快晴

死んだ花に水を遣る

叶わない希望を肥料代わりに

散った花びら 返事は無く

虚しさを奥歯で磨り潰す


とうに死んだ時計の針

短い方をつまんで左回りに

戻るすべは ここに無く

後悔がくちびるに刺さる


「あなたの好きなものが好き」

いつまでも耳に残ってる

抱きしめ返せる背中は無くて

いっそ夜に消えてしまいたい


参列するのは喪服のぼくと

毛の長い猫とさりげない花瓶

とてもよく晴れた日のことでした


「ぼくが一番好きなのはね」

いつまでも舌に残ってる

顔を埋めたい匂いはなくて

いっそ枕も殺してしまいたい


泣いているのは喪服の家族と

親友のリコと寂しがりの雲達

とてもよく晴れた日のことでした

とてもよく晴れた日のことでした

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