第168話愛のカタチ

朝、目覚めるとミナキの可愛い寝顔。

それを見ると幸せな気持ちで心が温かくなる。


俺達、結婚したんだ。


形式的な関係なんて必要無いと思っていた。

家族なんていらないと思っていた。

独りで良いと思っていた。


不思議・・・。


今、凄く嬉しくて仕方ない。


「んー。おはよぉ。」

ミナキがまだ眠そうな顔で俺にキュッと甘える様に抱きつく。

「おはよ。」


「ミナキ。大好き。」

そう言って目覚めのキス。

甘くて蕩けそうになる。


「ミナキ。俺ね。お前と家族になれて本当に嬉しい。」

ギュっと抱き締めてミナキの頭を優しく撫でた。


「ミナキに逢う迄、人を愛する事も愛される事も一生無いと思ってた。家族なんていらないと思っていたよ。」

優しく耳元で囁く。


「ミナキに逢えて本当に幸せ。」

ミナキを見詰めてまた優しくキスをした。


「俺が沢山、笑う様になったのも。沢山、話す様になったのも。全部ミナキが愛してくれたから。」


「ウェン。俺はウェンの存在だけで幸せ。」

嬉しい事を言ってくれる。


俺はミナキの愛がオーラとなって見える。

でも、ミナキは見えない。

だから。沢山、言葉と態度でこれから表して行こうと思っている。

それが不器用な俺の愛のカタチ?かなあ。


「愛してるよ。」

耳元で優しく囁く。


昨日よりもまた好きになる。本当に大好きだ。


日々、愛は更新されていく。


今日よりも明日。明日より明後日と。


毎日、伝えていこう。



・・・・・・・・・・


朝、目を覚ますとウェンが居て。優しいキスをしてくれて。


本当にウェンが好き過ぎる!!


俺の旦那様はウェンだぞー!!

と世界に向けて叫びたいくらい自慢だ。


出勤前にまたイチャイチャして。


「そろそろ仕事行くか。」

ウェンが残念そうな顔をする。


「また夜にね。」

チュッと俺からキスをする。


「そうだね。んー!今日は何処の国へ視察かな。」

ウェンは起き上がって伸びをしてから服を着始める。


「さあ?視察国って結構、早い者勝ちだよね。」

基本的に今、2人~4人で色んな国の情勢を視察している。


駆除屋は異世界人とこの世界の異能者との争いが無くなったので当初赤字になりそうだった。

マフィア同士の抗争もしょっちゅう起こる訳では無いし。


現在は駆除屋の皆さんも政府の仕事を手伝ってくれている。


「ウェン、ご飯食べたら出勤するよー。」

「うん。行こう。」





視察でマフィアと対立する事もある。そんな時はバトルもあったり。

俺は基本的に護りなんだけど。


今でも初めて結界を張れた時の事を思い出す。


ボスが付けてくれた変な名前。


――結界都合のいい男――


カプリスにとって都合のいい男かあ。


今ではすっかり政府にとって?

この世界にとって?


この世界の平和の為に。


俺は都合のいい男なのかもしれない。



皆を護ること。

愛する者を護ること。


それが俺の愛のカタチ。




・・・・・・・・・・・


(本編最終話です。今迄、読んで頂けて幸せです。本当にありがとうございました。もう少しボスとシアンとかハーミット様とかの新婚話を書きたいと思ってまして。次回から番外編!とします。まだお付き合い頂けたら宜しくお願いします!)

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