んでいた。怖くて…芽衣をちゃんと守れるか自信がなくて逃げていた。
芽衣の不安を少しでも取り除きたい。だから、、怖いけど決めた。
「芽衣…ごんちゃんに私達が付き合っていること言おう」
「でも、、」
「ごんちゃんは大丈夫だと思う。それに、ごんちゃんの悪気のない言葉に芽衣が傷つくの嫌だ。理解してもらうよう頑張るから」
「うん、、」
「芽衣、不安にさせてごめんね」
「水希が私の不安を取り除いて…」
ずるいよ…そんなこと言われたら高ぶる気持ちを止められなくなる。一応…お布団を被り、一度キスをしたあと芽衣の首にキスをしながらシャツのボタンを外していく。
前回は3つしか外さなかったけど、今回は全て外した。直視しちゃうと、最後まで襲いそうだから手だけ動かしていく。
これもヤバいかもしれない。芽衣の肌が柔らかくて気持ちよくて、下着越しでも分かる極上の柔らかさが手のひらで感じられる。
ヤバいかも、ヤバいかもと私の心臓が激しく動き、呼吸が荒くなってきた。芽衣の呼吸は我慢するように抑えられ、なんとも言えない声を出す(エッチな映画を見てる気分)
「もうちょっと…触ってもいい?」
「うん、、」
「あー、、でも、止まれなくなりそう」
「止まりたくない…」
「芽衣の…小悪魔。ずるいよ、必死に我慢してるのに」
「だって、、本音だもん」
どうしよう…このまま進んだら、試験がボロボロの気がする。勉強に集中できず、芽衣の体のことばかり考えるかもしれない。
まだ、今だったら大丈夫。精神は何とか保てられる。少しだけキツいけど、、かなりキツいけど乗り切れる。
「やっぱり…我慢する」
「やだ…」
「芽衣…ちゃんと結ばれたいから、、」
「分かってるもん…」
分かってないよ、、私の脚に自分の脚を絡ませ、スリスリしてくるし…私を芽衣の上から降りさせてくれない。
生き地獄だ、五感全てを刺激され辛すぎる。触れられ(触覚)キスされ(味覚)抱きしめられ(嗅覚)触れて欲しいと言われ…(聴覚)、最後はついにお胸を直視(視覚)してしまった。
2度、お風呂で芽衣の裸は見たけど…でも、ちゃんとは見てないよ!チラッと見ただけ!
でも、今はシャツの前がはだけ、下着とお胸のコラボレーションがヤバすぎる。これは…いやらしさが倍増する。
私の中の天使と悪魔が喧嘩をしている。お願いだから天使が勝って…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます