ミルクとマシュマロは合うのかな?
キノシタ
第1章 ー高校1年生 出会いー
第1話
あと1ヶ月で私は高校生になる。中学生ではなくなることと大人の仲間入りすることが嬉しく16歳って響きに酔う。
女子高生…ふふふ、響きが素晴らしい。早くミニスカートを履いて、色付きリップをしてお化粧をしたい。でも、そんな成長した見せたい相手がいないのがネックだ。
何で私は女子校に入学したのだろうと凹む。お母さんにお姉ちゃんと同じ高校に行けと言われ仕方なく受けたのが失敗だった。
お姉ちゃんの通っている高校は偏差値高く、きっと落ちるだろうって思っていたのに、こんな所で奇跡が起きないで欲しい。
まぐれの超まぐれで受かってしまった。私はこれからの人生の全ての運を使い果たしたかもしれず恐怖だ。共学の高校に行きたかったのに女子校なんて最悪すぎる。
高校生=恋!恋に恋焦がれる私は女子校でどうやって恋をしたらいいのと叫ぶ。
確かに、女子校に通っているお姉ちゃんは彼氏いる。学校外で作ればいいだけの話だけどそれは人によるし、私は奥手で知らない男の子に声なんて掛けない。純粋ゆえに。
はぁ、、絶望しかない…無理だ、終わりだ。ヤバっ…言ってて虚しくなってきた。
【恋】それは甘美でまるでマシュマロのような可愛い食べ物に例えることができる。
マシュマロの様に可愛い女の子がする、、私とはずっと無縁なものだった。
恋が無縁だった小学校・中学校時代を過ごした私は恋をしたくて仕方ない。
マシュマロ入りのココアを飲みながら妄想に恋焦がれる。可愛い女の子に憧れる私は少しでも女子力を上げたかった。
だけど、甘いココアに甘いマシュマロを入れるとめちゃくちゃ甘すぎる。
今度から無糖のココアにしようと決め、女子力がアップすることに夢を見る。
「水希、もうすぐ高校生になるから部屋の片付けしなさいよ」
「お姉ちゃんの部屋も汚いじゃん」
「私は昨日掃除しましたー」
「むー、ずるい!掃除した後に言うのは反則だ!」
「そんなんじゃ彼氏できないわよ」
「掃除する!ついでに手伝って」
「はぁ?1人でやってよ」
「お姉ちゃんは妹に彼氏が出来なくてもいいの?可哀想でしょ」
いきなり部屋に入ってきて暴言を吐いたお姉ちゃんがため息を吐きながら部屋の掃除を手伝ってくれた。
マシュマロ入りのココアを無理やり飲みながら散らばった雑誌や服を片付ける。
いつか、彼氏をこの部屋に連れてきた時…親に「彼氏、連れてきた///」って言うのを想像し顔がニヤける。
彼氏、恋人、、あー!本を抱きしめるようにギュとしたらグチャグチャになった。
「水希、変な顔してないで早く片付けてよ」
「分かってるよー」
「その雑誌、水希が買ったの?」
「そうだよー!もうすぐ女子高生になるから参考にしようと思って」
「ふーん、彼氏できるといいね」
「うん!」
華の女子高生。女の子が一番輝く時代。私はその華やかな時代に突入する。
そして青春をして…あれ、、青春って何をしたらいいのだろう?友達と学校帰りにファーストフード食べるしか思いつかない。
それは、今やろうと思えば出来るし…彼氏を作ることを青春って言っていいのか分からないし後で調べなくてはいけない。
青い春と書いて青春。青空の様に、春の様に暖かい・・うん、これもネットで調べよう。
「あっ、水希…学校で変なことしないでね」
「失礼な!するはずないじゃん」
「私、生徒会の一員で立場があるから厳しくいくからね」
「何でよ!書記じゃん。別に生徒会長でもないのに」
「生徒会長を狙っているからよ」
「えー、お姉ちゃん生徒会長なるの」
「大学行くとき有利になるのよ。それに私、学校では結構人気あるし」
「女の子にじゃん」
「うるさいわね、入学したら水希も生徒会に入りなさい」
「嫌だよ!絶対に嫌だ!」
ただでさえ女子校に通うことを苦悩しているのになぜ更に自ら苦労しに行かないといけないの?お姉ちゃんはいつも唐突すぎる。
それにお姉ちゃんがいる生徒会なんて嫌だ!
私を小間使いにするの目に見えているし、お姉ちゃんが考えている事なんて分かる。
都合の良い下僕が欲しいんだ、妹の私だったら雑用を頼みやすいから。
「生徒会に入っていると先生受けもいいし、他校の男子からも一目置かれるわよ」
「入ろうかな…うん、考えとくよ」
「バレンタインチョコ貰えるわよ」
「それ、女子にじゃん」
「水希、チョコ好きじゃん」
「それはそうだけど…」
「はい、決定!」
くそ…お姉ちゃんの思い通りに話が進んでいてムカつく。本当に恩恵なんてあるの?
お姉ちゃんが都合のいいように言ってるようにしか思えない。でも、お姉ちゃんは絶対に私を生徒会に入れるはずだ。
妙にカリスマ性がある…妹の私と違って。負けない。絶対に負けない!
青春を満喫しているお姉ちゃんに負けない。私も彼氏を作り青春を満喫してやると誓う。
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