ちんこNo.1

DENNY喜多川

第1話 ブタ

 私、動物が大好きな女子高生! 今日も動物園に来てるの。うーん、元気な動物たちを見てると、生きてるって感じ!

 あれ、空から光が降ってきた。私に当たって……私、空に持ち上げられてる!? まさかアブダクション(宇宙人による誘拐)!? それともラプチャー(神によって肉体ごと天に召されること。携挙)!? 私、どうなっちゃうの!?



 目を覚ますと、何だか光ってる人が私を見下ろしている。えっと、エイリアンですか? それとも神様!?

「神様の方じゃ」

 それで、私のような普通の女子高生に、どういったご用ですか?

「近頃、人間があまりに調子に乗っておるので、滅ぼすことにした」

 ええっ!? ちょった待っていただけませんか!? 人間は……

「そこで、人間に代わる地球の覇者を決めねばならん。だからこいつらを集めた」

 神様の後ろから、ぞろぞろと全裸のイケメンたちが出てきた。でも、彼らのペニスは……

「そう。あらゆる動物たちの代表に、人間の姿を取ってもらった。ちんこ以外な」

 ちんこはそのままって、神様、まさか……

「そう。お前さんを孕ませた者が、次の地球の覇者じゃ」

 ちょちょ、神様、私、まだ処女なんですけど!?

 しかしイケメンたちは、欲望をギラギラとむき出しにして、私に迫って来る!

 私が動けずに震えていると、動物たちの中から、一人(一匹)が進み出てきた。あのちんこは……!

「一番手はこの俺だ」

 ドリル状の禍々しいちんこがうなる。ブタのちんこだ。あ、あんなドリル状のちんこでぶち抜かれたら、まだ処女の私は死ぬ。普通に死ぬ!

「抜け駆けは許さんぞ!」

 後ろにいたイケメンたちが、ブタを取り押さえようとする。だがブタは不敵に笑って

「これでもくらいな!」

 ちんこを握ると、激しく射精した! その射精はいつまでも止まらず、あたり一面を泥濘に変えていく。足を取られて、イケメンたちが転ぶ。

 そう、ブタの射精は、一度に缶コーヒー一本分。擬人化したことで、その能力が強化されている。しかし、オスブタのちんこの本当の恐ろしさは、ここからなのだ!

「これでどうだ!」

 射精を終えたブタのちんこは、今度は大量の粘液を吐き出しはじめた。立ち上がろうとしたイケメンたちは、その粘液に絡め取られて、動けなくなっていく。

 ブタは射精後、ちんこから大量の粘液を噴射して、メスの生殖器にフタをして、他のオスの交尾を妨害するのだ!

「覚悟はいいかい? お嬢ちゃん」

 ブタが私に迫って来る。まさにその時!

「うっ!」

 ブタがパタリと倒れた。恐る恐る近寄ってみると、息をしていない。神様が言う。

「あー、言い忘れてたけど、孕ませるのに失敗したら、その場で死ぬから」

「えー!?」

 まだブタの粘液から逃れられずにじたばたしながら、イケメンたちが抗議の声を挙げる。私はそのスキを見逃さず、走ってその場を逃れた。

 人類を救うには、私が逃げ切るしかないのだ。



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