英雄と書いて〈ヒデオ〉という名の男の英雄譚
ひろみつ,hiromitsu
我らが英雄、いざ出陣
ヒデオは英雄だった。ヒデオの名は「英雄」と書いてヒデオと読むのであり、かつ、実際に英雄、つまりヒーローだった。
ここではヒデオの名を、漢字表記の「英雄」と書くと、この物語で頻出する、ヒーローを意味する〈英雄〉というワードと混乱するので、あえてカタカナ表記の「ヒデオ」とする。そう、「ワタナベ」みたいにね。
ヒデオは鎧に身を包み、剣と盾を手にして、悪党征伐の旅に出ましたとさ。アーサー王のような、いや、むしろ、ドン・キホーテのような感じで。この現代の日本で。鎧も剣も盾も、鉄板を持ち前の板金技術でそれっぽく作っただけのもの。
しかしながら、彼自身は完全に、中世ヨーロッパの騎士のマインドであった! そのバカさ加減は、現代のドン・キホーテ。あな、恐ろしや!!
一人暮らしの味気ないアパートを出て、薄っぺらい鉄板のせいで、ガシャガシャというよりキーキー耳障りな音を立てながら、生き勇んで時速2㎞ほどで歩んでいく。剣と盾を持った両手を前に突き出したまま。かなり歩きづらそうに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます