第40話

食堂に着くともう一人の婚約者が居た。


「仕事、お疲れ。」


なんか癒されるけどイラッとするが今話したのが俺の婚約者ラピス フォン デーヴァさん。かなりの無口な子で気に入った人物としか話をしないらしい。


「お前は何してたんだコラ。」


「寝てた。」


よし頭グリグリの刑に処す。


グリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグーリグリグリ


「ううう痛い。」


「なら仕事手伝え。」


「まだ10歳。」


「俺6歳。」


「身体15歳。」


「頭6歳。」


「むー。」


ぷすーという擬音が聞こえそうなくらい不機嫌な顔で頬を膨らませるラピス。


「まあまあアレン、ラピスにはまだ仕事は早いですよ。」


「そうですわ、アレン様が優秀過ぎるのですわ。」


「勝った。」


勝利のVサインを掲げるラピス。

う、うぜえ。


「でもなんかうざいからお仕置きだ。」


こちょこちょ


「むう卑怯。」


ラピスは手を挙げて指を動かしファイティングポーズをとる。

ここに弟一次くすぐり大戦勃発

仁義なき戦いにいざ尋常に


バシッ


「二人とも喧嘩は良くないよ。」


我らの武官のシェルにデコピンを喰らわされて俺とラピスは悶絶した。


「あら怪我の方はもう大丈夫なんですか?」


「それは医者である私も太鼓判を押していいくらいには大丈夫ですよ。」


あら、アルティマさんいつ見たんですか。アナタあの膨大な量の書類の仕分けをやってたじゃありませんか。


というような顔をラピス以外していた。


「ああ、あの程度ならすぐに終わりますよ。少し仕分け方にコツがあるだけです。物覚えの悪い弟子が良くいた者で書類仕事も私がやっていくばかりに作業効率を追い求めてきたので自然と早くなりますよ。」


何それ、羨ましい(自分もスキルのせいでその道に片足突っ込んでることに気がついてない。)。でもめんどくさいからいいや。のんびりダラダラ仕事しよ。


スキル『怠力』発動

ユニークスキル『オートワーク』を取得します。


完全ダメ社員の人間ができる人間に早変わり、覚えることも少なくて良しいつもながら良いスキルを考えたもんだとアナウンスを聞きながら思っているとアルティマさんに白い目で見られた。


「今日でお仕事の方はどのくらい終わりましたか?」


はう!

俺の心臓がロックオンされている。これはヤバいぞヤバすぎるぞ!!


「それがとても早くて今日で三分の二は終わりましたわ。」


うおーい、エリーナさん正直に答えないで。


「それはそれはとても早いですね。なら明日はお仕事に加えて勉強も追加いたしましょう。アーレギオン様は内政においては才を成すお方ですが美の意識を高める必要がありますし人との会話の仕方もまだまだ不十分に向けられますから。そのあたりを追加したいのですがよろしいでしょうか。」


「それいいですわ。」


乗るなエリーナさん。


「いえまだ少し早いかと思われます。」


よし、ミーシェルその意気だ。これ以上俺のやることを増やさせんじゃねえ。


「それはどういうことでしょうか。」


「公爵家当主は未熟だと思わせた方が組織図が作りやすいと思われます。」


「要は敵のあぶり出しですか。確かにアーレギオン様は呪いで成長してしまっている。勉学ができるのは良しとしても美の意識を感じ取るにはまだまだ若すぎますね。」


ョッシャーーー!!

あ、ウインクしてる俺の意を組んでくれたんだ。

助かったぜミーシェル愛してる今夜は頑張るよ。


俺はウインクを返すことでそれに答えたが実はこのウインクが別の意味でされていたことを俺は知らなかった。

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