第2話

 フィオナはとても退屈していた。

 父親に命じられ、仕方なくストーナー王国の王都までやってきたが、まったく面白くなかった。

 婚約相手だという王太子は、既に数多くの雌の臭いをさせているので、近づかれるのも嫌だった。


 幸い遠くから嫌らしい目で見るだけで済んだが、もし近づいて来ていたら、手加減なしで叩いていた事だろう。

 近づく気が無いのなら、放っておいてくれれば、侍女のコリアンやミリオナと自由に遊ぶことが出来たのに、毎日のように退屈な舞踏会に呼びだされる。

 いい加減領地に帰ろうかと思っていた時に、王太子が嫌な臭いのする女と何やら話し出した。


 自分の名前が出たので、最初は話を聞こうと思ったフィオナだったが、嘘ばかりなので直ぐに興味を失ってしまった。

 食べたい物も食べたし、この国の貴族とダンスを踊るのは父や母に禁止されているし、このままここにても退屈なだけだった。


 この国に来た初日の舞踏会は普通に我慢できた。

 二日目の舞踏会もそれほど我慢が苦痛ではなかった。

 三日目になるも少し退屈し苦痛を感じた。

 四日目にかなり退屈で酷く苦痛だった。

 五日目に耐えがたい退屈と苦痛にイライラした。

 六日目には勝手に屋敷に帰ろうと真剣に考えた。

 そして七日目の今日、退屈を我慢できなくなった。

 大きなあくびをしたフィオナは、そのまま何も言わず表情も変えず、舞踏会場から出ていこうとした!


「なぁ?!

 何をしている、貴様!

 余の話を聞いていなかったのか!

 貴様は背信不貞の罪で糾弾されておるのだぞ!

 黙って逃げられると思っておるのか!」


 王太子には信じられない行為だった。

 今まで罠に嵌めてきた貴族令嬢は、必死て言い訳してきた。

 間違いだと泣いて訴えてきた。

 その訴えをサリバンノアと一緒に踏み躙り、絶望の表情にするのが快感だった。

 無罪を証明しろといって、抵抗できない貴族令嬢を嬲り者にするのが楽しかった。

 さんざん劣情を流し込んだ後、側近に下げ渡し、助けてくれ許してくれと泣きわめく貴族令嬢が、側近達に輪姦されるのを見るのが大好きだった。

 その興奮のまま、サリバンノアと獣のように交わるのが最高の愉悦だった。


 今日もその欲望が満たされると思っていた。

 いや、今回は年端もゆかない幼女といってもいい相手だ。

 その愉悦は今までの比ではないと、心躍らせ期待していた。

 幼いフィオナ嬢が泣き喚くさまを思い浮かべ、前菜のように愉しんでいた。

 いよいよ実際に嬲り者にして愉しもうとしているのに、全く動じないのでは愉しみが半減してしまう。


 幼い子供を嬲る愉しみは変わらないが、せっかくの機会なのだから、最高の快楽を得たいと王太子は考えていた。


「ええい、少々ケガをさせても構わぬ。

 痛い思いをしなければ、自分の罪が分からぬようだ」

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