最後の感謝
大橋 仁龍 (おおはし じんりゅう)
第1話「虚しさ」
冬の寒い中、ずっと付き合ってた彼女のあいに振られ、途方に暮れる高校1年の俺。杉山 拓夢。
4時間前。
ピロン。
みなかな?そんなことを思いスマホを見た
「別れよ」
ただそれだけが送られてきてた。
俺は、みなが冗談で言ってると思い、急いで電話をかけると、みなが出て、安心した。
「みな、別れよって冗談でしょ。」
「本当だよ。ごめんね。もう無理なの。」
正直みなが何言ってるかわからなかった。
今までのあいと過ごした思い出が一気に脳裏をよぎった。
はじめて会った日。LINEを交換した日。付き合い始めた日。あいの誕生日を俺なりに頑張って考えてお祝いしたら嬉しくて泣いてくれたこと。
思いだしたら止まず、いつの間にか止まらない涙が出ていた。
「そっか。わかった。電話してごめんね。今までありがと。」
気づいたら家を出て、どこかに向かっていた。
歩いても、ずっとあいとの思い出を思い出して泣き続けた。
スマホを見ると午後5時をすぎていた。
どれくらい歩いただろうか、いつの間にか東京からでて来たことの無い場所を歩いていた。
このまま歩き続けても意味ないのはわかってる。でも、今は1人で風にあたって考えていたい。
夜の風はどこか新鮮で俺を慰めてくれた。
ピロン。スマホが鳴り見ると小学校の頃から友人の翔太だった。
「拓夢今どこにいる?飯行かね?」
どうするかしばらく迷い。結局断った。
ついでに親に今日は友達の家に泊まるから帰らないと言った。
しばらく歩くと、コンビニが見えたので寄りおにぎりなどの食べ物を買い。ベンチに座り食べた。その時のおにぎりの味は全く覚えていない。でも、食べている途中なぜか涙が出た。そこそこの人数と付き合ってたけど、みながめっちゃ長続きしてたし、みんなからは両想いだとは言われていて、みなが頬を真っ赤にして渡してきたラブレターはほんとに嬉しかったし、正直あいが俺の全てだったのかもしれない。
自慢の彼女だった。
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