ハズレを引かない方法



そんなものはない。終了~



……すいません。フリーダムすぎてしまいました。

でも、そんな方法などない、と私が言い切る理由は、真の意味での「ハズレ」はカクヨムにはないと思うからです。

作者さんやレビュアーなどその対象が人間なら、いつか傑作を書くかも知れないし、また「雑草」という名の草がないように、「ハズレ」として産まれた作品はないからです。


すべての発表された作品は、発表がメインの目的ではなかったとしても、その作者さんが「誰かに読んでほしい」と願って創ったものです。ハズレのつもりで創ったわけではありません。世の中にひとりでもハズレだと思っていない人がいるのなら、それはハズレだと言い切っていいはずはありません。


ただ、自虐的に自作をハズレだと思っているかたは、理論的にいるかも知れません。そういう作品がカクヨムにおいて削除されるまでPVが0だったとしたら、その実在は私には証明できませんが、カクヨムにおいてはそれはハズレだと言い切っていいと思います。


また、私がゲーム開発に関わっていたとき、自分の作品をハズレ(という意)とけなすプロ(小説、ゲーム、アニメ等)のが実在しました。そのひとりに、私の本棚にあった自著について「あ、これ俺の黒歴史」と言われたこともあります。

彼らは自作品のみならず、クライアントを、業界を、ジャンルを、そして何よりも読者(ユーザー)をハズレと言い切っていました。

「ゲーム脳ってあるよな~」

彼らにとって、彼らの生活を支えるその「世界」はハズレでした。

そして、私が最終的に知る限り、彼らのうちで変われなかった数人は、彼ら自身がかつて貶したハズレの状態におちいりました。

「彼? 出禁した……ツケ払ってくんないんだもん」


ハズレの世界に住む者は、ハズレになってしまうのかも知れません。


※ご注意 彼らには、商業作品を創るだけの才能と運がありました。真にハズレだったのではなく、ただ、その「世界」への愛と信頼がなかっただけです。

もし、彼らが かのJ・K・ローリングさんのように、自作品とその「世界」を愛し、信頼することができたのなら、今からでも彼女のように成功するかも知れません。


しかし、真のハズレがこの世になかったとしても、人には好み(価値観)があります。したがって、もし「ハズレを引かない方法」があるとしたら、それは「自分の価値観に合わない作品を避ける方法」と言い換えることができると思います。


では、その方法は……

人と場合によって違います。終了~


……すいません。面白いと思ってつい繰り返してしまいました。

やって見たらそうでもなかったな~

だいたい人と場合によって違うのなら、私自身のやりかた、つまり「カクヨムにおける、私なりの、自分の価値観に合わない作品を避ける方法」なら、語ることができますよね?


その「方法」とは、端的に言うと「基本的に減点法」です。

自分なりの採点基準をもうけて、それに達しないと思った作品を切る、という方法です。基本的に、と言うのは、一点突破な長所を感じる作品もあるからです。


「切る」なんて、何て冷たい人間かしら!


具体的に言うと、その「切る」判断(笑)は、以下のようなプロセスを辿ります。


1.「ルックス」で切る!

2. レビュー数で切る!

3. 中身で切る!


※ご注意 もちろん、私自身の作品を貴方の価値観で切ってしまったとしても、何の不満もありませんよ? それは私たちみんなの自由なのです。まあ、わざわざ作者さんに切ることを伝えることはどうかと思いますが。


まず、1について。


「ルックス」とは、私が独自に名付けたガイネンで、カクヨムにおいて読者さんが最初に必ず目にする要素、


タイトル

キャッチコピー

ペンネーム(なければユーザーID)

作品のジャンル


の、4つを合わせたものを指します。


※ご注意 レビュー数も「最初に必ず目にする」情報ではありますが、これには作者さんがコントロールできない要素ですので、「ルックス」には入れません。


作者さんの中には、ルックスについて、「私は中身で勝負したいから、それはどうでもいい」と考えたり、逆にとにかく威厳やカッコよさを追求するかたもおられると思います。あえて正確ではないジャンルを選ぶかたもいます。また、いちいちそんなことを考えるのもめんどくさい、と思われるかたもいるはずです。


他の読者さんがどう考えるかは知りませんが、私が考える優れたイケメンルックスとは、「その作品の、中身と等身大の面白さが伝わってくる」ものです。

だから、それが伝わってこないルックスを見ると、こう考えます。


まず中身を読まない奴はこちらのほうからお断り、と言いたいのかも。

作者をとにかく褒めたたえるのが礼儀だろ?、と言いたいのかも。

そもそも伝えるべき中身がない、のかも。


どちらにしても、残念ながら私の価値観では、こういう作品のことをあまり読みたくなりません。中身を見ることなく選ぶことについて、非難されるかたも多いと思います。でも私はそういう酷い人間なのです。


信じられないかも知れませんが、私は図書館で本を選ぶとき、すべての本を読んでから借りることはしないし、CDをすべて試聴してから買うことはしないし、コンビニのスナックをすべてこっそりツマミ食いしてから買うこともしません。

仕事では、発注業務をしてもすべての問屋さんに見積りさせることはしないし、また結婚では、妻になる人のことをすべて探ってからプロポーズしようとは思いませんでした。もし私が小説コンテストの審査員をしたら、すべての作品を読むことはないでしょう。


なんて不公平な人間かしら!


注意していただきたいのは、私は決して「上手なタイトルや名文のキャッチコピーやカッコいいペンネーム」を評価しているのでない、ということです。

いわゆる「性格俳優」みたいなルックスは、とても好きです。

たとえば、仰々しいペンネームなのに、徹底的にくだらないタイトルだとか。


他にも、評価するパターンとしては。


小説なら、中身の面白さがわかりやすく、ユニークで、中二病ルックスであることを重要視します。

コメディなら、一発ギャグ的タイトルで、全体的にペーソスを感じさせるルックスを好ましく思います。

珍しい立場のかたの実体験エッセイなら、簡潔な説明調のタイトルとキャッチコピー、そして素朴なペンネームやユーザーIDが似合うと思います。

また、ラノベなどでよく見かける長い長いタイトルも、他のルックスとのバランスさえあれば「悪くない」と思っています。


※拙作の紹介 自作品タイトル「異世界がどうとかキモいネット小説を読んでる叔母さんから聞いた話」では、「残された者は、祈り続ける。愛する人よ、安らかに。」というシリアスなキャッチコピーをわざとつけて、軽薄なタイトルとの差による意外性を狙っています。


まあ、何と言っても、「ルックス」は、カクヨムではまさしく「作品の顔」です。私は大事にしています。



次は、2. レビュー数で切る! に、ついて。


レビュー数は、多ければ多いほど、読者さんから評価されているということだから、それだけに面白い、と言い切っていいと思います。


しかし、じゃあ私がレビュー数の多い作品を必ず読むか、必ず面白いと思うかというと、そうとは限りません。

2017年のデータですが、世界で最も売上高(店舗数ではなく)の多い外食チェーンは、貴方もご存知のM印ハンバーガー店です。しかし、世界で最も売れているからと言って、世界で最も美味しい料理を出す店だとは、思いません。


※ご注意 M印の法律顧問の皆様、これはあくまで「個人の感想」です!


私はレビュー数をある程度の目安にしていますが、この基準を私は「ルックス」より軽視しています。私みたいにリアル知人に「お願い」する人もいるだろうしね!


なお、私はレビュー数以外のデータを、レビュー数とのバランスも含めて、まったく目安にしていません。なぜなら、それらは中身を読む前はレビュー数ほど目立たない情報であり、だったら中身を読んだほうが速いし、中身を読んだ後は他の情報に頼らず己の感性や価値観だけで評価するほうが好きだからです。


とはいえ、自分が切った作品が不人気なのをわざわざ確かめて、「俺の感性はスゴイ」と悦にいる、なんてブラックな楽しみはアリだとは思います!(ヒマだな~)

そして切った作品に人気がでちゃうと「しもじもの者はこの程度で」とか負け惜しみを言っちゃうのも楽しいですね!(ヒマだよね~)

私もたまにそういうイケナイ遊びをしますよ~


そして、ジャンルやその作品の話数によって、レビュー数の重みは変わってきます。もし、とある作品に50個のレビューがあれば、それが数話のエッセイならかなりの評価だと私は思いますが、150話の異世界モノ小説では少ないほうだと感じるでしょう。また、その作品が単話の「詩」だったら、私は大傑作の期待を持つでしょう。


では、レビュー数が数個あるいはゼロだったりしたら……


そのルックスにピン!ときたら、私は読むんですよね、これが。

ただ、カクヨムではシステム的にレビュー数の少ない作品は、見かけること自体があまりありません。せいぜい「関連小説」の項目や、自分でやった検索の結果を見たときぐらいしか。


キッカケはどうあれ、本文ありレビュー(本レビ)がまだない作品を気に入って、私が初めて本レビを書くときは……

新雪を最初に踏みしめるような快感があるんですよ!


そのとき、「こんな佳作が埋もれるなんて、カクヨムのシステムは間違っている!」と感じなくもないですが、それはゴーマンすぎる憤りだと思っています。私の感性は、世界で最も正しいわけではないからです。



3. 中身で切る! に、ついて。


厳密に言うと、「カクヨムにおける、私なりの、自分の価値観に合わない作品を方法」として語るとしたら、本文を少しでも読んでしまった時点でもう遅いですよね?


避けてないよ!


それに、中身を少しでも読んだのなら、価値観に合わなければ切るのは当たり前のことです。したがって、中身を読んでなお「ハズレを引かない方法」があるとしたら、それは、いかに「切る理由」を見つけるか、という方法に他なりません。


しかし。


少し読んだ結果、私の価値観に合わないことが判明したとしても……


この作者さんも一生懸命書いたのだから、最後まで読むのが礼儀なのでは、とか。

なんといっても無料なのだから、読んでも損はしないのでは、とか。

つまらないと思うのは私の読解力が低いかも知れないので、面白くなるまで読み続けるべき、とか。


と、私は一応、考えてしまいます。

でも、また一方で、私はこうも考えるのです。


自分に合わないと思ったら、無理には読まないのも礼儀だろう、とか。

無料なのだから、いつ止めても損はしない、とか。

つまらないと思うのはこの作者さんの表現力が低いかも知れないので、この先も面白くなるかどうかは判らない、とか。


そして結局、私は読まないこと、切ってしまうことを選択します。

そのほうが楽だからです。


本文を読んでなお切ってしまうことについて、非難されるかたも多いと思います。

カクヨムの作者さんの中にも、「少しでも読んだのなら、それは自分で価値を認めたということなのだから、最後まで読め、読んだら応援しろ、応援したらレビューしろ、そして本レビしろ」というロジックを次々と積み重ねるかたがいます。いわゆる「フット・イン・ザ・ドア(要検索ググ)」ですね。

きっと仕事ができるかたなのでしょう!


でも、私はそういう酷い人間なのです。


信じられないかも知れませんが、私は図書館でわざわざ借りた本を読まなかったことがあるし、TV番組の途中でチャンネルを変えたことがあるし、行列のできるラーメンを先輩に奢ってもらってもスープを残したことがあります。

仕事では、飛び込み営業の電話なら相手の話の途中でも切ってしまうし、また家庭では、愛する妻がわざわざつくろってくれたジーンズでも、次にまた擦り切れたら処分してしまいます。もし私が小説コンテストの審査員をしたら、終盤まで読んだ作品でもつまらないと感じたら切ってしまうでしょう。


なんてゴーマンな人間かしら!


なお、めでたく読むことを選んだとしても……


私は、長編連載の作品をある程度読み進めていても、その途中で切ってしまうことがあります。その理由には色々ありますが、主に次のものとなります。


① ぶっちゃけ、飽きた

② 書籍は出たが、ネットではもう続く見込みがない

③ 読み始めた理由の、とある惹かれた展開がもう起きる見込みがない


①については、まあ、しょうがないか~

わたくしも精進しなくてはなりませんことよ!


②のような場合、その作品の続きが気にならないと言えばウソになります。しかし、当たり前の話で恐縮ですが、ひとたび「商品」となったとき、そのライバルはフリー投稿サイトにあるような無料の作品だけではありません。「すべての商品(本・ゲーム・DVD)の新作」がライバルであり、限られたお小遣いと時間しか持っていない私は当然それらと比較します。そうすると、いくらかでも内容を知ってしまったその作品は、多少の書き足しくらいでは、どうしても見劣りしてしまうのです。


さらに、貴方は違うと思いますが、「書籍化されると連載が止まるタイプのかた」については、私という奴は、書籍化を祝福してあげたい気持ちがある一方で、なんだか裏切られたような気がしてしまうのです。

もちろん、ネットに投稿をしようがしまいが、それは作者さんの自由であり、決して何かの義務が生じるわけはありません。でもそれは、私がその作者さんを切ってしまう自由と等価だと思います。


それに……そもそも、書籍化されようがされまいが、いま途中のお話がちゃんと完結する保証なんて、最初からどこにもないのです。

それが嫌なら、完結している作品だけを引けばいいだけのことです!


③のような場合とは、要するに、「出会ったころは、こんな作品ひとじゃなかったのになあ~」と思ってしまうことです。小説なら「縛りシチュで主人公が工夫するところが好きだったのに、今じゃ普通にチートだし」とか「最近はなんかイチャイチャしてるだけ」と思ったり、エッセイなら「もう単なるイチャモンじゃん」と思ってしまうとか。


でも、それはたぶん、そう感じる私のほうが間違っているのだと思います。


なぜなら、そのような展開や視点こそが、その作者さんが最初から本当に書きたかったものであるかも知れないからです。

カフェと間違えてヘアサロンに入ってしまった私が悪いのです!


「すいません、すぐ出ていきますから!」

「その素敵なジャケットをもっと引き立てるセットはいかがですか。眉毛カットの無料キャンペーンもしてますよ。いまの時間は予約なしで大丈夫です」

「えっ……じゃあ、お願いしちゃおうかな~」



さて、私のとっての「ハズレを引かない方法」は以上です。

次回は、「レビューを増やす方法」について、語りたいと思います。


そんなものはない。終了~



……すいませんすいません、つい、またやってしまいました。

冗談はともかくとして、その「方法」は確かにあるのですよ。

貴方もすでにご存知の方法ばかりだとは思いますが、もしかしたら何かの参考になるかも知れないことを含めて語りたいと思います。


無料フリーで書ける、読める、伝えられる。

もっと自由フリーに、カクヨムライフを。

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