第67話 神魔級

<称号『知り合った人を必死で助けようとする展開とかあるじゃないですか』を獲得しました[1]>


……?


<称号『で、それで死んだりすると、凄いショックを受けたりするんですけど、あれっておかしいですよね』を獲得しました[1]>


そ……そうか……?


<称号『実際に幾つも国が滅び、何千万人も死んでいる……その事実に対して、1人が死んだ事実は、余りにも軽い……にも関わらず、目の前で1人死んだだけでショックを受けるって、どうなのかと思いますね』を獲得しました[1]>


……言われればそうなんだけど。


<称号『で、そういうギャップとか……あと、実際にショックを受けてるところとか……見ていると、大変美味しい訳ですよ』を獲得しました[1]>


ん?


<称号『少ない労力で、多大な絶望を与えられる……良いですよね、最高です』を獲得しました[1]>


……なんか、性悪神みたいな事を言い出したな、システム。


<称号『……と、例の性悪女神が言ってました』を獲得しました[1]>


おのれえええええええ、神めええええええ!

完全に敵だな、もう。

というか、女神だったのか。


<称号『火鷹ほだか……心中お察しします。私も、アレの行いには、反吐が出ますね。全力でサポート致します。アレを……アレの思惑を、何とか撥ね除けましょう』を獲得しました[1]>


ああ、頼むよ相棒。

見せてやるさ、人間の意地を、な。


できるのならば、思いっきり殴ってやりたい気分だ。

あの糞女神を。


<称号『んんっ……』を獲得しました[1]>


どうした?


<称号『いえ、何でもありません』を獲得しました[1]>


……?


と、ともかく。

あれを倒さなければ……


<称号『気をつけて下さい火鷹ほだか。あの魔物は……神魔級……』を獲得しました[1]>


強いのか?

今殺された人も、相当強かったが……

それをあっさりと。


<称号『今の攻撃は、殺害の概念攻撃』を獲得しました[1]>

<称号『まずは相手を殺した、という結果が先行し、現実がそれに適合する……因果の逆転が生じています』を獲得しました[1]>

<称号『黄金律とか、写像と実像とか、そんな感じです』を獲得しました[1]>


……?


良く分からないが、凄そうだ。

ともかく、躱せないって事か。


<称号『その通りです。古来より、兎と言えば、即死』を獲得しました[1]>


え。


<称号『兎という事は即ち、死の概念そのもの……』を獲得しました[1]>


そ、そうなのか……?


<称号『兎に攻撃を許すという事は、首が落ちると同義』を獲得しました[1]>


兎にそんなイメージは無いのだけれど……。


時間が止まっている間に、とも思ったけれど。

残酷にも、時間が動き出す。


「なっ?!」

「レリック?!」


エメラルドとマリア姫が、悲鳴を上げる。


「気をつけろ。アイツは神魔級の魔物……即死の概念攻撃を使うらしい」


「し……神魔級じゃと?!災厄よりも更に高位の魔物が召喚されているのじゃ?!」


マリア姫の嘆き。

災厄よりも高位なのか。

まあ、召喚師と召喚獣は、召喚獣の方が強くて当然なのだけど。


「貫け、プロミネンス!轟け、エターナルフォースブリザード!」


矢継ぎ早に魔法を行使するが。


シュッ


兎が手を振ると、魔法が掻き消える。


<称号『攻撃を殺した様ですね』を獲得しました[1]>


ちょおおおお?!


「そ……そんな?!」


エメラルド姫が涙混じりに叫び。


「憐れだな、勇者よ。憐れだな、救世の賢者の末裔よ。其方らの実力では、我にとっては、可愛いうさぎも同然よ」


兎が、似つかわしくない、低い声で告げる。

……くそ……俺が勇者という事も既にばれ、エメラルドやマリア姫の事も知られているだと。


というか、兎にうさぎ扱いされた。

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