第157話ラストバトル その2
「オーガ。さっきの宜しくな。後は遠隔発動出来るやつから行こう。」
ボスが確認する様に俺達に向かってそう言った。
間もなく5分。次のエメリヒの攻撃が来る・・・。
「ビクターは念の為もう一度無音発動。ガブリエルも催眠と睡眠を。えーと!違うな!」
「最初は私でしょ?」
社長に言われてボスは落ち着いたのか笑みを浮かべた。
――
再発動された社長の異能は疲れまで取ってくれる感じ。後からグッタリしそうだけど。
「さあ、滅びの時間だ。」
エメリヒが構えた。
「みんな!行きます!!」
オーガも構えた。
――ブラックホール――
黒い闇がポッとエメリヒの前に現れた。
――
オーガの異能破棄と俺の結界を合わせた様な異能。
異能完全封印・・・。
暗闇のブラックホールはそれを上回る光に包まれて消滅した。
「出来た・・・!!」
オーガが叫ぶ。
そして俺は戻って来た白虎と共に
――
「まさか?!私の暗黒エネルギーが?」
初めて焦りの表情を見せるエメリヒに畳み掛ける様に異能を発動させた。
――
――
一瞬クラりとエメリヒはしたがやはり催眠は効きが悪い。
「行きますよ。」
――
「俺も行くよ。」
――
「俺達もやるぞ!!」
――
――
「凍れよ!!」
――
爆音と爆風が結界の外へ轟音と共に流れて行った。
「迷うな!!行くぞ!!」
ボスがそう言った。
エメリヒは効いているのか効いてないのか。
でも、顔はさっきより余裕が無い。
ボスとシアン、ゼットとハーミット様、社長とバックスレーさん、リョウとリュートがそれぞれペアで交代で仕掛けて行く。
――
シアンの剣の鞭はエメリヒに捕まれた。
「クソが!」
ギリッと握りシアンと対立するエメリヒ。
――
エメリヒの背後からボスの大鎌が刺さった。
「グッッ!!」
初めて苦痛の顔を見せた。
「この!愚民共がぁ!!」
エメリヒの気の風圧で2人は吹き飛び壁にぶち当たった。
「参るねー。ちょっとは効けよ。」
大鎌によってのダメージは刺された部分だけ。
「本当に鍛え過ぎね!」
「ガタイは大した事無いのにな?」
社長とバックスレーさんの攻撃はさっきより当たりが良い。
重力で少し動きが鈍った様に見える。
バキッ!!ドカッ!!
エメリヒは2人の拳を受け止めギリギリと握り潰しにかかる。
「やらせへんで!」
リョウの背後からの剣で2人の手を離しエメリヒは飛び退いた。
「行きます!!」
――リュート流・一本背負い――
技はしっかり決まったが着地されてしまう。
――
ヴェガの手が腹部を捉えた。
が・・・その手は掴まれる。
「ほう?これが脳内チップを取り出す異能か?」
「グッ・・・。離せ!!」
――
――
慌てた様にディードとジハードが異能を発動するがエメリヒはヴェガの手を離さない。
「クソ!!はな・・・せ!!」
今にも折られそう。
その時だった。
獣人化したゼットがエメリヒの肩に食いついた。
「獣人?!」
エメリヒは少しばかり驚きの顔を見せる。
「ゼット!やるぞ!!」
ハーミット様の動きが速い。
エメリヒの動きを読みながら剣を繰り出しゼットはそれに合わせて攻撃をする。
――
――
「イマイチ効かないなあ。」
バニラさんも遠隔で何とかエメリヒの能力を抑えようとしている。
エルーカさんは武器を創造した。
「いっくわよー!!!」
どデカいバズーカ砲を肩に乗せ勢いよく放った。
ドッカーン!!!と激しい爆音と爆風。
見事に壁まで破壊し風穴を開けた。
外からの風が27階フロアの殺気を打ち消すかの様に吹いた。
「死なないわね。」
それでも、エメリヒは生きてる。
服はボロボロでダメージはある様に見えるが。
「俺もやるか・・・。」
元締めがふぅと溜息を付いて錫杖を鳴らした。
――
悪魔召喚・・。
失敗すると危険なやつ。でも、やるしか無いよね。
悪魔はエメリヒに向かう。
エメリヒは悪魔に襲われながらも抵抗する。
「デビル・・・。不吉な。」
元はカトリックなのかもな。今までの攻撃より恐れている様に見えた。
エメリヒはその悪魔の首さえ絞めた。
「やべぇな。跳ね返るぞ。」
元締めは苦い顔をした。
「護ります。」
結界を強化・・・。
エメリヒのパワーが悪魔に勝った。
召喚した悪魔は敵を倒せないとこちらに跳ね返ってくる。
強化した結界によって悪魔は消滅。
「すまねえ。」
元締めは異能の消費でキツそうだ。
後、少し。もう少し?
エメリヒの体力は底なしなのか?
皆の顔にも疲れが見える。
体術と異能の攻防は更に激しさを増した。
「クソ!」
ウェンの光弾も当たってもダメージは少ない。
「凍らねぇ。」
何度もラズもチャレンジしている。
持っている異能力の差?
このままじゃダメだ。何か・・別の方法が必要・・・。何か・・・。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます