追加機能

@ns_ky_20151225

追加機能

【このお知らせは製品内に予め記載されていたものであり、外部との通信の結果でございません。詳細と第三者による保証はリンク先をご参照下さい】


 弊社製品をご愛用頂き誠にありがとうございます。


 お客様が『備忘くん(無料版)』(以下、本アプリ)のご使用を開始されてから六ヶ月が経過いたしました。インストール時点からお客様がお考えになった事は全て再現可能となり、物忘れなど無い快適な生活を送っていらっしゃる事でしょう。


 また、本アプリが仕様に記載されていない通信を行っていない事のご確認はお済みと存じます。

 弊社は本アプリにつきまして、お客様個人の記憶を扱うという点、また、インストール先が脳であるという点から、外部との通信は更新等を含めお客様の明示的な許可を必要とするようにしております。


 そのため、冒頭にございますように、このお知らせは一定期間の経過と特定の信号が検知されてから表示されるよう設定されていたものになります。


 さて、お客様におかれましては、伏臥位で枕に顔面を押し当て、「わー」または「あー」と言う無意味な発声を行いながら脚部を激しく動かすという動作及び軽度の自己破壊衝動が度々検知されております。

 これには様々な要因が考えられますが、弊社は研究を重ね、過去の記憶によるものである可能性が最も高いと分析しております。


 この過去の記憶による無意味かつ不安定な発声、動作、衝動の抑制の為、アプリインストール以前の記憶の編集を可能とする追加機能をご案内致します。


 この追加機能を導入する事により、過去の記憶につき、不快な部分や再現したくない箇所の編集が可能となります。それにより、不意の記憶再現による抑制不可能な発声、動作や自己破壊の衝動から開放され、脳をより効率的にご使用頂ける事でしょう(編集はいつでも取消可能です。元の記憶は削除されません)。


 なお、追加機能の導入及び使用は有料となります。特に使用は一件当たり、または時間当たりでの従量課金となる事をご了承下さい(詳しくはリンク先の最新の料金表をご確認下さい)。


 弊社と致しましては、本アプリの使用でお客様が物忘れから開放されましたように、この追加機能により過去の厄介な記憶に縛られる事無く自信に満ちあふれたより良い毎日を送られるようになる事を願っております。


 それでは、今後とも弊社と弊社製品をご愛顧下さりますようよろしくお願い致します。


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