第218章 どん底だから

 もし、本当にどん底があるのだとしたら。

 あがるよりも沈んだ方が早いのかもしれません。

 そのまま、沈み込む、沈み込む。






テツガクちゃん

 どん底だから、沈むだけ。

 どん底だから、沈むだけ。

 どん底だから、沈むだけ。


 さあ、肯定さんもご一緒に。



肯定

 ちょっと待って!

 どん底だから、あがるだけじゃない?

 

 ザ・クロマニヨンズさんの『どん底』を歌いたいんでしょ?



テツガクちゃん

 替え歌ですよ。

 たしかに、どん底ですから、あがるだけです。


 ですが、本当にどん底なら、沈んだ方が早いじゃないですか?



肯定

 早い!?

 

 ……。

 …………あっ、そうか。


 沈んだ、その先で。

 底もぶち抜けたら、新しい世界があるのかも知れない。

 

 違う世界に行く、という意味では早いのかもね。



テツガクちゃん

 きっと、早いです。


 安易にあがって。

 既に知っている、もとの世界に戻る。

 それは、ほんの少し勿体ないじゃないですか。


 せっかくなら。

 沈んだ、その先で。

 どん底の果てを越えた、新しい世界を覗いてみたい……。


 そんなわがままさです。



肯定

 凄くWAGAMAMAだね。


 そんなA4Bなガクちゃんが好きだよ。

 もちろん、BHCも好きだけど。

 今は、ガクちゃんが気づいた、その世界を一緒に覗いてみたくなったよ。


 終わりなき午後の冒険者が上の世界なら。

 始まりなき午前の冒険者は下の世界。


 そんな夢の中へ。

 行ってみたい、と思いませんか?



テツガクちゃん

 思います!

 歌う不死蝶さんもゴキゲンに歌っていそうですから。


 あなたはどうですか?

 午前と午後。

 探し物はどこにあるような気がしますか? 


 



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それでは、また次の機会にお会いしましょう。

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