転生令嬢は、喋った。

あれから、三カ月ぐらい過ぎました。


「あう、うあーだうあー」


今、お母様とお人形遊びをしています。

とても楽しいです。


「ライラちゃん、楽しいねー」


「あい! おきゃあちゃみゃ」


あ、普通に喋れました。お母様は、驚くでしょうか?

と言うか、生まれて三カ月で喋れませんよね。怪しまれないのでしょうか。


「ッッッッ!!! ラ、ライラちゃんっ。いっ、今お母様って…」


はい、言いました。お母様って。


「あい! いいまちた! おきゃあちゃみゃ」


「ギル、ジル、カイッ、今すぐこっち、来てー!! ライラちゃんが喋った!!」



◇◇◇



相変わらずの大袈裟。諦めるしか無さそうですね。


何故、公爵家全員いるのかって?


私が喋った。お母様、驚く。お母様、喋ったか聞く。私、頷く。お母様、お父様達を呼ぶ。今の状況になる。



いきなり、ドンッて扉が開くからびっくりしました。そして、ゾロゾロお父様達が入って来ました。


「リリィッ! ライラが喋ったとは、本当なのか!」


「「ライラが喋ったのって本当!?」」

 

そんなに慌てるのでしょうか?

 

「リリィ様っ、ライラ様が喋ったのですか!?」


「みゃいにゃ! どーちてちってりゅのでちゅきゃ!」

 

 「「「「しゃ、喋った!?」」」」


あ、どうしましょう……。 


「ね、喋ったでしょう」


お母様! そこ誇らしげに言う所じゃないです! 普通、生まれて三カ月で喋れません。

早くても一歳半ぐらいです!


その後、親バカ爆発して、収まるまでに長時間かかりました。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る