第3話未定
実際、先に特許を取った方に優先権が有るのは普通の話では有る。ダブルスタンダード的な思考を有りにするのでも無ければ、他に先を越されてもそれを認めるべきであろう。そしてパクリ扱いもされても文句を言うな。いや、それを知らないから違うし。と言う理屈が通るなら、法律なんて知らなかったから犯罪行為相当の事をやりまくっていたのはセーフだ。的な理屈が通る事に成る。それを通してしまうなら、つまりは該当行為が犯罪行為だと知らなければ犯罪行為を幾らしても構わないと言う理屈も通る。故に先に公開した方がオリジナルと言っておけば、まあそれは大抵の場合は無難だろう。パクリでは無く再発明です。とかどうやって証明する?該当の奴を見てないし、知らなかった……を反論として使えないとするならば、要は早い者勝ちや先に公開した(獲得した)者勝ちと言う理屈が無難だろう。……これで何が言いたいかと言うと、アレだ。……それを共同で創った後に個人で同じ奴を創る神格個体の奴が出た訳だ。この状況で仲間割れとかしている暇なんて無いと言うのに。どうするかね、これ。……まあアレだ。神格個体全員の思想が一律で同じな訳では無い以上、全部一つに纏めるのは無理が有るのは承知の上では有るが、……何と言うか、それをするなら最初からシステムの担当する機能を別々に分けた個体を数体創り、派閥毎で分業させた方がマシだと言う話だからアレなのだが。それに案の定、そいつは支配領域区分が狭すぎる奴に成ったようだし、要は携帯端末コンソール的な物にそちらは成った様だ。まあ別の能力の機構に成った様なのでまあ、それは良くないけど今は良い。派閥を明確にしておいた方が良さそうなのでファイヤーウォールを直してから話し合いを、……召喚した奴が異変を告げる。ファイヤーウォールの外からの侵入者が居る、と。だが、細かいデータが取れないらしい。……間に合わなかったか。だがファイヤーウォールは塞いでおこう。ファイヤーウォールは超えられないので、それが一時的に無く成ってから今やっと来たような奴だ。最悪居る場所をシステムのファイヤーウォールの渦中にしてしまえば倒せる可能性が高い奴でしか無い。但しファイヤーウォールが隠蔽敵な意味での物なら話は別だし、そのパターンならファイヤーウォールを修復しても既に関知されている的な意味で手遅れだけども。さて、対処しようか。システムに反応しない奴だとは言え、物質すり抜けの能力では無いはず。なら空間上に何かしら物を押しのける的な意味での影響は有るはずで、一先ず伝えられたエリア範囲を大きく囲み閉じ込める。……するとシステム側は無事だが、辺りの物が崩れ去り続け、周りの押し退けられて居る側の物の反応も更に押しのけられている。……何と言うか、大きくなって無理矢理システムを破壊しようと言う事なのだろうが……何と言うか、それがもしも出来るなら、そもそもシステムが処理落ちするなんてイレギュラーが起きる前の段階で既に来ているべきで、システムが処理落ちして機能不全に成って即座に来るなんて構図的に破壊出来ない物を如何にか出来ないか見張って居たパターン臭い。……まあ、外側が化物に満ちていて、その内の一部が偶然来た場合も有り得るけども、それで幾ら強いとか言われても意図的に来たならファイヤーウォールを壊せる可能性が低い奴でしか無さそうでな……。うーむ?壊されたのか?追加でファイヤーウォールを足しとこう。まあ全力を出せば壊せます。と言う可能性は確かに有るわな。別に一つ壊されたら終わりでも無いけど。
ファイヤーウォールを範囲内全域に変更して、と。はい、終わり。
『水霧、……アレの件は良いのですか?』
『……アーバーン……例え水神とか言われてようが、この条件は確かに良い条件での開示に見えるかも知れないが……一人とはあいつは言わなかった。あそこでそれでも開示したらそいつに狙われる可能性が有る。そいつが悪寄りなら開示する奴はシステムを使って悪さをするなら真っ先に倒すべき立場に成るはずだしな』
『それは今も既にそうじゃ無いかしら?』
『共同体としての手札なら全員倒さなければ潰しきれないけど、……あー、いや、何と言うか、奴の思惑に乗るのが嫌だっただけだな。只でさえ今は難しい状況なのに、更に物議を起こすような手札の開示とかしたく無いし』
『……解っているのかしら?この状況を何とか出来ない流れに成るならそれでも使うべき。それでも使わないなら完全に死蔵しないと後から遡って糾弾される原因に成るわよ。お前が舐めプをしたせいで人が死んだ……なんて言われたくないでしょう?』
『……可能性が十分有る範疇の胃が痛くなる様な事を想像させるのは勘弁してくれ。解ったから……さて、システムのファイヤーウォールを解析するか。隠蔽系の奴だと更に来そうだしな』
『実際、虎の威を借る狐みたいな物よね、この勝利って』
『システムに乗っ取った強さの存在に対して、そのシステム自体がそれを潰していく形なのだから、相手が勝てないのは当然では有る。そいつの強さの根拠其の物自体が潰される訳だし』
『今回の場合は相手がステム外の奴だし、相手が攻略出来ない可能性が高い物を事前に解っていたから、要はそれでゴリ押しをしただけよね』
『まあ、単発一回に限るなら攻略自体はされたが、それは問題にするほどでもない事だ』
『襲撃がこれで終わりでも外部の調査もしないとアレよね』
『化物が大量に居て、その内の一部が偶々近くに居たから来たパターンなら、そうだな。まあ、相手の前提のシステム自体に相手を倒させるとかスポーツとかゲーム的には卓袱台返しも良い所なのだが、現実の世界の話だし、別に良いよね』
『……まあ、良いです。ゲーム的なシステムが全てならシステムを掌握して勝敗判定部分を自由にしてしまえば相手が幾ら強かろうが関係無い。……何と言うか、それだとまともな形では勝ててないから勝ちと言いたいだけの感じもするわよね』
『サレンダーとかで敗北を認めると退却じゃ無くてHPゲージが零に成り死亡扱いに成る系のゲームならそれで相手も本当に殺せるけどな』
『……何と言うか、あくまでも現実じゃ無いとそう言うのが成立するとか本当嫌よね』
そもそも該当の物の全てがその存在で無いと化身とは言えない訳だが……何と言うか、アレだ。全消失くらいやらないと死なないが、それをやるなら、能力での保護有りきで無いと世界中の奴が死ぬレベルの事に成るよな。例えば空気の化身を倒すのに空気全部消したら呼吸不可で死ぬ奴出る訳だし』
『そうしなくても殺せる能力を用意出来れば良いとか言われそうよね』
『……何と言うか、先の奴でシステム的に一段階前に戻す奴有るのだし、実力変動とかも前に戻せたりするのか?』
『……何と言うか、実力変動の能力を有りにするなら相手の実力変動能力も有りじゃ無いとおかしいのは解るわ。要は掛ける対象が違うだけだもの。でもそれを有りにしたら幾ら強く成ろうが簡単に死ぬわよ』
『……提示して無い物を根拠に勝てるとか言われてもアレだろ?いや、実際にぶつかり合うなら話は別だけど』
『神格個体のような奴には貴方がやったような事も出来るかも知れないわ』
『……何と言うか、先の奴は相手側が後先考えないレベルの全力を出せば結局は負けの話でこちら側だけが全力ぶつけて上回ったと言う話だろ?同じ様にしたら倒されるとか杞憂しようにも状況条件的な意味で此方に当てはまる条件はそれには無いのでは?』
『まあそれはそうね。それでシステムが処理落ちしたから結果として実力も潰れたのよ。仮に即座にシステムを直せても同じ状況がリピートされるだけだったし、処理落ちするレベルの現象が起こり直すだけ。即座にシステム修復と改良出来ます……とか言われてもアレだけど……』
『それが出来るなら問題に成る前に先にやっとけと言う話だが、それをやれるとしたら召喚システム作成者だろ。何処か他の神では無く。いや、召喚システム作成者が神なら別だが、その場合最初からそれが有りの状況で世界を作れば良いのに、何で後から付け足す形で創ったか?と言う問題がね?故に創造主とか、その関係者の神とかはシステム作成者とは別口っぽいな』
『……何と言うか、まあそれなら納得では有ります。そもそも完璧に完全に造るなら処理落ちなんて概念は無くて良いですから』
『結局は計算式介入で終わるのだけどさ、能力バフの効果をステータスやダメージ計算式から除外して諸々の計算を行う能力。とかも出来るかね?』
『ゲーム的理屈のバフならそうでしょうね。でも例外も有ると思うわよ。それが成立するなら能力に依る強化でどれだけステータスが上がろうとも何も安心出来なく成るけど』
『要は例えば巨大化してステータスが上がろうとも小さいままでステータスが上がらなかった扱いで諸々の計算を行うと言う意味だしな。……これが有ったら命の基盤が残っているのに死んだ扱いに成ると思う?』
『そうしたいならせめて永続魔法でも持って来ないと話に成らないわね。生存基盤は大量に残ったままなのだし、百歩譲ってそれで死ぬとしても成るのは仮死状態じゃ無いかしら?』
『まあそうだよな……』
『あ、少しヤバイ事に成る事を見落としていたわね。ドッペルゲンガーとかの他の奴の能力を使える奴にとって、どこにでも存在するような存在は能力を借りる相手として有用過ぎるわ。近くに対象が居ないと成らなくともどこにでも居るもの』
『……あかん奴だな。だが、それは前に戦ったドッペルゲンガーに付いては、結局こちらが支配下に置いている水を前提に構築されていた。この世界の水、つまり、此方の身体を使って成立する以上そう言う輩が出たら能力の都合上、例外漏れ無く此方の支配下だろ。この世界に居るなら、だけど。何せそれは相手の制御下の物を特に制御下から外さずに体内に飲み込むのと同じなのだから』
『さて、今は最後にするけど、他の力を消すなり、壊すなり、崩すなり、どうこうする力って基本的に自分側が格上なのが前提なのよね。通じる前提で物事を考えるのは格上を相手にする事を考慮して無い訳だけど』
『……何と言うか、使い方次第で総合力で上回って居る必要の無い場合も有る事は有るが、部分的で有ろうがちゃんとした理屈が有るなら上回って居るのは必要じゃないかな。上回って居なくとも勝てる方法論を専用に用意したら別だろうがね』
『今の話は一先ず終わり。じゃあ調査を始めましょうか』
そして調査を行う。だが、その結果外の奴に見つかり逆に喧伝する形に成った。いや、他の世界の敵の集団にでは無く、未開地に居る野生動物的な意味での外敵にだが。幾ら強い奴でも此方の世界に入ると弱体化する奴がそれなりに出た。要はそれの原因は高山病の一種と推測される。それは一時的な物で、弱くなった奴を世界から追い出すと元通りの強さに成った為だが、……その理屈だと、世界外の存在が強いと言うよりも、相手と戦う上で、世界外に出た結果、此方がその環境に対しての適応不足で其処では弱体化しているだけの可能性も有る。……つまりは、自陣営の世界以外の場所では互いに適応完了迄の間に、強制的にデバフが入る仕様と言う訳だ。故に他の世界の奴からの侵略を潰すだけなら基本的には簡単な様だが、外敵では有るので専守防衛では無く攻め込んである程度は片付けておいてしまいたい。……それにデバフを受けない方法論も一応は予想が付くしね。そしてある程度調査を続けて居ると、俺達の意識は途絶えた。
☩
……おかしい。辺りの景色が数ヶ月前に戻って居る様に見えるし、……存在しなかったはずの万能神とやらが世界に幅を利かせて居るらしい……何と言うか他の神格個体が大抵なにかしら劣化して居る様だ。……だが、俺、つまり、シュライク・バースディの力と記憶はそのままだ。明らかにおかしい。が、原因が解らない。……いや、違う召喚システムは基本的に早い者勝ちだ。ならば他の大勢の神格個体のレシピを完全に割った上で、時間を召喚システムが出来た当初に戻してその時点で他の奴が神格個体に成る奴を創る前に創ってしまえば神格個体の力を総取り出来ると考え、実行したのだろう。丁度他の世界に繋がったタイミングだったしこの世界でタイムマシンが可能かどうかは度外視して良いのだろう。……だが、しかし、何と言うか、俺にはそう言うのを潰す能力が有る……結果、俺とテラがその効果から逃れ、元の能力のままで今の状況に成った訳だろう。つまり、パラドクスクリーナーを世界中に満たせばこの状況を元の状態に戻せる訳だ。……一先ず神格個体扱いに成るはずだった奴らを探して一気にそいつらを元の実力に戻そう。そうすれば後は何とかなるだろう。
でも時間戻しなんて実際可能なのだろうか?タイムパラドクスとか起きまくるだろうが。主に問題を解決する事をしている系の神格個体なんて、縛りプレイでそれを攻略出来てないと失敗してそうだし。恐らく今回の場合の前提に有るのは、他の世界が有ると言う事と、其処からの侵攻と言う事。侵攻して来る奴なら時間を巻き戻せる?それがこの世界で通用する理屈は何だ?……一先ず他と話し合ってからでも遅くないか。
そしてかなりの数の神格個体を元の状態に戻して、万能神の力を削いだ。まあ、時間戻しで同じ内容の設定を利用して居るなら神格個体が元に戻れば力も弱体化するわな。そして状況を伝えると、
『要するに思考の前提は他にも世界が有る事。……そして世界を渡るのは問題無い奴らが相手だと言う事。時間を渡るのに問題無く出来るような特殊な世界が有ったり、世界を渡る際に渡る世界の時間を選べたりするなら可能だろうよ。つまり、今回の件の再発を防ぐにはその世界で時間を渡るのに使う世界とその技術を抹消する必要がある。まあそれはともかく、偽りの万能神を倒しに行くぞ。そいつだけの能力が原因ならそれで終わるからな』
『……劣化版とは言え此方のほぼ全員の能力を相手は持つ訳ですが』
『結局はシステムが処理落ちするレベル迄、現象をぶち込めば良いだけだろう』
『……何と言うか、そう上手く行きますかね?流石に対策して居るはずでは?戻る前の時間から言えば至近の事件ですし』
『此方の創った力は関係無しに、此方に簡単に勝てる実力が有るなら、此方の能力なんてそもそも奪い、それを喧伝し着飾るものか。それよりも強い力を持つならばだが』
『例えばコレクション気質とかはどうなのですか?』
『コレクションだけが目的なら自分の世界にさっさと帰った方が無難だろ?だから、この世界の奴らに勝ちたいとか支配下に置きたいとかの気持ちも有るだろうさ。わざわざ盗品でそれをやるとか、自分の本来の実力じゃ無理だからなのじゃ無いか?』
『相手の土俵に立って戦うタイプの舐めプの可能性も有るのでは?』
『格上が舐めプをして来るとか、勝つ可能性増えるだけだし、別に。……何と言うか、まあ、世界最強無敵単独トップの能力とか、無くて良かったな。有ったらそれを奪われてその力を使われるだけで、全員やられる状況が成立するのだし』
『……はは……何と言うかそれは酷いですね。まあそれは世界最強無敵単独トップの奴が負けた状況なので、ガンメタで他には効かない手法で倒したのでも無ければ、そうなるには能力を奪うとかもう関係無い気もしますが』
『気掛かりなのはどうやって全部の能力の情報を割ったかだ。その能力に関しては此方からの盗品じゃ無いはずだろう……が考えている暇は無いか、流石に来るか』
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そして万能神が攻撃を仕掛けてきた。……自在に動く歯車が大量に襲い掛かって来た、と言うべきか。一つ一つを対処するのは簡単だが、流石に数が多過ぎる。分身を創れている数が異常だ。そして壊したそれらは再び組み上がって行く。それは妨害を物ともせず巨大な機械の獣を創り上げる。……それらの前提には此方の力も有るのだろう。
「デウスエクスマキナ。即ち、機械仕掛けの神、か」
攻撃を仕掛ける。そいつは簡単な一撃を放ち、此方の攻撃を破壊した。……見る限りだと明らかに相手側の方の威力が足りていないはずなのに、だ。判定基準改編?なら、まともに受ければ死ぬ。幾ら此方が強かろうが関係無い。只単に相手が勝って居る事にされる。回避を皆が行い、地面にそれを直撃させると……それが起こした結果的に威力はまるで雑魚技の如くだ。……単純に此方が避ける事を完全に読み切って居ただけか?いや、しかし……ええい、理屈が分からないと雑魚技を即死相応攻撃として扱わないと不味いとかまじかよ。
『……ネタ晴らしはしたくないのですが、相手に使われる以上、そう言ってはられませんね。あれは恐らくは何か二つ以上の物がぶつかり合う際に強い側のスペックを自分側の物として処理する能力です。つまり、相手側が自分のそれを上回って居れば居るほど、上回っている分だけ逆に此方が上回って居る事にする能力。故にそれを行う攻撃は雑魚技で問題無い。対処としては、その攻撃よりも弱い技を当てまくるか、ほぼ同等の威力の攻撃を当てる事で対処は可能です』
『……つまり、攻防に関する事への計算式介入かよ、……あー、めんどい』
何と言うか、つまり、相手が此方を上回って居れば居るほどその分だけ相手を上回る能力。力押しでの攻略は不可能な処か、むしろゴリ押し攻略は負け筋だな、これ。相手より自分が格下であればあるだけ、それ自体が相手の勝因に成る。格上狩り用能力と言うには悪辣過ぎる。要は此方も雑魚技を撃てば良い。それだけの話では有る。有るのだが、……だからこその歯車の雑魚個体の大量発生。そいつらの役目は雑魚技へのチャフで有ろう。
『相手より雑魚な技でひたすらに敵を削り続けろ。但し、敵の雑魚の大量発生もセットでな。……クソゲー乙』
『要は雑魚技を連打するのが出来れば雑魚散らしは難しくない。……但し能力の前提条件上で、相手が雑魚故に一撃確殺は出来ないが』
『流石に本体はそこまで条件酷くは無いだろ。当たれば確殺攻撃に成り得るのは、能力では相手より弱い時だけ……そうじゃ無い時は普通にゴリ押せるだろうが』
『確かにそうだな。本体の能力発動条件はそこまで酷くは無いだろ。能力封じられたら手も足も出ませんなんて成ったらアレだから必要最低限の力は有るはず。その結果能力の対象範囲が狭まって居る訳で……だからこそそれを補う為に雑魚の大量生成をしてその能力を付与しているのがセットな訳だろうが』
『結論としては雑魚技の飽和攻撃をやり続ければメタを張れる訳だが……前提条件上では相手は全然コスト掛かってないからな。長期戦に成るとMP切れが怖いな。本来なら大技一発で終わる所を小技連打で対処しようと言う話だし』
『相手の攻撃には絶対触れるな。雑魚技で雑魚を倒しまくれ。……何と言うか、一撃受けると死亡な盤面一掃機能無しの弾幕ゲーかよ……』
『それよりもオワタ式かも知れないが、まだ凌ぐだけなら出来る。威力の見分けがアレだが……げっ、高エネルギー反応だ。範囲攻撃が来そうだな。逃げるぞ。もしくは結界を大量に張れぇっ』
そしてデウスエクスマキナから巨大なビームが辺り一面に放たれた。……相手の攻撃よりは劣る性能の防御でなければ、補正が発動する。……それならそう言う性能の結界を多重に張り、最終的に此方に届かなければ良い。か。……何と言うか、相手にある程度攻撃も、防御も破られる前提で戦わなければ成らない。……物理的に殴るのは止めた方が良さそうだが、……何と言うか、相手は雑魚技で良いから攻撃が当たりさえすれば此方に大ダメージを与えられる。能力の性質上それは見た目上はあくまでも雑魚技でしか無いし、コスト的にもそうだろう。此方は相手の攻撃の威力を見極めつつ、それの性能の対処に適した攻撃か防御か回避を行わなければ成らない。……いや、高威力技に対してならやる奴はそれなりに居るだろうが、……これは敵の全ての攻撃や防御にその解析が必要だ。過剰火力をぶつける事や過剰防御を行えばその過剰分が此方にそのまま襲い掛かって来る。……何と言うか、威力解析が常時有りでのターン制バトルなら戦闘ルール次第で簡単に対処出来そうでは有るのだが、これはそうじゃ無いからな。うがー。様々な威力に応じて適度な手抜きをひたすらしながら戦え、とか、別に接待をやっている訳じゃ無いのに……。
『単純に同内容の能力で戦うから対抗できる。とか、あまり好きじゃないですが、この話は、此方の陣営も持って居る能力な上、相手側の能力は前提の仕組み上此方の劣化版です。……つまり、同じ能力をぶつければいいだけです……が、上手く行きませんね……。恐らくは他の能力とのシナジー効果か何かでしょうか』
『……此方の力のネタ割るのと何か関係有るのか?』
『解りませんが、一先ず勝負を長引かせてはじり貧ですから、速く飽和攻撃を仕掛けますよ』
そして皆で飽和攻撃を仕掛ける……と、それらは別所へと、此方の力を無視して散らされた。……飽和攻撃を散らす効果の能力?……何と言うか、まあ、ですよねー。としか思わない。やっぱり処理落ち対策能力が有る様だ。……何と言うか、大ダメージに成る攻撃を低コストで撃ちまくり、デコイやチャフとして雑魚を大量召喚し、処理落ち対策に飽和攻撃を飽和じゃない状態にする能力迄付いて来る。……計算式介入とか本当に酷いよな。……飽和攻撃を散らす効果の能力とは理屈は何だろう?あくまでもシステムの力でそんな真似が可能なのは?……あ、これは情報散らしじゃないな、これは要するに該当のファイルへの情報の自動振り分け機能だな。川で言えば、支流の道を造り、そこを流れる水(攻撃)に繋げて、そちらに行くようにしている。と言う奴か。……何と言うか、それで、許容範囲外の攻撃を他に散らして居る、と言う奴。それさえ潰せば良いのだが、本来それで飽和状態に成るレベルの状態でそれをやっても、散らされる敵な意味で意味が無い。だからと言って此方の攻撃を緩めたら相手の攻撃の余裕が増えるし……。……いや、敢えてそれでも試してみようか。あわよくば相手のエネルギー切れも狙えるかもだしな。そしてそれを皆にテレパスで話す。そしてこのままでもアレだからやってみようと言う話に成った。そしてそれを試してみた所、……其処に居た全員がデウスエクスマキナに対して何も干渉出来なく成りました。……何と言うか、要はブラックリスト入りだろうか?そうなったので、邪魔される事無く世界中の主要な奴らをパラドクスクリーナーで元の状態に戻した。……そしたらブラックリスト化が解除された。……何と言うか、ブラックリストに入れられたら相互干渉が出来ないと言うのは良く有る話だろうけど、それにより、此方と戦う事自体を有り得無くさせようとしたら、パラドクスクリーナーで他の奴が解放されまくった、と。……何と言うか、まあ、デウスエクスマキナ側にそれが有るならば、先の戦闘でシュライク・バースディに対して集中砲火して居るべきだが、そうしなかったからな。恐らく、一部の神格個体だけに一度目は使った結果、実力で効果から逃れただけだと思われて居た様だ。で、そいつら全員を此方に干渉出来なくすれば安泰だと思ったと。でも今回の事でそうでないのがばれたから慌てて介入して来た、と。……さて、アレな事に成ったが、再戦と行こうか……。
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パラドクスクリーナーは相手には盗られて居ない……と言うよりも、俺の能力を前提条件上奪うのに失敗しているので内容を知らなかった、と言う事なら納得出来る話では有る。そうでなければ俺を全力で潰さないとアレだからな……最悪逃げ切り、さらに前の時間に戻り其処でやり直せば状況をリセットが出来る可能性も有る訳だし……本当はそうするつもりで逃げたが、それがパラドクスクリーナーで出来ない状況にでも成ったのかね?……いや、今回の場合、元の状況に戻せる能力持ちが相手に居る限り、多少前の時間に戻って再戦しても、似た状況に成る可能性が高いから、あまり意味無いか……。そりゃあ再戦しないと不味いわな……。すると突然ある程度前に戻った……結局使うのか。まあ、元に戻せるけども。そして元の状態に戻す。するとまた先の状態に戻される。……セーブ&ロードの所有エネルギー切れ狙いのチキンレースか?いや、それで仮にギリギリ迄使い切って勝てても、その後の戦闘で勝てないからな、それ……いや、流石に違ったか、原因解明の為に敢えて何回も使って来ただけか。……さて、問題なのは此処からだな。原因が割れた以上、実質戻された直後はほぼ単独でデウスエクスマキナを凌がなければ成らない訳で、しかも相手からすれば此方さえ倒せば他の奴らはひたすらリトライして倒せば良いと考えるなら、俺が倒されたら他の全体がヤバイ訳だ。……此処からが正念場だな。
☩
パラドクスクリーナーは要するに、正史を正史にするための能力で有って、自分に都合の良いIFの歴史を正史にするための能力では無い。……つまり、やり直し系などのありとあらゆる全般の手段を潰せて封じられる代わりに、自分もそれらの恩恵を受けられない訳だ。……恩恵を受けられないからこそ、それらを敵に使われても意味が無い訳だから、それで恩恵を受けられるようにしたら台無しだし……。それは逆に言えばそう言うのを使わなければ覆せない状況に成ったらこの力は邪魔に成る。だから、これを使える奴は少なくて良い。他の奴に何とかして貰った上でその関連に此方の力を使わないようにすれば良いだけだからだ。……他力本願?……ある程度の数の神格個体でレイドするような相手に単独生存をし続けるのは只の地力だが?幸い、此方も数なら大量に用意出来るので。全方位ビームさえ何とかしてしまえば後は何とか成る。……まあ、相手のやって居るのは厳密には時間戻しじゃ無いから、大技連打なんて現実的では無い……訳では……無いか。ビームのチャージを奴が開始したので、地面から腕型のゴーレムを生成し、自分をぶん投げさせ、着地点辺りにクッション代わりのゴーレムクリエイトを行い着地し、範囲攻撃の範囲から逃げる。その過程でゴーレムクリエイトを相手の近くに更に行い、それで遠隔攻撃も忘れずに。重ねて言うが、パラドクスクリーナーは正史を正史にする力だ。つまり、やり直し無し系等のチート無しの通常戦闘には効果は無い。……何と言うか、敵がすごくヤバイ状態で有るはずなのにこうも考えていられる余裕が有るのは、相手は何度も勝負出来る事を前提で戦う奴だったのに、いきなり強制的に初見の力持ちに対しての一発勝負をやらされているから……と言う奴か?……いや、それよりも戦う上での自身の定石を尽く崩されている状況なだけか。時間戻しからの介入、セーブ&ロード、が潰れて居る。つまりは相手が此方に都合の悪い動きをしたら、その都度少し前に戻し、やり直せば良い、が、やれていた奴が出来なく成って居る。……それに重度に依存して居たのなら、必然的に本人自体はそこまで強い訳も無いか……。そこでデウスエクスマキナが此方のエネルギーを奪い始めた。……何と言うか、エネルギーが尽きて来たか?それとも此方のエネルギー切れ狙いか……何と言うか、ゲームならそうは成らないがこれは現実だ……だからこそ、なのだが、いわゆるMPは全員一律で同じ物では無い。だからそれは結果的に此方の制御下のエネルギーを大量に体内に招き入れた行為に等しい。故に俺はそのエネルギーを暴発させ、エネルギー関連の器官に大ダメージを与える事に成功した。エネルギーの回復関連はこれで死んだかね?……何と言うか、詳しく知って居る奴や、この世界の奴なら到底しないようなミスだが、……これは能力鑑定能力が有ろうとも説明されなさそうなシステムホールを突いた話だしな……軽い説明だけしか知れないなら、相手のエネルギーを奪える的な感じの軽い説明だけだろうし、そのエネルギーがどうこうとか省略されそう過ぎる。……戦闘前に状況が戻るが、パラドクスクリーナーをぶつけると元に戻る。戦況のリセット、又は戦闘のリスタート、かな。問題無く潰せたけども。さて、大詰めだな。……と思いきや……デウスエクスマキナは姿を崩して姿を大鷲へと変えた。……何と言うか、此方が土系ばっかり使っているのだから、対処としては飛べれば良いのだろ感。返す刃にメテオをブチ当てますけどね。……何発か当たるが、それら全ての発生エリア範囲寄り上空に移動された。……はあ、此方も上空に移動し無いと不味いか……。しかし、この段階なら相手はまだ勘違いしているはずだ。一定以上の上空には展開出来ないってさ。なら、やるべきは上空に移動して近くに行き、……流星群をブチ当てる。俺は地面を隆起させ足場を大量に造りつつ、不自然でない程度にエネルギーを辺りにばら撒く。上空からビームを連発して来るが、足場をそれから回避させるが、ある程度破壊される。……エネルギーが空間に満ちていく。足場を拡張しつつ、攻撃を行い更にエネルギーを満たし、……時は来た。空間上のエネルギーを大量な隕石に変え、大量にぶちかます。ある程度はビームで対処されるが、只の隕石では無く、ゴーレムなのだから、制御し不意討ちをブチ当てる。かなりのダメージを与えられたが、雑魚を大量に召喚して体に加えて行きリカバリーをされる。……本来ならふざけてやがる……と、思う所だが、雑魚が金属系つまりは鉱石類で出来ていて、故に、ゴーレムクリエイトをその雑魚を元に行い、無理矢理一気にそれでデウスエクスマキナを別物にしてぶち壊した。よっしゃぁー。デウスエクスマキナを暫く見続けても何もないのでこれからの事を考える。……他の世界の理屈を持ち込んだ類いの奴ならともかく、この世界の理屈で成立する奴はどうせ他の奴からの盗品だろう……何と言うか、つまり、他にも持ち主が居る能力なはずで、その盗み元の奴が未討伐か、敵なら、どう対処をするか?と言う問題がね……その都度全部俺が対処と言う訳にも行かないだろうし、実際、今回は相手の情報収集不足を突いたから勝てただけだしな。再戦するのが前提なら再戦時には無防備に食らわせるのは無理な手法で勝利とはアレな話では有る。生存系の能力なり何なりとの方法で生き延びている可能性も有るし、対策はしておこう。……一先ず改めてゴーレムクリエイトをして創った個体にパラドクスクリーナーでも持たせて置くか。そして各地に忍ばせておこう。まあ倒されるなり拘束されるなり何なりとされたら此方が介入するとすれば良いとしても、最低限の対策としてはそれで良いかな。……他に仮にコピーされて使われても、此方がそう言う手段に頼らない限りは問題無い物でしか無いし。さて、皆を元の状態に戻そう。それで今回の戦いは終り。……あくまでも最初の戦いは、ね。……ありとあらゆる手段で最善のルート以外に成ったら最善のルートに成るまでやり直しをありとあらゆる手法でやり尽すのをやれるスペックの個体。デウスエクスマキナ。……何と言うか、その手法とスタイル上、それを必要とするのだから、本体側がそこまで強くないのでも無ければ酷過ぎる相手だった。……いや、強さに付いては此方の能力がガンメタとして機能して、ぶっ刺さっていただけだとも言える。まあ、パラドクスクリーナーが時間戻しとか正史を覆す系の奴に対して機能したのは必然だとしても、身体を補う為に義体を創る上でのゴーレムクリエイトを行う元を相手から用意された結果勝てたような物だ。何と言うかね。仮にもしも再戦が有るのならば絶対使って来ないよな、それは。もしくは別の物を体に補充するとかにする奴だろう。……故にこれが再戦前提のゲーム大会でならば二回同じ手法で勝つのは無理筋過ぎる訳で。……同じ奴が来なくても後継機的なのが来たら別の勝ち方も出来ないと不味いよな……。
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そして皆を元に戻して、帰宅しようとした所で辺り一面にエネルギーが満ちる。それが何かを起こす前に即座に破壊すると、破壊しきれなかった場所のそれがあった場所は、粉々に消え去った。……消去系の奴?いや、それにしては微妙な気がするが?一先ずエネルギーが有れば即座に壊さないと不味いか。
『シュライク・バースディ。システム関連を見ていたら解ったのだが、今の状況は恐らく対象の再定義能力だろう。エネルギーが効果を及ぼした場所がシステム的に全部消去されて、全部別物に成ってやがる』
『……何と言うか、この世界の物を全部ぶっ壊すとかして、侵略の旨味なんて有るのか?』
『有るようにするためには元に戻せる様で無ければ成らないから、システムで再設定してやれば問題無い。つまり、破壊其の物が目的で無い今のうちに倒さないと、システム的な保護が無い奴がヤバイ……何と言うか、もう既にだいぶ死んでいる気もするが』
『蘇生能力有る奴だって居るだろ?』
『ゲーム的な意味での蘇生なら蘇生対象のデータが何らかの形で残ってないとどうしようもないだろ?で、そのデータ部分をこれは破壊している。システム的な物は破壊したら元も子もない的な意味で残って居るが、……とにかく時間が無い。此方はシステム的サポートで、全体の奴らを生存させる作業を行うから、対処にうちの代表者に行って貰うので、サポート頼む。どうせ派手にやるだろうから、其処に行けば解るだろうさ』
『確か、ケールハイト・スプリングス……か。解った。サポートに回る此方は流石に全力戦闘の連続は避けたいしね……彼女か……』
そして遠くを見やると巨大な領域を展開する女神が顕れていた。
☩
私はケールハイト・スプリングス。今はとある力で、パルラス・アテーネーの力を行使しているわ。世界を城塞都市に例えれば防衛には適しているでしょう。勝利の女神でもある訳だし。とは言え、何でもかんでも効く勝利の能力が有るかと言われると完全なそれでは無いわね。例えるなら、そう、水掛け論的判定がされる際に必ず此方が勝つ扱いに成ると言う物、よ。システム的判定の一部分を掌握しているだけでは有るけど、スペックゴリ押し系の奴や只の脳筋とかを相手にするにはこれで十分よね。そして今の相手は水掛け論的に対象者をエネルギーで別の物に再定義する物。そのエネルギーの効果に対して水掛け論的に勝利すれば効かないと言う訳。さて、犯人を捜しましょうか。そして程なくして見つかり、特に特筆すべき事も無く、倒した。……いや、『データインストール』とか言って居たわね。私には何も無かったけど。其処が地下だったので、地上に出ると……その言葉の意味を理解した。……何と言うか、これをゲームで例えれば、プレイするゲームの使用するセーブデータの切り替え。結果的に一部の人達以外、最悪な記憶を植え付けられていた。……例えるなら、最早同人誌的なレベルでそのデータを創った奴に都合の良い記憶と環境に成りはてていた。……シュライク・バースディが力を行使するたびにその事実は消え失せて行って居たけど。
「……なにやらかしているかね、ケールハイト代表?」
「水霧?う、あ、その、これは私には何も無かったから対応が遅れたと言うか、何と言うか」
「……自分だけ無敵的な能力とか他者対象能力迄はカバーして無いと言う奴か」
「多分そうだと思うけど……でも私だけと言う訳では無い奴だったはずなのだけど」
「……それがどうであれ、これをまともに受けていない様で何より……まあ今回の相手の最後っ屁ならまともに受けていたらヤバイ内容の物を受ける事に成っていた所だしな。……さて、次は何が来るか。目的的に此方の戦力の弱体化兼複製と、この世界を占領する為のアレコレのための能力だとして、それが失敗して居る訳だしな……このまま終わるなら良いが、どうだろうかね……占領のための手段が戦闘では無く、要約すれば能力でそうなった後の状況にする系能力とか……戦う上での勝敗とか関係無い訳だし、本当に酷いわな……『此方はシステム握っているのだから大抵の能力は楽勝なはずなのに、何、これは。本当に』」
『システムと言うか偵察を飛ばしてから、それで得た情報を元に此方の世界に入る前に他の世界で過去に戻り、過去のこの世界に干渉する。その結果的に世界の時間戻し。これは他の世界が有れば十分有り得るし、……システムをゲーム的な物だと定義すれば、それでやりたい事や行われている物自体はありふれているけど』
『……はぁ……情報を整理しておこう。……ええと、情報を世界に上乗せして世界がそれを元に別物に変わる。但し、死亡者は無い事から過去改編では無い。……そうでないと多分此方も死んで居るはずだしな』
『その時は何のことか解らなかったけど、データインストールとか言って居たし、多分奴に対して都合の良い記憶を世界に与えただけじゃ無いかしら?それでそれに応じて世界が変化した、と』
『ゲーム的に言えば、セーブデータの移植、か。特定内容の記憶の植え付け能力と考えるとやれなくは無いのか?問題はそれが世界に対しても行えた事だが』
『要は空間も対象にした記憶の植え付け。それをゲームログ移植と例えれば普通では無いかしら?』
『……うへぇ……過去改編では無いから要は記憶が与えられただけ。……ならそれでそれを即座に追体験なんてする訳じゃ無いだろうしな。捏造記憶を追体験させる能力では無くて良かったよ。……まあ占領目的の行使なのだろうから、その結果は即座に来るが』
『消せて良かったわね。そして私はそれを受けなくて良かったわ。例えばそれを受けていたらリョナとか、……その、あれとか、されてそうだし』
『……それをもし仮にされて居たとしても、どうせそれは無かった事に成ることだ。起きて直ぐ忘れる悪夢を見たと思えば良い。どうせそれの原因も倒せているのだし』
『……ああそうだ。そう言うのをされたから代わりに貴方が何かしてくれても良いわよ』
『……されて無いって言っただろうが。……それにアーバーンにどやされる……と言うかまだ懲りてないのか?アーバーンになんかされた訳じゃないのか?』
『要は他にも可能な事にそう言う意味を持たせるから駄目なのよ。他の奴には不可能な事にそう言う意味を持たせて、他の行為のそう言う意味を否定すれば良いわ』
『……それは大量に存在する物の奴の化身系の奴には基本的な考え方では有るが……何をやる気だ?今はそんなことやっている暇なんて無いだろうが』
『……いい加減受け入れれば良いのに』
『……さて、他の事を進めよう』
『こら、話を逸らさない』
『……アーバーンにぶん殴られるので勘弁してください』
『……はぁ……要はそれさえどうにかすれば良いのね?』
『……いやおいまさか』
『こちとら伊達に国の代表者やって居ないのよ。国として重婚認める様にするわ。まあ連合国的な意味で既にそれをやっている奴は居るのだろうけど』
『……それをやるにしてもアーバーンを納得させてからにしろ。流石にアレ過ぎるから』
『否定はしないのね。なら話を進めるけど、良い?』
『……肯定もして無いだろ』
『流石に水霧がヘタレなのはもう解っていますから。嫌なら否定してください。はっきりと、明確に。そしたら今は止めましょうか』
『……言っても諦めないのじゃ、言う意味が無いじゃ無いか。只、言質を取りたいだけだろ』
『……はぁ……此処で明確に拒絶出来ないのにこの人は……』
『…………好意を寄せられる事自体は嬉しいけど、アーバーンと融合迄している状況で俺がそう言う話を一存で決められる話じゃ無いからさ』
『……結局はそれよね。あの女と折り合い付けなきゃ、とてもじゃないがアレよね……』
『話を戻すぞ。此方はシステムを握って居るのだから通常の能力は度外視出来る……が』
『……はぁ……それについてはそうだからこそシステムデータ自体に干渉する奴をぶつけられたと言うだけよ。……要するに相手方にしてみれば幾ら此方に俺ツエーとかされてもまともに戦う気自体がそもそも無いのでしょう。そしてまともに戦争を行うつもりもない……故に次に相手方が友好的手段や融和政策的な物を打ち出してきても驚かないわ。まともに戦う気が無い相手とまともに戦わなければ成らなくなった訳だし』
『……今なら一部の暴走と言う話を主張出来るし、それはそうかもしれないが……その暴走内容的に此方側が対策を出来なきゃ十分すぎる程に詰めに掛かっている内容な訳だが』
『でも実際に世界総がかりでない以上、それを論破する材料も無いわね。死人に口なし的に責任を此方が殺した奴に被せて来るかも』
『形ばかりの友好条約結ぶとか勘弁なのだが?相手方は侵略する気満々なのだからな』
『相手は此方とまともに戦う気は無くて、でも勝った状況にする能力でそう言う事にして、色々と利益を得たい。……この理屈を行使するとか相手が幾ら格上でも実力は此方が相手方に確実に損害を与えられない程度には隔絶はしていないはず……そうでも無ければその能力を行使するまでも無いはず』
『まあ普通にやって損害無しで勝てるならそんな能力なんて使うまでも無い……と言うのは分かるが、手間の省略の可能性も有るぞ』
『世界間戦争をやる手間が面倒……?それはそうでしょうけど、世界中を改編するレベルの力が本当に有るなら、他の世界なんて関係無しに、そもそも自分の世界を自分に都合良く改編すれば良いだけじゃ無いかしら。足りない物を世界改編で創れば良いのだし』
『……それな。それを行使する世界其の物のスペックで足りない事がやりたいから、素材収集感覚で来るのかもしれないが』
『つまり、好き勝手やる上でのリソース源補充が侵攻理由?……流石に酷いわね』
……その理屈だとそもそも絶対は此方を倒す必要は無いのじゃ無いか』
『……でも、世界のリソースを奪うってどうやるのかしら?世界のリソースを奪う上で仮に世界間接続とか、融合とかをするなら、私達を処理してからじゃ無いと邪魔される可能性も有るわよね』
『此方を倒すのは絶対目標では無く、あくまでも努力目標と言う事か?……ならこうして話している暇は、……いや、それをする為の手法が解らない以上は、何をすれば対策に成るのやら』
『この世界の奴を処理してからじゃ無いと、致命的な邪魔が入る可能性が無視出来ない程度に有ると判断される方法……と言う以外のヒントは無いわね』
『なら隠蔽が難しい方法と言う事か?例えばとてもでかい装置を使う上に時間が掛かるとか。世界のリソースを奪うと言う寄り、星其の物のエネルギーなら、星のエネルギーが集まる場所とは何処だ?地核か?地脈か?龍脈か?……何と言うか、もしそれのエネルギーを得たいと言うなら、敵方は酷いことに成るな。うん、間違い無い。いずれにせよそれらの化身系の奴が居るのだから、エネルギーの補充で、そう言うエネルギーを他のエネルギーと混ぜるなんてしたら逆にそいつらに乗っ取られるまで有る。そいつらに話を付けに行くか』
『そう言えばそう言う奴らが居たわね。結果的に化身系に餌をあげる形に成るなんて流石に相手方には予想されて無いでしょうけど』
『予想していたらそもそもやらないよ。普通に考えて自作の精密機械に敵対者の自由意思が宿らせるなんてアレ過ぎる……ネクロマンシーみたいに死体を操る。その死体の意思は宿るままで……とかは有るけど……今回の場合わざわざエネルギーの完全隔離を常時行って居ないと他のエネルギーが食われるけど、そうしていたらそもそもエネルギー資源を奪い自分で自由に使うのは無理だし、奪い単に廃棄するためのパターンは今回には当てはまらない。いや、状況的に当てはまる理由がないし、当てはまるなら当てはまるで廃棄するなら化身系の意思が有る以上元に戻るだろうし。廃棄するパターンも使われるパターンも相手方には都合の悪いことにしかならないだろう。今の開示情報から考えるにはだが、エネルギーに化身系の意思が宿る事は前提として考慮されてないのでなければやる意味無い事やっているよ、相手方は』
『……ならそちらに連絡を入れるの自体止めましょう。此方がそれをする事で気付かれてもアレなのだし、暫くの間何も無ければ行くと言う事で良いでしょう。……それで問題有るなら彼方から干渉して来るわよ。……地脈の化身とは出来る限り話したくも無いけど』
『……お前、あの件まだアレなのか?そりゃアレは嫌がるのは分かるが、ああしてくる理由もちゃんと有る状況での話で、それを最初に彼方が自分から持ち出してきた訳じゃ無いのだから勘弁してやれよ』
『……あれをそういう意味でないとしろと水神には言い含められた以上、あの件にはもう嫌悪感しか残って無いのよ』
『…………一定以上多い物の化身系の存在は特定行為の価値を認める範囲が狭く成るのは生命の成り立ち上必然だから。そうしないと、精神衛生上色々とアレだから』
『長々と話しているけど、来ないわね。これで終わりかしら?』
『エネルギー資源強奪狙いならこちらに来る意味無いから何も無いだけかもしれないが、……撤退用のエネルギー迄食われていたら良いのだがね』
其処にシュライク・バースディからテレパスが来る。
『なんか力で消せない建築物が勝手に創られていたのでゴーレムに偵察で調査をさせたら、ゴーレムの駆動エネルギー盗られて機能停止してしまったのだが、どうしようか』
『……ああ、そう言う。世界に情報を加えて色々と改編したのはそれの建てる事のカモフラージュだった訳か。……一先ずシステムでそれを壊せるか試みるから少し待ってくれ』
『おう。頼む』
『……エネルギー強奪用の巨大建築物を瞬間的に創る……何かしらね。敵方の能力が盛られるのは別に良いけど……盛られれば盛られるほど、そもそもそんな真似が出来るなら、わざわざこんな事やる必要無くない?問題はアレなのよね』
『まあ確かに、何でもかんでも自由にやれて、出来る奴が侵略戦争なんて資源とか土地とか奴隷確保とか通常の侵略戦争で求められる物が私怨以外で大義有る侵略戦争をやる根拠として成立しない気がするのは確かだな。大抵全部自前で用意出来るはずだから。……私怨とかやる事に別に理由が有るなら話は別にしてもさ……と、破壊完了、と。……これは運営側が好き勝手にゲーム内世界に干渉しているゲームの様な話だけど、ゲームの審査機関とか出て来るなら、そもそも今回の発端の奴を即座に取り締まって居るべきなのに放置したし、此方だけ取り締まるのは流石にふざけているだろ』
『処理落ちがそう言う機関の介入で無ければそうでしょうけど……今回の場合それで此方を取り締まればその機関側が更に困る可能性も有るわよね。主に敵方側の目的的に』
『……つまりそう言うのが居たとしても今回は此方に対しては度外視で良い訳だ』
『隣の芝生は青い的な意味で欲しがる人は居そうだけど』
『……幾らでもどんな奴でも創れる状況で敢えて他の奴が創る奴が欲しいとか、よっぽど自分の創る奴に価値無しとか思っているのかね。私怨とかで相手から奪いたいだけの場合は除くにしても』
『他の人に盗られるのが嫌なら先に全部食べちゃえば良いのに』
『……ゴホン。ここは本来ならそんな事言うのじゃ無いよと怒る所なのだが、言い寄って来ている所での文言だしな……はぁ……なら俺は別の場所に移動するから。残った水は好きにしろ』
『ああ、つまり、水神への言逃れ用に私が勝手にやった事だとしたい訳ね。じゃあお願い』
そして水霧はその場にあった水の制御を手放し、別所へと移動した。……そして水を容器に入れ、思う。この水は水霧だった物から離れた物。水分系縛りでそれを解釈するならば、涙や汗や血液や精液や黄金水とか……。つまり、飲むなり浴びるなり塗るなり何なりとしたらヤバイ代物では有る。それを敢えて好きにしろと言ったのだから、まあ、飲むわよ。あくまでも定義的にはそうだと言うだけだけど。そして一通りの事をやって他の場所の様子を見に行く事にした。
☩
……何と言うか、あくまでもアレは只の水だ。付加価値が付いては居るが、只の水……。だから、そう言う意味の物では無い。そう自分に言い聞かせた。……そうでも無いと抑えられなくなりそうだったから、ね……。状況的には、今そう言う事をちゃんとしたら創作だと死亡フラグに成りかねないのだし。……しかし暫く待って見ても本当に何も無いな。此処ですぐさま他の世界代表みたいな奴が介入して来たら、戦う途中でも加勢や介入出来たろうが。さてはてめぇーわざと侵略を看過したな?的な意味でほぼ間違い無く黒なのだが……何も無い。……なら先の奴らは本当に一部だけの暴走の結果か?……うーむ。……っていや、そう言えば外部調査まだ出来てないじゃ無いか。そちらを早く済まそう。そして調査のためにシステムを制御するのだった。
……正直、水云々は特殊性癖だとは思う。前提の条件上で無いのなら、そうとしか言えない内容なのだし。……まあ、前提条件付きでしか認め無い事にしないとアレだしな。さて、世界の外は化物共が溢れているか?それとも先の能力に好き勝手にされた結果の世界が有るのか?それとも他の何か、か……対処し無いと不味い物では有ると思うが。……仮に犯人だけに都合の良いだけの世界とか構築されていたら吐き気を催す邪悪を見ている気分に成る気がするが、リソース不足が侵攻理由なら、ヤバイ奴が創られていても可笑しくない訳だしな……。犯人にだけ都合の良い世界……。それで自分がその犯人の立場に立てるなら良いと思う奴もそれなりに出るだろう。物理的に不可能でも無ければ大抵の欲望は叶えられるのだから、さ。……でも、だ。少なくともこの世界では、いや、召喚システムではそれは存在してはいけない。それがもしも簡単に可能で有りならば、その犯人側では無く、被害者側の立場に簡単にされてしまうからだ。そんな事は考えなくて良い。どうせ俺は犯人側にしか成らないからな?……そうであれば良いね。本当に。それなら大抵の欲望は自由に満たせるだろうから。……高性能なだけの操り人形との恋愛が好きなら、ね。いや、別にサイボーグとか、ロボットとかを批判する意図は無い。アレな例えをすれば、重度な脅迫をして、いやいや彼女役やっている奴との強制的な形だけの恋愛を有りとするのは流石に違うと思うと言うだけ。何でもかんでも自由に創れるなら、自分を好いてくれる奴を大量に造ればお手軽ハーレムの完成とかも簡単に出来てしまうのだろうけれど。
『あら、自分の意志での行動で無ければ意味が無いと言うの?本当に?ドラマとか劇とか全否定の発言よ、それは』
『……フラワシ、か。最近全然介入してこなかったくせにこんな時には介入して来るのか』
『それが自分の意志での行動で無ければどんな行動も意味は皆無だと、本当に思う?そう思える?そう言える?』
『…………そう言いたい。そう言えない様なケースはそれなりに有るけれど。それでも俺は言わされただけの物は否定したい。其処に前提として自由意志が有る事を大事にしたい。……そうでも無いと、多分きっと、催眠術とか、魅了とかの、対象者の意思を捻じ曲げ、行動させる系の奴を全般認める事に成るから』
『……それで全部上手く行く奴しか居ない訳じゃ無いと言う事も分かりなさい』
『それでも、だとしても、俺はそう言うのは認めて成る物か』
『……ま、今は良いわ。提案が有るのよ。貴方は全てを制御出来る立ち位置に居ても、その力を行使しないで居られる?もし居られないのならば』
『なんだよ。つまり俺にエロゲみたいな事が出来る権限与えて俺の理性試そうって事か?……ああそうかい。そう言う力を持つ訳じゃ無いのにそれを言っても僻みにしか聞こえんから、試しにそれが出来そうな力を貸すので、その上でそれでも尚同じ理屈を言ってみろと言う事か……他の事には使って良いなら乗った。渡してくれ。期間はどれくらいにしようか?』
『私が返せといったタイミング迄、ね。我慢の限界が期間よりも、後に来たパターンも潰せないとだから』
『……じゃあ、後で頼む。調査があと少しで終わるからさ』
『調査しなくても解るわよ。だから出張って来たのに』
『……森羅万象に宿る能力的にそりゃあそうだろうけど、基本的に此方に協力して来ないじゃ無いか。とてもじゃ無いが頭数には入れられないだろ』
『まあ、それは良いから説明するわ』
そしてフラワシは語り始めた。
☩
『私が知る限りだと、仮にこの世界が空を飛ぶ方舟だと定義すると、周りは大空で、この世界はファイヤーウォールに守られていた。でも、先の戦いでファイヤーウォールが一時的に壊れた。此処迄は良い?』
『ああ、それに気付いた奴が侵攻して来て、それを撃退したのが今の状況だ。それで?』
『周りの大空には生物が飛んでいるの。でも、それは原生生物だけではないわ』
『誰かが其処にそう言うのを放った奴が居ると?』
『正確にはある奴が世界創造をやろうとした結果の失敗の産物が世界と迄は行かずに生命を得て逃げた奴が居るわ。そいつらは最低限が界相応の存在ね。つまり、簡易的なシステム持ち』
『はぁ?インフレが酷過ぎるだろ、そんなの』
『ある強い奴が世界や味方を大量に造ろうとした結果の失敗作群だから、その強い奴がインフレした強さの奴なら自然とそうなるわ。定義的には廃棄物か又は脱走者だから、個体の強さは当たりはずれが大きいけど』
『……宇宙にゴミを捨てる感覚でそのレベルの奴を捨てるのか……それで原生生物は?』
『外なる神とか相応の存在が出て来ても可笑しくないとだけ言えば解る?』
『なんでだ。ふざけんな』
『強く成り過ぎた結果、居る世界がそいつに耐えられなく成って世界側が壊れた結果、世界の外側に居るパターンも有るから』
『つまりは、ゲームで言うなら、容量オーバーで世界内に居られない的な奴が普通に居られる場所に成るので、そう言う場所を探索したいなら其処にはそう言う奴が居ても可笑しくない、と……。極力戦闘に成らないようにしないと不味すぎるか……だが、それならそう簡単には侵略者は来なさそうだな。まあ、百パーセント安心出来る物では無く、何故来られたのか?と言うのが有るからアレだが』
『移動のための道具やゲートとか何かが有るならそれを壊せばだいぶ楽になると思うけど絶対じゃ無いと思う』
『ふむ……』
『なんか解ってなさそうだから言うけど、世界の容量オーバーで外部に居る様な奴がこの世界に来たら、戦わずともそれだけで世界滅亡検案だからね。世界の容量オーバーが強制的に起こる的な意味で』
『……只居るだけで世界を壊すとかもう滅茶苦茶だな』
『その様な滅茶苦茶をやれたから外部に居る奴も居るのだもの。だからそう言う奴と戦う事に成ったらこの世界に逃げるなんてしないでね。冗談抜きで世界が滅亡しかねないから』
『……解った。だが戦わなければ成らない展開に成る事も有るだろうと思うのだが』
『その時は仕方無いけど、先の話での扱いでの脱走者の奴らは極力殺せる場面に成っても殺さない事……そいつらを創った奴の敵意を引いたらヤバイ事になるし』
『……極力戦闘の回避を推奨で、戦う場合も殺害は非推奨……ゲーム的に言えば基本的には回避前提のギミックみたいな物か。面倒な。まだ上が有るとか青天井過ぎて逆に笑える……だが疑問なのだが何故、システム所有をして居るのが前提なのか』
『他の能力の奴が居ない訳じゃ無くて、そう言う奴で無いと簡単に他に処理されて居るだけね』
『システム所有者なのが前提?攻めてきたのがシステムハックして来たのと合わせて考えると、システムを所有して居ると言う事が、一種の防壁に成って居るとか?』
『その理屈で言うなら、世界の外ではシステムを使っての相手の強さの前提崩しが基本装備的に運用されて居る事に成るけど』
『何だろう。いやまあ、まともに戦うとアレな設定の羅列合戦の回答がそれなのは本末転倒な気もするが、要は勝敗判定を担う部分が通常とは違うと言う戦闘だと言うだけの事かと言う事は攻める事は上側の奴と事を構えるならシステム持ち以外簡単に迎撃される的な意味で無理だな……代わりに世界其の物を持ってくる様な奴相手でも無いと守るのは簡単だし、それをされて初めてそれのアドバンテージが消える。いや、それをすると有利に成るとか言う話では無く、それで初めて前提的にはイーブンという意味で』
『はは……それをされて初めてまともな設定勝負が成立する……ですか。……でも前提的にそうされたら多分負ける相手も結構居るから』
『……こちらはまだ世界のシステムをある程度自由に操れると言うだけだからな。だと言うのに、相手の方は失敗作とは言え世界其の物を何個も創るような奴も居る訳だろ?まともなステータス勝負じゃ無くて、別基準が前提に有る勝負が横行しているならば、まだやりようが有る。通常通りの戦闘でなら負ける相手にも勝ち筋が有る様に出来るし』
『でもそれは貴方が用意したルールでは無い事を忘れずに』
『……これは手厳しい。そうだよな。これは他人が用意したルールだ。……システム介入でシステムを破壊するからシステム依存の能力は無意味だと言う事を相手に押し付けた上で、それを押し付ける為の力でぶつかり合うのを強要している。そう言うルール。つまり、そうする為の行程をその該当能力以外で凌駕出来ればその根底が崩れる……が、それの問題はそれをやってまともに戦うとしたら相手側の方が結局は強い可能性が高い事だ』
『それはあくまでもまだ推測ね。確定情報な様に話してもアレなのだし』
『それな……』
其処にアーバーンが来ると呆れていた。
『認識ズレ過ぎよ、二人共。世界の外の空間を幅広く牛耳っている様な奴が此方より格下だったら他の世界の奴には強さでは何も期待出来なくなるわよ?何かしらそいつより格上の奴がそいつに手を出さない理由や、理屈が無い限り、ゲームならラスボスでも良い立ち位置の奴より弱いから自分は弱いとか言い出すのはアレ過ぎるわよ。……まあ世界を自由に創れるような奴なら自分がその世界内に居ても問題無い世界を創れて、故に干渉する必要が無いとかの可能性は大いにあるけど』
『今気付いたのだが、要は此方が一定以上強く成れたならば、そいつと戦う事に成る可能性高くないか?主にこの世界に居られなくなる的な意味で、その環境に入らなければ成らない的な意味で、ずっと不殺を貫くのも無理が有るのだし』
『でもだからと強く成らないと言う選択肢は無しね。向こうから来る可能性は既に示されているし、その条件で戦うならそれなりの力を此方も持てて居るはずだから、どうせ戦うなら強くなっていた方がマシで良いはずなのだし』
『この世界の其の物の強化とか出来ないかな。出来たらわざわざその環境に長々と居座る必要は無くなるし』
『そうする場合、この世界が誰かに創られた物なら、その創り主に完成品を献上しているのと変わらないと思うけど』
『要は自分で世界を創れと言う事か?』
『そのレベルの奴と敵対するなら最終的にはそれが出来ないと不味いと思うわ』
『……』
其処にアーバーンが来ると呆れていた。
『認識ズレ過ぎよ、二人共。世界の外の空間を幅広く牛耳っている様な奴が此方より格下だったら他の世界の奴には強さでは何も期待出来なくなるわよ?何かしらそいつより格上の奴がそいつに手を出さない理由や、理屈が無い限り、ゲームならラスボスでも良い立ち位置の奴より弱いから自分は弱いとか言い出すのはアレ過ぎるわよ。……まあ世界を自由に創れるような奴なら自分がその世界内に居ても問題無い世界を創れて、故に干渉する必要が無いとかの可能性は大いにあるけど』
『今気付いたのだが、要は此方が一定以上強く成れたならば、そいつと戦う事に成る可能性高くないか?主にこの世界に居られなくなる的な意味で、その環境に入らなければ成らない的な意味で、ずっと不殺を貫くのも無理が有るのだし』
『でもだからと強く成らないと言う選択肢は無しね。向こうから来る可能性は既に示されているし、その条件で戦うならそれなりの力を此方も持てて居るはずだから、どうせ戦うなら強くなっていた方がマシで良いはずなのだし』
『この世界の其の物の強化とか出来ないかな。出来たらわざわざその環境に長々と居座る必要は無くなるし』
『そうする場合、この世界が誰かに創られた物なら、その創り主に完成品を献上しているのと変わらないと思うけど』
『要は自分で世界を創れと言う事か?』
『そのレベルの奴と敵対するなら最終的にはそれが出来ないと不味いと思うわ』
『……なんかな。前提的に幾つかの世界を相手取り牛耳って居る様な奴が此方より弱いとかでも良いじゃ無いかよ。俺ツエー的な作品だとそんなのドテンプレだろ?』
『そんなの世界がファイヤーウォールで隠蔽されていた時点で有り得無いわよ……全世界同時に召喚システムが実装されたのでも無ければ、だけど』
『流石にそれは無いか……さて、此処に攻めに来たのがそう言う奴と無関係な個体なら良いのだけど、ね』
『流石にそれは楽観し過ぎとは思うけど、どういうパターンの世界か?と言うのが掴まれるまでは問題無いのじゃ無いかしら。……侵攻する意思が有っても格上が居る世界も混在する状況だろうからこそ、無差別侵攻なんて真似をしないのでしょうし』
『……何か?つまり、此処で仮に全勢力総当たり侵攻やり返した結果、此方の実力を図られでもして、それで勝てると思われたら不味いと言う事か?』
『何もしなくても彼方が調査を終えればそうしてようがしてなかろうが関係無い訳だけど』
『なら全力で問題無いな。相手側が格上で有れば有るほどどうせそれで得られる時間なんて僅かな物だろうし』
『問題は何処に仕掛けるかだけど、フラワシ、手頃な相手は居ない?』
『最低限簡易的にとは言え、システム持ち相手に対策無しで行くのはアレなのでは無い?』
『じゃあどうする?』
『今から出来る限りの鍛錬をして、次に攻めて来た奴の情報を抜き、それで判断。と言うのはどう?』
『解った。じゃあそうしよう。……だが、その鍛錬の結果、世界内に居られなくなったらどうするかだが』
『化身系の能力の前提的に問題無い気もするけど、一部分だけ内部に入る程度ならその状態でも問題無くない?』
『どうなのだろうな。まあ成ってみたら解るか』
そして警戒をしつつ鍛錬を行う事に成った。……これは賭けでは有るが、それは要するに鍛錬せずに居ても、問題無く来られる手段が相手方に在れば、普通に蹂躙されるだけだし。ならまだ鍛錬をしておくのは悪くないだろう。どうせ来るならそんなに期間は空かないだろうし、その短期間だけで問題に成るレベルまで行けるとも思えないし……。それに世界内に入る際に世界が壊れないように容量圧縮なりなんなりで手加減してくるならば、現状であろうとも戦えるはずなのだよな。同じ領域やスケールに相手が降りて来る的な意味で。
☩
世界を創る。今回の話の場合、それだけならやれる奴はある程度は居るだろう。完成手本が既に存在して居る的な意味で、ね。だが他人の創った世界の只のコピーなら、その創った他人に都合の良い仕組みもそのまま世界に組み込む事に成る。只のコピペでどうしてそれが出来ているかの理由や理屈の理解を出来てない奴がそれの調整を何も問題無く上手く出来るとは思えないのだし。だから只のコピー品は劣化すると言うのは妥当な話では有る。だが今回の場合、オリジナルを使うだけでは解決出来ない問題を解決する為に創るのだから前提的にコピー品では目的が達成出来ないのは何も不思議では無い。いや、キャパシティオーバーを解決する為に同じ奴を追加して、それに内容を分散させてキャパシティオーバーを緩和しました。くらいなら可能では有るとは思うけれど。
能力がパワードスーツ的な物なら、奪い着れば能力を得られるし、重ね着すれば、能力もかなりの数持てるだろう……だがそれだとパワードスーツのエネルギーを消されたらその能力は失う訳で。だからと言って体に専用の機構を追加するなら物理的な意味で得られる能力数も限界は有る訳では有るが、それは能力を得れば得るだけひたすら巨大化するのを可能とする能力等の所有の物理的な限界を如何にか出来る方法を提示する場合を除いての話では有る。……と言うか、能力機構の物理的な移植を必要とする能力とか……変身能力持ちが変身で機構創って運用するのもセーフなら、機構を細部まで明確に把握しておいて適宜に変身すれば良い……まあ、これだとそれが出来ても全部の能力同時使用は無理だけどね。……ああ話がそれた。要するに最悪今居る世界を複製すれば、キャパシティオーバー回避のための手段としては最低限の目標は達成出来るが、世界の創造主が敵な場合は利敵行為に成りかねないので避けて置きたいと言う事。……何と言うか、凄い奴が無理矢理この世界に入っても問題無い様にしてから入って来るなら、それが参考に成るのだが……。あ、召喚システムのゲームログ的な物を漁り、システムの処理落ち対策能力の獲得でもしようか。……それが無いとアレだよな。まあ、数千単位の数の能力が継続的に飛び交って初めて起きるレベルの奴を少数で起こせるなら、そもそもあんな事故が起きる前に公表されて明らかにされているはずだしな……。強いからそれが出来ますとか言い出す奴も居るのだろうが……。単独でそのレベルの奴をやれる奴がわざわざそれを潰す手法なんてそもそも要るのか?的な意味で無駄な気がする。主にそれをやるための実力を普通にぶつけた方がマシじゃ無いか?自分側の能力も戦闘で使えない状態にする訳だし……。むしろ普通に戦うより難易度上がる気がする……いやまあ召喚システムログ見て効果を検分して、再現できる方法を考案すると言う奴だ……一、二レベルを上げるか一つ追加で技量獲得かの何方が良いかと言うと、ステータスの上がり具合と得る技量の内容次第だが、これは技量一択だな。それが無いとステータスが無に帰す可能性が有る的な意味で。いや、そもそもよく考えれば処理落ちと言うのがメンテナンスシステムのオーバーロードの結果の物なら、現状通常戦闘に使われるシステムでは処理落ちが報告されてない的な意味で何ら問題無い状況でしか無いのだが……まあ対策無しはさすがに不味いだろ……まあメンテナンスシステムが通常のシステムと同じや、それよりも大きなキャパシティでした……とか成らない限りは大丈夫なのだが、まあ、念の為。奴が使っていた物を使うなら必要だろうし、能力を通しさえすれば勝ちの勝負と言う状況に出来てないとシステムハック対決で勝てても無能力で耐えられるなんて成ったらシャレに成らないからな。それでシステムが復旧されるまで凌がれたらまたシステムハック勝負からやり直しですよ。それは勘弁願いたいからね……。ん?そう言えば、世界外でもシステムは使えるのか?それで使えないなら使える方法を考案し無いと話にならないか、これは……。……空間上に有る物なのだから、空間を運べる能力が有れば良い。それが出来るのは三人ほど当てが有るが一人は元上司だし、一人は罪の軽減策の交換材料としての協力してくれている奴だし……久々に彼女に連絡を取るか。
『……私達の事は別の仕事を与えて体よく捨てたのかと思っていたよ』
『……アルコーン・リノベート……重要なのは解るだろ?彼方の護衛も』
『……正直低次神格の私からしてみれば、神格個体が大量に敵として来る可能性が有る奴の護衛なんて役不足じゃないかなって思うのだけど』
『神格個体と一言で言っても成れる方法論的に強さはピンキリじゃ無いか』
『で、創るだけ創って体よく捨てた私達に何の用?』
『……空間調整の力で空間を世界外に運べるかなって思ったのだが、やれるか?』
『試したことが無い的な意味で分からないけど、やるわ。だから時間を少しくれる?』
『解った。じゃあ、そうだな、前に所属していた軍部拠点に行くから其処に来てくれ』
『解ったよ』
そして其処に来て貰い、実験を行う。
『空間上に召喚システムは有るから、空間を運ぶ事で間接的に召喚システムを運ぶ。そしてそれを前提に戦う。うん。概要は解ったよ。つまり、壊されたら負けの宇宙船を守りながら宇宙を進み戦うタイプのゲームみたいなものだね。それで私はつまり、宇宙船のHPゲージ側を担うと言う事で良いかな?』
『……そうなるな』
『つまり私がアーバーンよりも私がメインと言う事で良い訳?俄然やる気湧いてきたよ』
『……よろしく頼む』
そして実験を開始した。
☩
他の世界の奴が此方の世界に来る手段を潰すために他の世界か何かに殴り込みに行く……ねぇ。パラドクスクリーナーは世界の力を誘導すると言う性質上、他の世界に行くと碌に使えない訳だが。いや、他の世界の力を把握したら別だろうけど、……他の誰かに都合の良い世界のエネルギーなんてその他の誰かに都合の良いエネルギーな可能性も有るし、使ってもあまり意味無さそうな気がするから、俺はそれには参加せずの防衛役を引き受けるのがベターだろう。……はぁ。明らかに面白そうな話で俺は留守番かよ……。良くないけど、まあ良い。水霧を計算から外した戦力で迎撃するのも問題無い……また似たのが来るならば結局は一人で戦うのと変わらないのだしね。世界の力を誘導すると言う事は出来るのだから、要は世界のエネルギーを制御して戦うと言う事も出来るはず。それならシステムの処理落ち対策としては十分だろうし、世界に既存の物を整形し直して居るだけだから、それだけで処理落ちが起きるなら、今もう既に起きていないと可笑しい的な意味でさ。なんて言えば良いのかね。どんな設定を積み上げてこようが、それを崩す力でそれを崩し合う。幾ら設定的に最強で有ろうがそれを崩す力のぶつかり合いと言う概念でそれに勝ちさえすればその設定群を度外視出来る。……設定的に死なないとか消えないとか無くならないとか強すぎるとかそういうのも丸ごと全部含めた崩し合いを行えるシステムと言うか、能力。そりゃあ創作とかで無尽蔵と言えるレベルに能力持つ奴にまともに能力のぶつけ合いとかして勝てるとは思えないけども……。本末転倒な様に見えて……でもそれでもこれならば例えば敵が仮に全知全能でも、その全知全能と言う前提を崩せるのだから。悪くは無い。悪くは。……単に一つ一つにちゃんとした回答を返すのを放棄した点を除けば、だが。それに存在する能力の全てがそのシステム干渉で干渉出来る物しか無い……のは流石に他の世界を含めて考えると無理が有るだろう。まあそれについてなら要は根底と成る仕組みを壊しに掛かる迄の手間が増えるだけだろうが……システム類に一切頼らない単純な物理脳筋タイプの奴には関係無い気もする。小説で偶に有るだろう。無能力が只の努力で、能力相応の技量を獲得して能力者を倒していく系の奴。まあ私見で言えばそう言うのはシステムで得られる能力は大抵がモーションアシストで説明出来る物が多い気がする。それが自分に出来るか?は、ともかく、それなら努力次第で全部獲得するのも理論上は不可能では無いはずだしね。まあつまり、何が言いたいかと言うと、システムハックでシステム破壊をしたとしても、世界次第ではシステム保護下と似た挙動を実現する奴が居るのじゃ無いのか?と言う話。まあそんな奴が大量に居て堪るかと言う話では有るけれど。システム破壊出来たとしても只の物理で凌がれたらアレだしな。只の物理だけでは凌げないだろう物をぶつけられたら良いが……まあそれくらいなら十分既に有るか。
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