第26話
「あんまり大丈夫じゃないかな。」
それを話すのは象のおじさま。
「まあでも今日一日安静して消化に良いものを食べれば大丈夫だよ。」
「ねえおじさん今の言葉、すんごい気になるんだけど。」
「まあまあ、腕をくっつけたばかりだし血は輸血で足りているけど少々無理矢理くっつけたせいで身体の血管も大きいのを除いて小さいのは適当に繋いだからもしかしたら静脈と動脈を一緒に繋いでるかもしれないぐらいだがら大丈夫大丈夫。」
大丈夫大丈夫、ってある意味死にかけるかもしれない重大欠陥じゃねえか!!
「うがーー!!」
とりあえず叫びながら攻撃しようと枕を投げるが命中することなく枕を掴まれる。く、ティッシュのゴミ箱シュート成功率92.167パーセントの俺の枕を取るとはやりおる。
「大丈夫ですよ。私が診断しましたから。」
声の聞こえる方を振り向くとおっふと言いたくなりそうな絶世のケモミミ美女がいるが恋愛とかめんどくさいと思う俺には通用しないぜ。
「アンタ誰?」
「ラインの上司です。」
「あーアレもしかして俺本当に死にかけてた感じ。」
「ええ、もう少しでアナタの信じる番人が現れるくらいには。」
つまり俺が信じるのは無茶苦茶甘やかしてくれるべっぴんな天使様だからその人が現れると?
「いえ、間違いました。髭の生えた鉄挟みを持ったおじさんです。」
「あ、そう。」
なんだよ違うじゃねえか、髭の生えた鉄挟みを持ったおっさん?閻魔大王かよ。そこは輪廻転生じゃねえの?
「それでアナタの状態についてですが、腕を損傷した際の多量出血による出血性ショックによって心臓が止まり魔法で強引に輸血と循環を行う形で延命措置をとっていました。そこからアナタも先日会ったばかりの彼にお願いし腕を繋げて魂ごと呼び戻して貰ったしだいです。ここまでが異常ですが何か気になる点はありますか?」
はい、軽くスルーされた。ねえこれって多分ココロの声聞こえてるよねだから話さなくても伝わってるんだよね。
そんな適当なこと思っていると笑顔の威圧で返されたので渋々気になることを話す。
「固形物はいつから大丈夫ですか!」
これ以外と重要、吐いたときとか固形物を徐々に増やして行くんだけどタイミング見誤るとキツイのよ。だからいつから食べていいか聞かないとね。
「固形物に関してですが今日のところは果物の皮を剥いて擦り下ろしたものを食べて様子見をし大丈夫なら明日の昼食から少しずつ増やしていって大丈夫です。」
ち、肉が食えるのは当分先っぽいな。
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