第1話

俺は暗闇の中にいた。


(ここって子宮じゃね。転生ってこっからなのこっから神経とか発達させないと行けないのかよ。うん、めんどくさい。サボろ。)


奇形児になりかねないことをさらっとやめた。赤子は子宮に居る段階で様々な感覚を鍛え始める。例えばじたばたして動くということで反射神経などの運動神経を発達させる。


サボる

語源であるフランス語のサボタージュ(sabotage)は、日本で使われる「サボタージュ」「サボる」いずれとも意味が異なる。フランス語や英語のサボタージュは、一般的な破壊活動・妨害行為、または、労働争議中の、労働者による生産設備を破壊する行為をいう

ウィキペディアより引用


つまりこの状況でサボるということは情報の謝絶及び自分だけの知識の中で浸り続けることが意味される。さらに言うと身体を全く自分の意志で動かさないこと。リア充を極めたような陽キャではほぼ不可能に近いというか陰キャでもそうそう難しい行為であるがこの男サボりに関しては達人というよりも仙人に近しい実力を持っていた。


(さあ、妄想サボりの時間だ。)


スキル『怠力』発動。


脳演算処理システムの発達、筋肉発達、神経発達を促します。


ちなみにだが俺はこの音声をオフにすることができるらしく新しいこと以外はオフにすることにした。


神経発達をサボること一年未満。


普通の赤ん坊よりも鋭い神経になり筋肉もより発達していた。そして脳の処理速度も並の人間を超えた超人になっていた。


(そろそろ妄想するの飽きたし外に出るか。ん、今生でもついてるから男か。)


サラッと下ネタを言うたが赤子での状態でも確認は間違うこともあるらしい。あとは自分の姿を受け入れられるかなどの疑問もあったのだが問題なく自分の姿、感覚は前世を超えてはるかに強化されながらも脳の処理が確実にかつ容量を残したスーパーベイビーになっていた。


そして外の世界へ


転生して初めての光。


「おぎゃあああ!(眩いぞ!!)」


口から羊水が飛び出し人生初の呼吸を出す。そして誰かに抱かれたのだがその後眠くなり取り敢えず微睡みに身を任せることにした。


(眩いし慣れるの面倒くさいし生きるの面倒くさいからサボろ。)


スキル『怠力』発動。


視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚、神経伝達、魔力感知、病原菌適応、筋力の最適化を行います。


それから数時間後。


(腹減った。けど泣くの疲れるし嫌だな。)


スキル『怠力』発動


視覚、聴覚及び脳の処理を最適化します。


生きるのに無気力過ぎては無いだろうかこの男。


(あれってかもう見えてね。)


通常、数十倍はかかる視覚の確保だが寝ている時間もサボっている時間に該当するため普通の赤ん坊の活動し学習する時間を大いに飛び越えた成長を可能とした。


(あ、メイドっぽいの居る。じゃあ俺貴族の家の人間かな。ん、あれが乳母かな。)


自分の目の前にメイド服を着た若くも大きな乳房を持っていたマスクをかぶった人物を見てそんなことを思っていると何やらお姫様らしきドレスを着た若い娘がこちらに近づいてきた。


「---------」


何を言っているのかわからないがメイドが止めようとするのを振りほどき乳房をさらけ出しこちらに差し出した。


(ご飯)


今の自分に性欲はなく食欲のために貪った。味は中々に甘くて美味しかった。


(言語覚えないとわからないんだろうけど聞いて覚えるのめんどくさいしなあ。めんどい寝よう。)


スキル『怠力』発動

言語の取得を最適化します。


うん、このスキルいい仕事をする。さあ楽して異世界ライフを堪能するぞ!

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