【21万PV】クラスごと異世界転移、無能者として廃棄されたので、のんびりと生きます。

赤里キツネ

第1話 良く有る話

目を開けると、知らない部屋にいた。


見回す。

周りは、知人──クラスメート達。

そう、今朝は普通に登校して──


王宮?

西洋的な?


「ステータス」


ブッ


目の前に浮かび上がるウインドウ。


#########################


名前:多村たむら火鷹ほだか

レベル:1

 STR:F

 VIT:F

 DEX:F

 AGI:F

 MAG:F

 MEN:F

AS:

 [ Empty ]

 [ Empty ]

 [ Empty ]

PS:

 [ Empty ]

 [ Empty ]

 [ Empty ]

装備:

 隷属の首輪 解除不可

SP:0

称号:

 なし


#########################


弱くね?


まあ、分かった事がある。

此処は異世界だと言う事だ。

後、何か隷属させられている。


<称号『初ステータス閲覧』を獲得しました[1]>


何か獲得した。


「揃った様ですね」


広間に広がる、美しい声。

絵に描いた様な美女、鈴を転がすような声。

ナイスプロポーション。

召喚した王女様?


「まず最初に申し上げます。皆さんの首元の首輪……隷属の首輪と言いまして、皆さんの意志では外せません」


どよ……


クラスメートに動揺が広がる。


「基本の命令は2つ、王族へ危害を加える事を禁じ……そして、王族の命令への絶対服従です」


ええー。


「皆さんには、我が国、『グロリアス』の為に、戦って貰います」


……魔王、か。


「戦う相手は、敵国の兵士、教会の狗、裏切り者の貴族に、時には愚民……勿論、国内で発生した魔物の討伐も、です」


おい。


「……魔王とかは?」


「魔王?何ですかそれは?」


俺があげた疑問に、王女様?は怪訝な顔をする。


「では、『並びなさい』」


体が……勝手に……


俺を含め、クラスメートが全員、1列に並び。

順に何か水晶を押し当てられ。

一人一人、王女様?は歓喜の声を上げ。


俺に水晶を押し当て──再度押し当て、


「……え?」


あ然とした声を出す。

あれ、まさか、俺は凄い能力が……


「弱過ぎる……しかも、スキルが無いなんて……愚民ですら、数種はスキルを持つのに……」


青い顔で、後退る。

え、確かに自分で見た時、ぱっとしなかったけど。

あれやっぱり弱いんだ。


<称号『弱さを自覚』を獲得しました[1]>


うるさいよ?!


<称号『虚空に吠える者』を獲得しました[1]>


うぐ……


その後も順番に王女様?はクラスメートを調べ。

俺だけが広間に取り残された。


「ホダカ、貴方の様な無能者が出てきてしまうとは……私は今、大変恥ずかしい思いをしています」


「……そこまで言わなくても……」


羞恥に、怒りに震える美女。

やばい、可愛い。


「まあ、他の人は皆、超一級の者達……貴方の様なゴミが引っ掛かっても仕方が無いのかも知れませんね」


彼奴等、元の世界でも超人ばかりだったからな。

俺だけ一般人だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る