冒険者ギルド




裕太はケティルに連れられ暫く歩き冒険者ギルドにたどり着いた。

 冒険者ギルドは町の中心に位置しており、木像二階建ての大きな建物で何処か古めかしい感じを漂わせている、入口付近では冒険者らしき人物達で賑わっていた。




「ここが冒険者ギルドだよー」



ケティルは呑気そうに語る。




「へぇーこれが……」


「まずは冒険者登録をしに行かないと、じゃないと今日の宿も確保できないからね」




ケティルはそう言うと裕太を連れてギルドの中に入る。

 中は椅子とテーブルが並べられており冒険者達が談話していたり、酒を飲み交わしたりしている、イメージとしては汚い酒場と行ったところだろうか。

 そんなギルド内の中を突き進み二人はカウンターへと場所へ行く。




「ちーす、新人を連れてきたよー、冒険者登録よろしく」



ケティルはカウンターに立っている受付嬢に話しかけた。




「あ、ケティルさん、また新しいお方を連れてきたんですか?」


「まあねー」


「それじゃあ、この紙に名前と実績の方をお書きください」




受付嬢はそう言うと裕太に一枚の記入欄が書き込まれた紙と万年筆を渡してくる。




「これにてきとーに書いといて」

「わかりました」

「ちなみにこの紙には嘘封じの魔法が込められており虚偽の内容を書かれますと紙が焼失するので気お付けてください」

「偽造防止の対策ですか」

「はいそう言うことになっております、まぁ嘘書いたとてメリットは無いんですけどね」




裕太は紙に上野裕太と本名を書き込んだ、何故か不思議なことにこの世界の言葉を書けるようになっていた、これまた御都合主義というものであろう。



続いて年齢を書き込んでいく。



そして最後実績と言う項目だけが残った。



(実績って何書けばいいんだ? これまでの経歴とかか? でも違う気がするしな、うーむ)



何やら困っているのを察したのかケティルが話しかけてくる。



「実績ってあれ書けばいんだよー、素手でゴブリンの群れを倒したとか」


「あー、そう言うことを書けばいいんですね、わかりました」




裕太は最後の項目に素手でゴブリンの群れを撃退と書き込む。




「とりあえず書き込みましたよ」



裕太は受付嬢に紙を渡す。




「ありがとうございます、ギルドカードを制作しますので暫くお待ちください」




受付嬢はそう言うと紙を持ち裏方の方へ向かっていく。 



「たぶん直ぐに戻ってくると思うよー」

「冒険者の登録ってこんなに手早くすむものなんですか?」

「まぁね」



裕太は色々と長々しい文章を書かされると思っていたのが以外と直ぐにすむのもで驚きを覚える。  




「ところでお兄さん改めて裕太……」

「ケティルさんどうしました?」



「せっかくだし冒険者の登録がすむまで私と決闘しない?」




ケティルは何処か不気味な笑みを浮かべた。

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