全種族の頂点へ!!

@ZX10054

第1話 世界一不幸な男の子

これは、世界一不幸な少年の物語である...


「おい!またお前か!これで何回目だ!」


「すいません、わざとじゃないんです」


「わざとじゃない奴がこんなに何回もうちの店に突っ込んで来ないだろ!

商品が汚れるから次突っ込んできたらぶっ殺すからな!亜人風情が!今からお前を奴隷商人に売り払ってもいいんだぞ。こんな汚いけど、少しは金にはなるだろ。」


「ご、ごめんなさい。それだけは勘弁してください!もう石ころに引っかかりませんから。」


「気をつけろよ!ったく、早く行け!お前がいると客が寄り付かないだろ!」


「はい、分かりました」



ここは、ジルドベスト王国。

この国は世界でも技術が発達しているため

人間が住みやすい国になっている。

さらに、この世界には魔力というものがある。

(魔力とは、そのものが持つ魔素の量を現したものである。)

この世界には人間という種族だけが存在しているわけではない。

この世界には、亜人やエルフ、魔獣など、

様々な種族が存在している。

亜人は、魔素を持っていない、そのため、奴隷にされたり、戦争で死んだ者たちを

国まで運び供養するといった役割がある。

エルフは、人間の為に尽くす役割だがとてもプライドが高く、ジルドベスト王国などの、住みやすい場所にしか住まない。

魔獣は、かつて森の奥にあった魔素溜り、別名

エルラルカが爆発し誕生した三体の魔獣の体から

それぞれ二体の魔獣が出てきてそこから増殖していき、今となっては1日に千体駆除しても、

10年以上はかかるほどの数になっている。


と、こんな国にある少年がいた。

名は、アニフ ストロベンジャー (10歳)

種族は"亜人"



「うぅ、またやっちゃったよ〜ほんと、石につまずくとか、運悪すぎでしょ〜」


朝から不幸な事ばかり起きている少年アニフは、

最近できたたった一人の友達の少女

ハナエス ジルドベストのところへと向かおうとしていた。

その時、道の端で泣いている亜人の少女がいた。

様子を見るに近くの神社のご神木に風船が引っかかったらしい。

アニフは、その少女を見過ごせるわけもなく、

「大丈夫?僕が風船を取ってあげるよ!」と、

胸をポンッと叩きながら言った。

すると、泣いていた少女が、本当?と首を少し傾けながら言ってきた。

もちろん!!そう言いながら、アニフは木に手をかけた。

そして、昔から運動神経が良かったアニフは、1分もかからず風船の場所までたどり着いた。

そして、風船に手をかけながら

「風船取れたよ!」と少し自慢気に言うと、

泣いていた少女が、すぐに泣き止み、「ありがとう」と、満面の笑みで言ってきた。

そして、木から降りようとすると、ボキッと

何かが折れるような音がしたと思った瞬間に

アニフの体は2メートルの高さから落ちたが、

風船が下敷きになり、パンッと音とと、風船が下敷きになったときの風船の弾力(この世界の風船は魔力で作られた風で作られているため、一般的な風船よりも硬い)でアニフの小さな体は少し飛ばされた。

すると、それを見ていた少女は風船が割れたことにショックを覚え、引っかかっていたときよりも大きな声でなき始めた。


それを、見たアニフはこう思う。

(あぁ、なんでこんな不幸なんだろう)と

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