第2話・パラレルワールド
「それにしてもよぉ。お前見た目から変わってるよな。」
そう武蔵坊弁慶が口にしているが、あの後、容姿と似合わないお洒落な喫茶店で色々話すことになった。弁慶がそう口にしたのは明らかで、少年の頭にはヘッドホンをそしてその上には右側だけ帽子をかぶっているからだ。でも今は喫茶店の中で人も並にいるので外していた。それだけではなかった。
「おい、坊主。お前の髪色オレンジはまぁいいとして、なんで所々青線入ってるんだ。お洒落だと思ってるのか。」
「ほっといて下さい!髪の毛無い人のセリフですか!それに第一話最後なんかシリアスなムードだったじゃないですか!」
「そこに触れたら原作者さんに怒られるって。」
とここで周りのお客さんにジロジロ見られてることに気づいた。
すると弁慶は咳払いをし、頼んでいたコーヒーを一口飲んだ。
「取り敢えずなんか気になることあるか。」
唐突のスイッチの切り替えで少年はすぐには反応出来なかった。「その…今令和何年何月何日ですか?」
すると周りが急に静まった。「もっと小声で話せ。令和?なんだそりゃ?」
「令和ですよ。令和!年号ですよ!」
「年号だと?お前は…」
「バカじゃないです!」
「たまに…お前…反応早いよなぁ…」
「なんなんです!名前も忘れる。変な能力見るは、それに年号を知らない?」
すると弁慶は真面目な顔になった。
「やっぱり…信じ難いがお前はこの世界の住人じゃないかもしれねぇな。」
「パラレルワールド…」
少年はそう呟いた。
「そうだ!パラレルワールドだよ!」
「五月蝿いです!!」
また他のお客さんにジロジロ見られていた。
「ふむ。じゃあこの世界にどうやってきたのか、どうしてきたのか分からないのか?」
「そうですね…」
少年の目の前にはとんでもないことが今起こっていることを悟った。
「お前の手助けをしてやろう。なんだか面白そうだしな。」
「本当ですか!?」
すると大声だったので一人のおじさんにコーヒーをぶっかけられてしまった。
「場所移動しますか…」
「これから俺ん家で話そうか。」「そうします…」
太陽は鎮まりかけ、少年が頼んだオレンジジュースはぬるくなっていた。
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