男子会。  ネロside

ライラが帰った後、穏やかな空気から冷たい空気に変わった。


「さて、これから男子会をやろ!」


「「「「「は?」」」」」


僕の言葉に五人が口を開ける。


「どうして男子会をやるのですか?」


リトが聞いてくる。


「そりゃあ、こんな寒い空気の中ずっと黙っているのは、無理があるでしょ」


「確かにそうですが…」


困ったように言うレト。酷いなー。


「いやとつぜ」


「さあ、始めるよー!」


「話を聞いて下さい」


「ふふ。僕に勝てるのは、百年速いよ。リン」


「はあ」


「みんな、ライラについてどう思う?」


「「「「「え?」」」」」


見事に声が合わさったねー。仲良しだなー。


「別に変な事じゃないでしょ。僕は、妹みたいに思ってるよ」


「どうしてですか?」


またリトが聞いてきた。


「んー、年下だし、細いし、可愛いからだけど? 今の所は」


「「「今の所?」」」


うわ、リン達が凄い睨んでくる。怖い。


「だっていつか、ライラに恋するかも知れないでしょ。だから、今の所」


「「「そう」」」


「でも、妹は欲しいなー。ねぇ、リン」


「確かに妹は、欲しいですけど」


「だよねー。ああ、ジルやカイが羨ましい。あんな可愛い妹、欲しいなー」


「「「「「確かに」」」」」


これは、納得するんだ。…ライラに会いたい。


「ライラに会いたい」


ぽつり、独り言がこぼれた。


「「兄さん、ライラはこれから王城に住むし、毎日会えるよ」」


あ、そっか。


「ねぇ、レトとリトはライラの事さ、どう思ってる?」


「「それは…その…」」


「どうしたの? 顔が赤いよー、二人共」


「「あ、赤くなんか、ありませんっっ!」」


「いや、私も赤いと思いますよ」


「お、リンもそう思う?」


「はい」


「「だからっっ!」」


本当に赤いよ。


「はいはい。じゃあ、リン達はライラの事どう思う?」


「私は、ネロと同じです」


「アドとアルは?」


「ボクも可愛いと思うよ。凄く」


「僕も、その……」


「おや?アルも赤いね」


「! あ、かく、は……!」


「あれれー、赤いよー。アル」


「凄く赤いですね」


「そ、んにゃ! 赤くにゃいでしゅ!」


「噛んでるよー」


「っ! あううぅ……」


もうそろそろ、やめたほうが良いかな?


「はーい。ライラの事は、一旦保留」


「「「終わった」」」


「あれ? リジューア兄様、お父様に会う約束…」


「「あ」」


会う約束? ライラの事じゃないよね。


「会う約束って、ライラの事? 答えなよ。リン、アド、アル」


満面の笑みで聞く。


「「「……」」」


「黙っていると言う事は、肯定しているって言う事で良いよね」


「「「はい…」」」


「「兄さん、黒いの出てる」」


黒いの? そんなの出してないさ。


「出てないよー」


ニッコリと笑顔で返す。


「「はいはい」」


「んじゃー、僕達はライラとこれから毎日を過ごすから。頑張って。解散!父上達を呼ぼう!」





僕の言葉に皆、解散した。



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