第31話 メケメコの瞳

「……美味い」


エメラルドが創り出した、美しい世界。

ただの料理に、そんな形容詞が出てくる。

勿論、香りも味も、それに見合ったもの。


「有難う御座います。急に料理が上手くなって……多分、ホダカがやってくれたんですよね」


「まあ、自分には使えなかったからな。仕方がない」


「使え……?」


エメラルドが小首を傾げる。


さて。


#########################


名前:多村たむら火鷹ほだか

レベル:69

 STR:E

 VIT:E

 DEX:E

 AGI:E

 MAG:E

 MEN:E

AS:

 [ 道具作成 Lv.204 ]

 [ 鑑定 Lv.321 ]

 [ 空間収納 Lv.453 ]

 [ 水属性魔法 Lv.268 ]

 [ Empty ]

 ❲ 火属性魔法 Lv.89 ❳

 ❲ 罠設置 Lv.691 ❳

 ❲ 罠解除 Lv.530 ❳

 [[ MAP Lv.73 ]]

PS:

 [ 剣修練 Lv.306 ]

 [ MP回復強化 Lv.531 ]

 [ 最大MP強化 Lv.564 ]

 [ 感知 Lv.619 ]

 [ 高速詠唱 Lv.204 ]

 ❲ 聖剣 Lv.99 ❳

 ❲ 聖鎧 Lv.22 ❳

 ❲ 罠発見 Lv.803 ❳

 [[ 天才錬金術師 ]]

 [[ 業罠師 ]]

リザーブ:

 精錬 Lv.189、薬品調合 Lv.661

装備:

 ミスリルの長剣

 ミスリルの円盾

 ミスリルの鎖帷子

SP:70 [全調合レシピ辞典]

称号:

 おっぱい


#########################


クラスメート達に勝てるステータスでは無いけれど。

マップに色々マークが出るようになった。


エメラルド程度の能力でも、マップに脅威マーカーが表示される。

仲間マーカー、エメラルド固有マーカーとかにも変えられるので、固有マーカーにしてあるけれど。


「そろそろ、おっちゃんに様子を聞きに行くか」


「はい!」


エメラルドが、微笑んだ。


--


「……メケメコの瞳が、ですか?」


エメラルドが顔を曇らせる。


「すまんな。メケメコは、モッサロ火口湖の固有種……奴等が、全滅させたらしい。干物やアルコール漬けなら保存してあるが、生じゃないといけないんだろ?」


「……採取後、2週間以内の物しか駄目ですね……」


おっちゃんとエメラルドが深刻な顔で話し合う。


「空間収納に入れてる奴はいないのか?あれなら時間が止まるだろ?」


「ホダカ……」


「あんちゃん……普通、空間収納なる超常のスキルは持ってないよ。というか、あんちゃん以外に知らないぜ?」


意外とレアだった。


「他はこんな感じだな……一度に運ぶのは無理だろうが」


「有難う御座います」


エメラルドが頭を下げ。


「有難う、おっちゃん」


俺も御礼を言い、素材を収納する。


「……入ったな」

「……入りましたね」


なんか虚ろな目で見られる。

いや、クラスメート達は、多分、もっと凄いぞ。


おっちゃんと別れ、ホーム?へ。

エメラルドが、困った様に、


「メケメコの瞳が入手できなかったのは痛いですね。もともと、召喚者達に集めるよう指示を出していたので、私が必要としていると悟ったのでしょう。先手を打って全滅させたのだと思います」


「あいつら……」


「封印に用いる薬は作れそうですが、グネディアを探す為の薬が作れません……どうすれば……」


エメラルドが膝をつく。

あのおじいちゃんか。


「とりあえず、封印する薬の方を作ろう」


あのおじいちゃんは、ブロマイドを頼りに探せば良い。


「……そうですね、少しでも前に進まないと」


エメラルドは、ちらり、と俺を見て。

目を逸らし。

再び、見て、


「ホダカ……あのですね……」


「ん?」


「素材に……その……王家に連なる女性の……その……初めての……その……血が必要でして」


真っ赤になり、か細い声で言う。

エメラルドはその条件を満たすのだろうか。

怪我をしたことも無く、歯茎からの出血すら無く。

純粋培養。

それを恥じているのか、うつむいている。


「だから……そのですね、今晩……」


エメラルドが、上目遣いで見てくる。

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