ファストフードをまったり食す

鶴崎 和明(つるさき かずあき)

マックのごはんバーガー

繁忙期も終わりに差し掛かった中で、ドライブスルーに寄る。

思えば、マックにはチキンクリスプバーガーのセットがなくなってから、足が遠のいた。


高級路線に腹が立ったというよりも、気軽に腹を膨らませる手段を奪ったということに腹が立った。

金額の多寡や外野の声よりも、私は腹の虫に正直であった。


それが、久方振りの夜マックである。

モスのごはんバーガーとの違いが気になると同時に、高級路線というものがどのような味であるのかを確かめたいという好奇心は私を人形にした。


ひもから吊るされ踊りだしたピエロは、セットを買い、ウィスキーソーダを作る。




そして、唸った




フレンチフライに伸びる手が止まらない。

店で食べる姿とは変わっているが、この塩味は酒を進める。

序章のアンダンテは名作の証拠だ。


が、次に異様なフォルテッシモが続いた。

照り焼きライスバーガーは楽しさを携えて去来し、ナゲットのマスタードは規律を伴って至る。


ウィスキーソーダを二杯飲み干す頃には、全てが胃に収まっていた。

程よい満腹感と寂しさが残る。

ああ、これがマックであったと頷いて、私は床に就いた。

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