ファストフードをまったり食す
鶴崎 和明(つるさき かずあき)
マックのごはんバーガー
繁忙期も終わりに差し掛かった中で、ドライブスルーに寄る。
思えば、マックにはチキンクリスプバーガーのセットがなくなってから、足が遠のいた。
高級路線に腹が立ったというよりも、気軽に腹を膨らませる手段を奪ったということに腹が立った。
金額の多寡や外野の声よりも、私は腹の虫に正直であった。
それが、久方振りの夜マックである。
モスのごはんバーガーとの違いが気になると同時に、高級路線というものがどのような味であるのかを確かめたいという好奇心は私を人形にした。
ひもから吊るされ踊りだしたピエロは、セットを買い、ウィスキーソーダを作る。
そして、唸った
フレンチフライに伸びる手が止まらない。
店で食べる姿とは変わっているが、この塩味は酒を進める。
序章のアンダンテは名作の証拠だ。
が、次に異様なフォルテッシモが続いた。
照り焼きライスバーガーは楽しさを携えて去来し、ナゲットのマスタードは規律を伴って至る。
ウィスキーソーダを二杯飲み干す頃には、全てが胃に収まっていた。
程よい満腹感と寂しさが残る。
ああ、これがマックであったと頷いて、私は床に就いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます