第69話

「あ゛?俺はイジメなんかしてねえぞ!」


「そいつはどうかねえ。高校時代浜田が書いていた絵をキモいと言ったのは誰だったかな。」


「は、何故それを。テメエ浜田か!」


「それだけじゃない大学でも自殺者が出ていたそうじゃないか、彼の遺書の件も有名だぞ。」


「浜田は大学のことは知らねえはず。」


「そう、お前のせいでみんな死んだからな。」


俺は知っている。ずっといじめは許すことのできない人間だったから。


「もう一度は言わない。クズに用はないんだよ。大人しくこの世界から消えな。【イグニッション】」


「は、その程度魔術で死ぬわけが……」


渡辺の左腕は破裂しその左腕から皮膚が溶解していく。


「うぎゃあああああ。」


「焼きがイマイチ。結界か。」


「もう許さねえ。死ね。」


腕を瞬く間に再生させると先ほどと同じように無詠唱で大量のファイアボールを放ってきた。


「元日本人とは思えない俺たちの残虐性。こりゃいよいよ壊れ始めたかな。【イグニッション】」


ファイアボールは全て爆発し被害を0にした。


「な、俺のファイアボールが……ち、ならこれならどうだ。」


今度は津波のような炎を使いこちらに向けてきた。


「はあ、【イグニッション】」


それすらも消滅させられた渡辺は少なからず動揺していた。


「イグニッション如きで俺の炎を吹き飛ばすだと炎使いのユニークスキルを持つ俺様がこんな陰キャみたいな奴に負けるだと。」


「浜田に冥福を祈りたいな。俺は仲が良かったのに何もできなったし。」


「浜田と仲が良かった?まさかオカマか!」


「【イグニッション】」


「痛ッてえええええええ!!」


「今度は左薬指が無くなったか一生結婚できなくなったな。」


「無駄だよこのオカマいくらでも再生するんだよ。」


再び再生させる浜田だったが再生させた指は心なしか肌が荒れていた。


「いくらでも再生するわけではないのに再生を多用するってことは技の特性を知らねえんだよな。」


「あ゛何言ってやがるただの負け惜しみか?」


「【イグニッション】【イグニッション】【イグニッション】」


「うぎゃあああああ。」


今度は三つのイグニッションを出し一つは左腕の皮膚の表面から綺麗にレアに焼き上げ二つ目は中身の骨だけを打ち砕き最後は髪の毛を死滅させた。


「ほら再生させてみな。」


「その前にてめえが死ねや。」


捨て身で右腕を突き出しファイアボールを大量に形成し圧縮した。エネルギーが凝縮された圧縮に圧縮を重ねられた炎はアレンに向かって突き出された。


「こいつは受けるしかなさそうだな。」


確実爆破させても死ぬし被害が大きすぎると判断したアレンは受けることを選ぶしかなかった。


アレンに太陽フレアに匹敵する超高温体が直撃した。

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