インソムニアキル 誕生編

鷹山トシキ

第1話 変な夢

 有田浩正 冒険者・兄

 有田菜々子 妹

 上戸有紗 小説家

 中村涼香 刑事

 木村智充 刑事

 松坂清子 教師


 広瀬花江 派遣営業マン

 脇大貴 食品会社社員

 吉岡涼介 ケアマネジャー

 川口真美 いじめ軍団A

 中島涼真  B

 松山勇太 C

 中尾実 D

 千葉源二郎 老人ホーム施設長

 有田幸四郎 刑事

 原田顕 刑事

 柏田徹 チェーン工場社員

 溝端健治 学習塾社長

 安斎要次 プロモーター

 葛城圭 主犯

 椎名多江 共犯

 

 2020・1・7

 警部補・木村智充は、ある時、周囲の裏切りなどによって悪徳警察官の汚名を着せられ、社会的に地位を失おうとしていた。出所後、木村は藤堂竜二と名を変え、自分を陥れた同僚の原田顕、介護ヘルパーの吉岡涼介、自分を裏切った恋人の広瀬花江らに対し、復讐を誓う。そして、自分が転落するきっかけとなった事件の裏に潜む悪と対決することとなる。


 浩正は夢を見た。

 アリタヒロマサはゾンビを追いかけていた。ゾンビはマツヤマユウタの喉笛に喰らいついた。


 婚約者を殺された捜査官の原田顕が、犯人の連続殺人鬼を追い詰め、壮絶な復讐を行う。


 2020・2・14

 川口真美の水死体が荒川で見つかった。真美は高校時代の浩正の同級生で、原田と婚約していた。


 2020・3・5

 ヒロマサは古城にやってきた。巨大な蛇が父親に襲いかかった。

 

 2020・3・6

 つくば警察署の原田刑事は、相棒刑事の有田幸四郎を幼馴染の葛城圭に白昼堂々、家族の目の前で惨たらしく射殺される。復讐に燃える原田は、執念深く街中を捜索し葛城を追い詰めてゆく。


 浩正は中学時代、中尾からカツアゲされていた。そんなこともあってか、夢の中でナカオミノルはジェイソンに斧で顔面を潰されて死んだ。

 

 キックボクシングの日本チャンピオンとなった中尾実は、プロモーターの安斎要次からの勝利すれば高額賞金を得られるという誘いに乗り、闇格闘界のテコンドーチャンピオンである柏田徹と対戦することになった。しかし、中尾実は柏田の圧倒的なパワーの前になす術なく敗北、そのまま死んでしまう。


 目の前で恋人の死を目撃した上戸有紗は、復讐すべく銃を手にして柏田の道場に潜入するが、失敗に終わる。

 有田浩正はチェーン工場に派遣されていた。柏田徹は派遣先の先輩で、日常的にパワハラを受けていた。

 浩正はリング上で復讐を果たすことを決意、柏田を指導した伝説の武道家・藤堂竜二の門を叩く。だが、藤堂の特訓は想像を絶する過酷なものだった。それでも浩正はその特訓を耐え抜き、ついに柏田との決戦に臨む。


 ヨシオカリョウスケはスプリガンに追われていた。スプリガンは、イングランド南西部のコーンウォール地方に伝わる妖精の一種。 極めて醜くずんぐりしたドワーフの姿をしている。


 主にクロムレック(環状列石)、古代の砦、人里離れた田舎の家に住み、そこで財宝を守っているとされる。 宝の埋蔵地の管理者であり、非常に醜く狂暴だが、他の妖精の護衛役もつとめる。 普段は小柄な姿だが、体の大きさを自由に変えることができ、戦う時には巨大化して巨人となることができる。


 自分の領域に入ってきた人間には危害を与え、またイングランド妖精の常として、盗みなどの悪さもする。 取替え子(チェンジリング)を行い、嵐をもたらし農作物を枯らすとされている。 古代にコーンウォール地方で暮らしていた、巨人達の幽霊であるとも言われる。


 ある逸話によれば、ある男が丘の上の財宝を突き止め、月夜の晩に鋤を持って掘り起こそうとすると、すぐに大嵐がおこり雷に照らされた何百ものスプリガンが岩陰から表れ、近づくにつれ膨らみ巨大化し威嚇したという。それに恐れおののいた男は逃げ出し、それ以来二度とそこへは近づこうとはしなかったという。

 

 ヨシオカリョウスケ、マツヤマユウタ、ミゾバタケンジの3人は15年前、中学3年生のときに浩正をいじめていた。パンツを脱がしたり、激辛カレーを食わせたり。


 椎名多江と脇大貴は幼いころから将来を誓い合った仲だったが、指輪交換の直前に、大貴は何者かに撃たれて殺されてしまう。多江は冷たくなったフィアンセの指から指輪を抜きとり、復讐を誓う。


 その日、役場の向かい側の建物の一室に、5人の男が集まっていた。彼らは狩りと女が好きな独身男であるという以外は何の共通点も持たなかったが、ときどき集まって遊びやおしゃべりに興じるのだった。酒に酔った勢いで、野良猫を撃ついたずらを思いついたが、誤って花婿を撃ってしまった。5人は一目散に逃げ出し、二度と会うことはなかった。


 多江は5年かけて男たちの居場所をつきとめた。1人目の吉岡涼介はテラスから突き落とし、2人目の松山勇太は薬の入った酒を飲ませて毒殺した。3人目の溝端健治は狭い物置に閉じ込めて窒息死させた。溝端は死に際に、実際に銃を撃ったのは柏田徹であることを白状した。多江は娼婦を装って柏田のもとを訪ねたが、柏田は別の事件で逮捕され、目の前でパトカーに連行されてしまった。

 

 中村涼香って女刑事は吉岡・松山・溝端殺しのホシを追っていた。

 涼香はひとまず諦め、松坂清子のもとに向かった。彼女は中3のときの担任で、今は情報屋として暗躍していた。


 多江は3人を殺害した報酬として巨大化させる魔術を覚えた。


 2005・6・6

 N中、3年5組、朝会のあとで、有田菜々子が静かに語り出す。「わたしの兄は、死にました。警察は、事故死と判断しました。でも事故死ではありません。このクラスの生徒に殺されたんです」


 兄を殺した犯人は2人いるが名前は明かさず少年Aと少年Bとしますと述べ、少年Aがナイフによって兄を殺害したこと、居合わせた少年Bが兄をプールへ投げ入れたこと、その事実を警察へ伝えて蒸し返す気はないことなどを語る。名前は伏せられていたが、生徒達には少年Aは中島涼真、少年Bは松山勇太であることは明らかだった。

 中島涼真は脇大貴を殺した5人組の1人だ。

 中島と松山はインフルエンザで休んでいた。菜々子は兄のクラスの担任、松坂清子に罪深き2人の住所を教えてもらおうとするが、清子は「個人情報だから」と一蹴する。

 

 中島は、以前、浩正に小柄であることを馬鹿にされ、不満を持ち逆恨みしており、そのために浩正を標的としたのだった。菜々子に真相を問われた際にはあっさり犯行を認め、「いじめられてたのはこっちなんだよ」と、悪びれない素振りを見せていた。


 上戸有紗は有田って少年が死んだ事件をモチーフに書こうとしていたが、熱に魘されていた。

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