なぞの産業医

ンマニ伯爵

あらすじ

 都月草介つづきそうすけは地方の進学校に通う高校二年生。授業中に窓の外を眺めていると突然、窓の外で一瞬「雨」が窓を殴った。

 翌日、都月の学校にやってきたのは、緑色の髪の毛を持つ少女の姿をした産業医の麻耶まやミホロボッチだった。

 学校内外を派手にうろつく麻耶。その不気味でメチャクチャな行動に振り回される教師や生徒達。

 都月は、麻耶から自分は四百年後の未来から特殊物質ガリアリウムを使ったバイオテロリストを追ってこの高校にやって来たと打ち明けられる。

 調査の結果判明したテロリストは、なんと教頭先生のターニャに扮していた。ターニャ逮捕の協力を頼まれた都月だったが、荒唐無稽な麻耶の説明に不安を覚え、もうひとつ乗り気になれない。

 そのころ都月は、同級生の一人、ヤンキーの岸島きしじまが急激に変貌し、天才化していく場面に遭遇する。しかしそれは、どうやら麻耶が岸島の脳に何かをやったから、のようだ。同級生に勝手にそんなことをする麻耶に対する不信感は、さらに増していった。

 しかし、自身も進行する病気に苦しみながら奮闘する麻耶に押し切られ、また、憧れのマドンナ桜木さくらぎに引きずられるように、岸島、秀才の利根川とねがわ、クラスの女子ボス福留ふくとめとの協力を決断した。そして、ターニャを未来に送り返す次元位相転移装置と、逮捕に使う筋肉麻痺粒子を完成させた。

 学校内の応接室にターニャを呼び出し、奮闘の末に何とか未来に送り返した六人だった。しかしその直後、真の標的が出現した。さっき送り返したのは別の未来人だった。二度目の戦いの中、麻耶は次元位相転移装置をターニャとの戦いに使ってしまったことに思い至る。

 そこで麻耶は、自身が未来に帰るために体内に内蔵していた次元相転移装置を利用するため、不定形になってテロリストと融合一体化、自身とともに身を挺して未来に還すことを決断し、実行した。

 そして麻耶が未来に帰った後、五人はそれぞれの未来へと行動を開始した。

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