ジューンベリー

 季節を書いていないのは、二度、運が良ければ三度、楽しみがあるからです。

 日本在来種ざいらいしゅをザイフリボクといい、その仲間でアメリカ原産げんさんのものをジューンベリーといいます。

 昔、地元の役所で、住民に配られていたものですが、馴染なじみがないので誰も手を出さないらしく、係の人がわざわざ、説明写真を壁にっていました。

 確かに、街でもあまり見かけません。

 うちは鉢植えなので、ニメートル弱、地植えにすると、もっとずっと高くなるらしいです。

 他の花に先駆さきがけて、細い花弁かべんの白い花を、枝いっぱいに咲かせます。

 葉が出てくるのはその後です。

 六月頃、赤い実が成ります。実はほんのり甘いですが、こまかいタネがいっぱい入っているので、観賞用かんしょうようです。食べようと思えば食べられます。ジャムにする人もいるそうです。

 鳥の好物こうぶつです。

 うちは絶対、鳥なんかにやらない!と、固く決心しているかたは、鳥よけのあみかぶせるといいでしょう。

 夏の日差ひざしは苦手にがてです。日陰ひかげほうがよいでしょう。

 群生ぐんせいにしたいかたは別として、しつこいは、見つけ次第しだいんでください。

 秋になって、木が夏の暑さでバテていなければ、美しい紅葉を見ることが出来できるかもしれません。き通るような赤(黄になる種類もあるそうです)は、心に残ります。

 昔、友人がニューヨークの郊外こうがいに住んでいて、秋、訪ねていったことがありますが、忘れられないながめでした。緯度いどが高く、寒いので、色づく木々の赤や黄が素晴すばららしいんです。

 一本の木で、三つの季節を楽しめる、おすすめです。

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