第8話絆される

ドキドキしながらベッドに寝た。

これからするのか。


大きく息を吸って吐く。


「緊張してる?」

シアンが頬を優しく撫でてきて俺の身体はビクッとした。

「してます。」

何してるんだ俺!!とも思ってます。


でも。覚悟を決めたので。


「大丈夫?」

シアンは優しく聞いて来た。


俺は静かに頷きシアンと身体を重ねた。



・・・・・・・・・・・・


まさか異世界で・・。出会って間もない相手とこんな事になるとは・・・。

「ごめん。布団汚したね。」

終わって顔を見ると妙に冷静になり何とも恥ずかしい。


「ん?浄化するか。ついでに君も。」

へ?まだ頭が回っていないんだけど布団綺麗になっているし。俺の身体も・・。フワッと何かに包まれた感じがして。


「何それ魔法?」

シアンはクスクス笑いながら異能の魔法の1つかな。風呂に入れない時に使ったりすると言った。

「異能者の殆どが使える初歩的なやつだから君も使える様になるよ。」


ドサッと綺麗になったベッドにシアンは寝転がる。

「おいで。」

そう言われて素直にシアンの腕に抱かれる。


うーん。腕枕が硬い。脂肪の欠片も無い腕だしなあ。

「シアン?」

スゥスゥともう寝息が聞こえた。


え?寝た?

あの殺人鬼が?!

ちょっと何だよ。俺を信用し切っているの?

満足した様な安心した様な綺麗なシアンの寝顔。


絆される・・・。

快楽のせい?解らない。


本当に1番危険そうな奴と・・・。してしまった。

俺の選択は大丈夫だったのかな。大丈夫だよね?


忘れている記憶・・・。何?

そう自問自答をしているうちに。


俺にも急に来た。睡魔。

多分、次に目覚めたら記憶戻っていそう。


シアン。彼の腕の中で抱きついて眠りについた。

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