リサイクル
新生活のための引っ越しで、僕はリサイクル業者を探していた。ネットでいくつか検索したけれど、どこも混雑しているようで、引き取り手の見つからない洗濯機と冷蔵庫を持て余すことになったのだ。
やっと見つかったのは、ペットショップのサイトだった。右下に小さい字で、『総重量1キロで五千円。いらない家電、買取らせていただきます』とあった。
半信半疑で連絡すると、すぐに業者がやってきた。女性で、一人だった。
「これなんですが」
と切り出すと、女性は営業スマイルで小脇に抱えていたものを差し出した。犬や猫を入れて運ぶキャリーバッグだった。
「お任せください!」
バッグは無骨で、なかは暗かった。僕がお金を受け取りつつ覗き込むと、2つの光る目が見えた。
業者はやけに厳重な鍵を開けて、言った。
「5秒だけ、目をつぶっててください」
次に目を開けたときには、冷蔵庫も洗濯機もなくなっていた。
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