何話か現在読ませていただいてる作品だが、実に世界観の構築が巧妙で、この作品は他との追随を許さない程にそれが描かれている。現在のネット小説の主流である異世界ものと言う選択を選ばずに書かれたこの作品であるが、それを選ばずしても素晴らしい作品を生み出す事は、このネット小説と言う業界において可能であることを証明した作品のうちの一つと言えるだろう。また、主人公とそれを取り巻く個性あふれる登場人物が作品をイキイキとさせ、小説を作る上で重要な要素と言える没入感を生み出させている。
ネット小説で異世界ものの小説を作る上での面白さを生み出すノウハウは現在において確立されたものと言えるが、そうであるが故にどの作品も似通った物になってしまい、先が読めてしまうつまらない作品が増えてしまったのはもはや言うまでもないだろう。だが、この類の作品はまだこの業界において未開拓である事もあり、作品の構想を練れば練る程味が出てくるジャンルであると自身は考える。この作者のようなまだ新しい世界を探究心を持って探っていくものがどんどん増えて行ってくれることを今後私は望む。