〖真実の愛〗エピソード②~幼馴染のI子編~

YUTAKA

第1話 成人式での再会

当時は特定の彼女も居なくて、男友達と夜遠し遊ぶことが楽しかった頃だった。


そんなある日、私も成人式を迎えることになり、地元の町民会館で成人式を迎えることになった。

私は地方へ進学をしていたから、地元の同級生とは5年以上前から会って無かった。

そんな会場へ向かう私は、懐かしさと少しだけドキドキしながら参加をしたんだ。


同窓会の会場に着くと中学二年生当時の担任だったM先生が居た。

そのM先生は年齢を感じさせないほど若く見えた。


『M先生!お久しぶりです(笑)』

私からM先生へ挨拶をしたが、初めは私と分からなかったのだ。


『あのチビだったTETSUOですよ~先生!!!』

隣に居た同級生のY夫がそう言って、私の肩を叩いた。


『TETSUO・・・君?』

『本当にあのTETSUO君なの???』

そして成長した私を見つめて、驚いた表情をしていたM先生。


それは中学二年生当時、私の身長は140センチぐらいだったろうか?

今や成人式を迎えて成長した私は170センチを超えていたのだ。

身長も伸びたが、顔の骨格も男らしくなったのであろうか。

当時の雰囲気とは別人に見えたからだと思う(笑)


そんな見た目から中学生時代は女性からモテなかった。

それは忘れもしない中学二年生のバレンタインデーでのエピソード。



私には幼馴染の『よっちゃん』と言う同級生がいた。

よっちゃんの席は私の前で、その隣には『Y美』が座ってた。

そしてバレンタインデーの日に・・・


『これ!義理チョコだけどあげるね♪』

小声でよっちゃんにチョコを渡していたY美を目撃した。


『うわーありがとう!ところでTETSUOの分は無いの?』

よっちゃんは喜びと同時に、幼馴染の私のことを気遣ってくれた。


『うん!TETSUO君の分は・・・無いよ』

Y美は更に小声になって、よっちゃんへ返事をした。


『え?なんで?なんで?これ義理チョコだよね!!!』

よっちゃん!もういいんだよ!

Y美は義理チョコだって言ったけど、それはY美からの『本命チョコ』なんだから!


人一倍に優しくて無垢なよっちゃんは、Y美へそう迫っているけど・・・

それ以上は私の心の傷口を広げないで欲しいと願った!


すると隣のクラスからA子が現れて・・・

『はい!TETSUO!これ義理チョコね(笑)』

そう言ってチョコを渡したA子とは、母方の親戚でそして同級生だった!


『お父さんからお金貰ってさー!

TETSUOにチョコレート渡せって頼まれたんだよねー(笑)』

そんなネタ話しは聞きたくなかったが、A子も私に義理チョコを渡すことが不本意だったのだろう。

そして、私は親戚の叔父さんから義理チョコを貰ったという、最高の経歴を持つモテ男なんだよ(笑)


そう!思い出したくない過去なんて一つや二つや三つぐらい・・・

ん?皆さん誰しもあるよね???



そんなモテ経験があったが数年後の成人式で、私は運命の再会をすることになった。


二次回のカラオケへ移動すると、幼馴染のI子がそこには居た。

そして彼女が私にカラオケのリクエストをして来た。


『ねえ!TUBEのシーズン・イン・ザ・サンって歌える?』

実は歌詞を知らなかった。

でも、I子のリクエストに応えようとマイクを握ったが、サビだけしか歌えなかった!


『ゴメン!実はこの曲を知らなくて(汗)』

メジャーな名曲なのに歌ってみると案外歌えない曲もあるものだ。

アドリブでなんとか歌えると思ったが、逆にカッコ悪い自分をI子に見せてしまった。


『なんだ知らないんだ~!TETSUOさんって面白いね!うふふ♪』

そんな彼女の何気ない行動がキッカケで、私たちは成人式以降も会うことになるなんて。

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