数時間遅れのプレゼント

電子レンジ235

数時間遅れのプレゼント

「よっしゃーー!」

「よかったね」


誰もいなくなった放課後の教室に、二人の男女が居座っていた。

「蒼、ありがとう!」

「いいのよ、優真くんが喜ぶなら」


2020年、2月14日。

中学最後のバレンタイン。












「じゃあ返すわ。助かった!」

「いいのよ、よかったわね」

















は?


と思われた方いっぱい居ることでしょう。











「一番列車の特急券買えるなんてな。蒼がポケットWi―Fi持っててくれてよかった」


優真はスマホを鞄にしまう。















そう、お分かりですね?

彼らはクラスの友人。

優真がポケットWi―Fiを忘れたから、蒼に借りてスマホで近鉄新型名阪特急、ひのとりの一番列車の特急券を買っていたんです。










皆さんもぜひ乗ってみて下さい!

運転開始まであと一ヶ月!














「あっ、これ、本命だから」

「えっ!?」





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