転生令嬢は、みんなに愛された。
結魔莉<ユマリ>
転生しました(悟り)。
転生令嬢の誕生。(修正済)
ある屋敷の部屋、赤子を抱き抱える美しい女と、二人を慈愛の目で見つめる美しい男がいた。
『オギャー、オギャー』
赤子は手足をバタバタと忙しく動かし、休む暇なく泣いている。
「奥様! おめでとうございますっ。元気な女の子ですよ!」
一人の侍女が美しい男女に笑顔で話しかける。
「ああ、なんて可愛いくて、愛しいの。まるで天使の様だわ」
金髪の女は赤子を愛おしむような目で見つめている。
「その通りだな。まさしく、我が家に舞い降りた天使だ」
銀髪の男も赤子を愛おしむような目で見てそう告げる。
この美しい夫婦に生まれた赤子も、白く天使のように愛らしい。
「そうと決まれば、この子の名前を決めなきゃ。んー、何が良いかしら」
金髪の女は周りを見渡しそう言う。
「じゃあ、この子はライラ。ライランラック・フロート・トリファー」
「ライラ…良い名前ね。これからよろしくね、私達の可愛いライラちゃん」
銀髪の男が赤子の名を告げると、金髪の女も賛成した。
「あうぅ。あうあうあ」
白い赤子は男女に反応した。しかし、赤子なので言葉は聞き取れない。
「「天使すぎる」」
美しい夫婦は真顔で呟いた。
そんな男女を赤子は呆れた目で見た。
◇◇◇
この赤子は、イーリス王国に伝わる、伝説の女騎士団長である。
この赤子は一体、どのような運命を辿るであろうか。それは誰にも分からぬ。
白き幼子よ、幾度となる困難に立ち向かい、愛すべき物を守れよ。
やがて汝が光に導かれし刻、世は
汝が行く末に、幸があることを、
悔いのないよう過ごせることを、
祈りて願おう。
我が身を捧げて。
「…神の悪戯に巻き込まれた哀れな人間の子よ、また会うことを、待ち望んでいるぞ」
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