第4話・偉人世界
「働く?!」
「当たり前だろ!働らかざる者食うべからず……っと!」
武蔵坊弁慶は歴坊を前に強引に押した。
「ちょっ!!押さないで下さい!」
「押すな。押すな。は押しての…」
「合図じゃないです!」
「そう……キレるなよ……」
弁慶のいう機密組織の内部に入る前に一悶着あったのだった。
内部は外部と同じく近代的なつくりであり、長い通路が続いていた。
「目的地まで時間かかるからこの世界、そして、俺たちのことを教えてあげよう」
「お願いします。」
歴坊はさっきとは違い、真剣な顔立ちだった。
「この世界は年号?と呼ばれるものは無い。」
「本当に僕の知る世界じゃないんですね。」
「あぁ。一つの時代に沢山の”偉人”がいる。」
歴坊は自分の世界の事やら沢山の時代・年号があり、”偉人”が存在していることを事細かに話した。「……ってことです。そうか……やっぱり……弁慶さんみたいな凄い偉人がこの世界にこの時代に沢山いるんですね!!」
歴坊は声のトーン高く、目を輝かせた。
「俺みたいな凄い偉人か……照れるぜ。」
「じゃあ、弁慶さん”のぞく”凄い偉人ですね。」
「俺も偉人だぞ!尊敬しろ!」「充分尊敬してますよ。弁慶さんいなければ僕は……ありがとうございます……」
歴坊は照れて言葉を失った。
走行しているうちに
「そろそろ目的地だ。緊張しているみたいだが大丈夫だ。」
そういうと弁慶は一つの扉の目の前に手をかざした。すると、扉は開き、明るい光が徐々に漏れだした。
「ここが俺たちの職場だ。」
突如、弁慶の頭に向けてダルマが飛んできた。
「うぎゃあぁぁぁ!!」
弁慶は突如現れたダルマを頭にくらい、豪快に後ろに倒れた。「あっ!ハゲだ!」
「誰が……誰がハゲだ!!」「ヒィぃぃー」
歴坊は弁慶の思わぬ早い復活に驚いた。
「歴坊はうるせぇ!!耳の近くで叫ぶな!!」
「ハゲが一番うるさいよ。」
そう言ったのはさっきダルマを弁慶の顔にぶつけた犯人らしき女の子だった。
「女の子!!」
「ん?歴坊。お前……顔赤くなってるぞ。」
歴坊は臆病な上、人見知り、その上、異性が特に苦手だった。
「顔赤くなってる!ダルマさん!」
女の子は緑の髪の毛、オレンジの瞳、何故か猫髭生やしていた。「ダルマじゃねぇよ。コイツは歴坊だ。」
「変な名前~。」
歴坊はまだ顔赤く、頭にヒヨコが回りそうだった。
「名前名乗ったらどうだ。」
「ハ~イ。私はナイチンゲールにゃー。宜しくワン。」
「ナイチンゲール?!」
歴坊は突如回復し、また驚きを隠せなかった。
「何奴!吾輩のことを知っておるのか!」
「何奴?吾輩?」
「コイツ、二次元だから。」
歴坊はちょっと2次元なナイチンゲールにガッカリした。
「まぁ色々コイツの話は後で話す。それより……人がいねぇな。」「まぁねぇ。みんな仕事行ってるのでアリンス。」
「そうでアリンスカ……」
「移ってるぞ。口調。」
思わず歴坊の口調がナイチンゲールから移ってしまった。
「人はいないが……とりえあえずここで”異能力”について話すか……」「異能力?!」
再び声のトーンを下げ、この世界の理の一部を話すことにした。
「熱っ!!」
ナイチンゲールの出したお茶の熱さにに弁慶は驚いた。
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